2014年衆議院議員総選挙とメディアの報道について　《山崎雅弘》

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

安倍晋三首相は２１日午後、衆院を解散した。首相は午前の閣議で解散を宣言し、全閣僚が解散書類に署名した。解散後の臨時閣議で「１２月２日公示、１４日投票」の衆院選日程を決める（朝日）bit.ly/11kQhsV　ほんとに「１２月２日公示、１４日投票」になったのか。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

前にも一度紹介したが、大阪読売テレビ「たかじんの…」11月2日放送分に出演した飯島勲内閣官房参与についての記事（bit.ly/1yPpFeS）「飯島氏は手元のメモを見ながら『補欠選挙をやった後に7月〜9月の経済状況が明らかになる。11月17日くらいにはわかりますか

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（続き）ら、20日くらいに総理は消費税を10％に上げるかどうか決断する』と一気に読み上げた。さらに『その後の12月2日にねえ、思い切って衆議院解散して、12月の14日に投開票。24日に内閣改造、予算は越年』と、真顔で淡々と告げた」制度的に考えて、解散は「公示」の言い間違いだろう。

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早野透桜美林大教授は、衆院解散を「予測」した最初の新聞記事は11月9日付の読売だったと書かれている（11月19日付朝日、bit.ly/1qZPvIf）が、「たかじんの…」での飯島氏の発言はそれより一週間早い。この番組は首相のお気に入りで、レギュラー陣は首相と懇意。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

この飯島勲内閣官房参与の行動から考えると、今回の衆院解散はかなり早い時期から準備されていた可能性が高いように思える。野党側は、この飯島参与の「予言」が実現する可能性も視野に入れて準備してきたのか。野党第一党の代表や幹部の動きを見る限りは、情報戦で与党に追随できているとは思えない。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

首相は解散に際し「国民に信を問うのは民主主義の王道であります」と豪語したが、「ではなぜ原発再稼働に関する国民の意見（パブコメ）を無視したのですか？」と本気で追及しない大手メディアも首相を助けている。パブコメは選挙の無い期間に国民が意志表明する僅かな機会だが、政府は完全に無視した。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

「日本経済は唐突に景気後退へ転落」と報じるBBC　bbc.in/1xQwnTc　既にあちこちで指摘されているように、ブルームバーグも含め海外メディアは「リセッション（景気後退）」という言葉で日本経済の現状を解説しているが、日本のメディアは政府の説明だけ報じている。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

現政権になって「国」という概念が再びクローズアップされたのに伴い、人権や人道など「人間の尊厳」をないがしろにする言動が社会の表面で目に付くようになったと思う。所属集団全体の利益に奉仕するため、あるいは所属集団全体の利益を守るという名目なら、人権蹂躙も容認される空気が広がっている。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

人権や人道など「人間の尊厳」の尊重は、経済指標などの数字には全く表れない。ただ、個々の国民が日々「生活の実感」として、存在の有無を確かめるしかない。数字だけが現実であるかのような錯覚を前提として、最も合理的な方策を考えれば、「人間の尊厳」など一切無視するのが最善という結論になる。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

民主主義社会は「市民としての責任を負う個人」の集合体だが、自分が市民である自覚がなく、思考や価値判断を所属集団に委ねた人間は、政府の説明とは正反対のことが市民に対して行われていても、その事実を明らかにすることが「市民としての務め」だという認識を持たない。集団の秩序維持を優先する。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

北欧や西欧の民主主義国では、スノーデン氏の行動は大きな衝撃を持って受け止められ、政府トップが米政府に抗議する国も存在したが、日本では政府も国民もメディアも、スノーデン氏の行動が何を意味するのか明確に分類できていない。この事件への反応は、民主主義社会の成熟度を浮かび上がらせている。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

＜衆院選＞勝てるのか自民　議席を予測（毎日）bit.ly/1phK9wB　事前予測のアナウンス効果で「結果がわかっている選挙で負ける側へ投票しに行く意味はない」という心理を創り出す新聞やテレビは、結果的に「有利な側」をさらに有利にする手助けをしているように見える。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

「結果がわかっている選挙で、負ける側へ投票しに行く意味」が無いかといえば、決してそんなことはないと思う。現政権が勝つ可能性が高い選挙でも、その「勝ち方」のレベルによって、現政権が進めている諸々の政策決定のスピードを鈍らせる効果は生じさせ得る。小石にも走る車に減速を強いる力はある。

