記憶の伝承について考える

@secilia2010 さんの一連のツイートをまとめました。
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secilia2010@猫のお守り @secilia2010

ダイアローグセミナーで提起された「記憶の継承」の問題を、あれから考え続けている。

2014-12-11 11:00:00
secilia2010@猫のお守り @secilia2010

ホロコーストの記憶を巡って、この分野では人文系にかなり蓄積があると思うのだけれど…震災遺構にもつながるけれど、「モノ」を残すだけでは残念ながら陳腐化していく。個人の記憶が孤立しないで、共同体の「物語」として共有されることが大事なのだろう。そうでないと鼻血や幽霊の見聞談みたいに。

2014-12-11 11:03:59
secilia2010@猫のお守り @secilia2010

昨日いわきで会った人が津波被害を受けた場所を案内しながら「この辺りは火災も酷かった。三日三晩消えなかった。地震の一日後に様子を見に来たら、火が燃え盛る横で死体がそこここにあって、この世の終わりみたいだった」と。当初は怒りと憎しみで一杯で、一週間後に戻ってまず市役所に怒鳴り込んだ。

2014-12-11 11:15:30
secilia2010@猫のお守り @secilia2010

続き)そうしたら同じ気持ちの人で一杯で、自分の番になるまで1時間、前の人たちの怒号を聞くはめになり、だんだん役場の人も大変だなぁ、と思うようになり、自分は「頑張ってください」しか言えなかった、と。

2014-12-11 11:18:55
secilia2010@猫のお守り @secilia2010

その人は放射性物質を「どっかの犬の糞」にたとえた。「自分ん家の前に犬の糞が落っこちてたら、頭くるけど、とりあえずは片付けるでしょ。どこの犬がしたのか、飼い主探して責任とらすまで糞転がして出入りするの?」と。だからその人は汚染マップを作った。その過程で同じように考える人と出会った。

2014-12-11 11:22:40
secilia2010@猫のお守り @secilia2010

近くの会社が、地元のことだから、と分析・測定を値引きしてくれた。知り合いを通じて、値を解釈して説明してくれる学者さんたちと繋がりが出来た。「東電も含めて、自分が直に会った人で悪い人はいなかった」とその人は言った。その人が怒っていないわけではない。許したわけではない。

2014-12-11 11:24:52
secilia2010@猫のお守り @secilia2010

「自分でやってみると、お金この位かかるんだとか、コピーするのも大変だとかいろいろ見えてきて、こんなもんか、って納得するんだよ」とその人は言った。その人は震災前には思ってもみなかった人と出会い、変わっていったという。たまたまだよ、とか、出会いのお陰だよ、と笑う。

2014-12-11 11:29:13
secilia2010@猫のお守り @secilia2010

でもその人が最初に手を上げなかったら、誰も動かなかった。犬の糞を片付け始めた背中を見なかったら、そういう方法もあるのだ、と気づけなかったかもしれない。もちろん色々な見方があるから、その人の方法「だけ」が正しいとは思わない。だけど、その人と話すと、素直に素敵だなぁ、と感じる。

2014-12-11 11:31:54
secilia2010@猫のお守り @secilia2010

素敵、で片付けられる問題ではない、と叱られるかもしれない。でも、東京に住んでいるわたしに出来るのは共感し、自分が役に立てることがあれば手伝う、くらいのものじゃないかと思う。わたしが当事者の人に教えることが出来ることなど無いもの(残念ながら…)。過剰な肩入れとかではなく、共感。

2014-12-11 11:36:43