Hajime Imai〈今井 一〉 @WarszawaExpress

自民党から在京テレビキー局／編成局長・報道局長あて 問題の文書を添付しました。@kogashigeaki　@iidatetsunari 【無料放送】「 安倍政権がテレビキー局に報道圧力」no-border.co.jp/oped/ pic.twitter.com/QaFjbSHVNC

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想田和弘 @KazuhiroSoda

公平な目で見ても、あるいは公平な目で見るからこそ、厳しく批判すべきこと、というものが世の中にはある。批判すべきを批判せず、見て見ぬ振りをすることは、むしろ公平ではない。偏向報道である。安倍氏らはその点を完全に履き違えている。 pic.twitter.com/Zxk8qUq5RW

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山崎 雅弘 @mas__yamazaki

読みやすいように画像を補正して拡大してみました。「公平」が7回、「公正」が6回も繰り返されていますが、要するに「我が党が不利になるような報道は偏向と見なすからそのつもりで番組を作れ」という恫喝ですね。@WarszawaExpress pic.twitter.com/8HCXam8I2m

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山崎 雅弘 @mas__yamazaki

この資料に名前が出ている自民党の萩生田光一衆院議員は、今年10月11日に東京で行われた「統一教会」の催し「祝福原理大復興会」に来賓として招かれ挨拶したという（週刊朝日）bit.ly/1yiRMEu　在京テレビキー局各社は、事実を事実として公正に報じてはどうだろう。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

選挙報道「公正に」　自民、テレビ各社に要望文書（朝日）bit.ly/1z1rCVf　田島泰彦・上智大教授（メディア法）「公平公正というのは問題を足して２で割るという話ではなく、権力を持っている政権の問題を指摘し、時間をかけて課題を議論することは報道としては健全だ」

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

（続き）「また、今回の文書を問題視していない放送局の感覚もおかしい。公平中立な報道はメディア自身が主体的に自らで考えるべきことだ」「出演者の発言回数やテーマについて特定の意見が集中しないように求めるなど、かなり具体的に介入した文書であり、報道が萎縮するような圧力になっている」

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

自民　テレビ局の選挙報道で細かく公平性要請（毎日）bit.ly/1z1sb1l　服部孝章・立教大教授（メディア法）「放送法の文言をひいて『公平中立』を求めているが、実態はテレビ局への恫愒だ。アベノミクスに批判的な識者を出演させないよう予防線を張っているともとれる」

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

選挙報道の公平求める文書　自民がテレビ各局に渡す（産経）bit.ly/1ptd14Z「党広報本部は取材に『報道の自由は尊重するという点は何ら変わりない。報道各社は当然ながら公正な報道を行ってもらえると理解している』と回答した」産経はダブルスタンダードを使っている。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

テレビ東京の高橋雄一社長は定例記者会見で、自民党から選挙報道の中立公正を求める文書が届いたことを明らかに（読売）bit.ly/1uOs4lG　読売新聞はなぜか、系列の「日本テレビ」や「大阪よみうりテレビ」でなく「テレビ東京社長のコメント」を素材に記事を書いている。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

政治評論家森田実氏「自民党がこんな要望書を出したのは初めてでしょう。萩生田氏は党副幹事長のほかに総裁特別補佐を務める政権の中心人物。その幹部が自民党には『自由』も『民主主義』も存在しないことを宣言した。実に恥ずべき行為」（日刊ゲンダイ）bit.ly/1vqOhv0

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

（続き）「国民から言論の自由を奪うのは明らかに憲法違反。彼は今度の選挙で立候補する資格はありません。萩生田氏が安倍首相にゴマをするために行ったのでしょうが、首相も了承しているなら、日本は世界から相手にされなくなります」（日刊ゲンダイ）bit.ly/1vqOhv0

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

政府の政策への国民の不満は、政策の不調を示す「現場」からのシグナルに他ならず、本当に国民の生活環境の改善を望むなら「道がずれていることを示唆する情報」と捉えて軌道修正のための判断材料にするが、自分は正しいという結論から出発する傲慢な思考では「邪魔で不都合な雑音」にしか聞こえない。