「フィスト・フィルド・ウィズ・リグレット・アンド・オハギ」 #4

B・ボンド&P・モーゼズ作。ネオサイタマを舞台としたサイバーパンク・ニンジャ活劇「ニンジャスレイヤー」の私家翻訳物 詳細はこちら http://togetter.com/li/73867
ニンジャスレイヤー
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Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「フィスト・フイルド・ウィズ・リグレット・アンド・オハギ」その4
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
(これまでのあらすじ)浮浪者キャンプのヨージンボー、ワタナベは、傷付いた来訪者と心を通わせる。イチロー・モリタの偽名を用いてドラゴン・ゲンドーソーの孫娘ユカノの行方を捜すニンジャスレイヤーことフジキドは、ワタナベの心に触れ、つかの間の安息を覚えるのだった。
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(あらすじ続き)しかし、平穏は長くは続かない。ワタナベの正体は、ラオモト・カンのソウカイ・シンジケートにおいてかつて最強とうたわれたニンジャ、インターラプターであったのだ。組織を逃走し、浮浪者の身に甘んじる彼に、シンジケートの使者ウォーロックは接近。ニンジャスレイヤー暗殺を
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(あらすじ続き)打診するのであった。一方その頃、地上では、ヒョットコ・クランがワタナベへの報復を叫び、浮浪者キャンプ襲撃を今まさに決行せんとしていた。ニンジャスレイヤーの身に、今、二重の危機が迫る!ワッショイ!
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アグラ・メディテーションを終え、二分間に及ぶ深呼吸を三度行うと、ニンジャスレイヤーは静かに立ち上がった。傷は六割癒えた。ロン先生の処置は適切であり、ニンジャスレイヤー自身のニンジャ回復力も非凡であった。これ以上の滞在は許されない。いつソウカイヤがここを嗅ぎつけるかもわからない。
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なにより、ニンジャスレイヤーはユカノの身を案じていた。ワタナベの情報網が機能するという保証もない。旅立ちの時である。
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ニンジャスレイヤーはボストンバッグのジッパーを開け、己の赤黒のニンジャ装束がしっかりとたたまれているのを確かめた。背後でノレンが動く気配がした。ニンジャスレイヤーはジッパーを閉じ、振り返った。
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「……」ワタナベであった。広い肩、無骨な顔立ち、四角いシルエット。雨に濡れ、目をらんらんと輝かせ、ニンジャスレイヤーを無言で見据えている。凄惨な表情であった。
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「どうした」ニンジャスレイヤーは問うた。己のニンジャ第六感が、ワタナベの剥き出しの闘争心、そして悲哀を感じ取っていた。ワタナベは答えた。「本来の姿に着替えるがいい、モリタ=サン。いや、ニンジャスレイヤー」「……」「おれも、着替える」
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「ワタナベ=サン」「おれはニンジャだ、ニンジャスレイヤー=サン。ソウカイ・シンジケートのな」ニンジャスレイヤーは頷いた。「よかろう」ボストンバッグをつかみ、テントから出た。そして隣のテント、ロン先生の診療所へ向かう。
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診療所は無人であった。ロン先生はおそらく、ツーフーを発症しているマゲヌマさんへの往診に出ているのだろう。ニンジャスレイヤーはそこで己のニンジャ装束の袖を通した。頭巾を被り、「忍」「殺」とレリーフされた恐ろしいデザインのメンポを装着する。己に憑依したニンジャソウルが身じろぎする。
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ニンジャスレイヤーはワタナベ=サンの過去、そして現在を思い、そして振り捨てた。慈悲はない。ニンジャ殺すべし。
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診療所テントを出ると、ワタナベもまた、着替えを終えて自分のテントから出てきたところだった。焦げ茶のニンジャ装束を着たワタナベが、ニンジャスレイヤーにオジギした。「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。インターラプターです」「ドーモ、インターラプター=サン。ニンジャスレイヤーです」
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浮浪者キャンプは静まり返っている。ただ、電気ボンボリの明かりで照らされるばかり。皆、日中の空き缶拾いに疲れ、泥の様に眠っているのだ。ニンジャスレイヤーとインターラプターは3メートルの距離を保ちながら、ゆっくりと旋回した。互いにつけいる隙をうかがっているのだ。
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「なぜ、わさわざ正体を隠していた?インターラプター=サン。寝首をかく機会はあったろう」「ソウカイ・シンジケートへ復帰したのはついさっきだ。お前がニンジャスレイヤーだと知らされ、テウチ指令を受けたのもな。おれはシンジケートから逃げておったのだ。だが、それも終った」
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「おまえはそれでいいのか?妻が、子が待っているのだろう?」ニンジャスレイヤーが問う。インターラプターは暗く笑った。「そうとも。家族。オハギ依存を断ち、おれはまっとうな人間に戻る。そして家族を取り戻すのだ」「まっとうな人間?違うな。お前はニンジャに戻ったのだ。無慈悲な殺人者に」
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「言うな!」インターラプターが仕掛けた。イナズマの如き速度の蹴りである!ニンジャスレイヤーはぎりぎりのところでそれをかわした。その動きはどこかぎこちない。体が完全ではないのだ。
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ニンジャスレイヤーはインターラプターの蹴り脚を掴み投げ飛ばした。「イヤーッ!」「グワーッ!」しかしインターラプターもさる者。空中で易々と受け身をとった彼は猫の様に着地する。ニンジャスレイヤーは着地点へスリケンを投げた。インターラプターの両腕が素早く動くと、スリケンは弾かれていた。
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「本気を出せニンジャスレイヤー。怪我がどうした。この程度のジュー・ジツでコッカトリス=サン、ましてダークニンジャ=サンが倒せるたはずがない。本気を出すのだ。おれはシックスゲイツ最強のニンジャだ。おれは甘くないぞ」インターラプターは不敵に言い放った。
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「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは飛び蹴りを繰り出した。「イヤーッ!」インターラプターも同角度の飛び蹴りで応じる。二人は空中で交差した。着地と同時に、二人は振り向きながらの蹴りを放つ。これも同角度である。蹴りと蹴りがぶつかり合い、火花が跳んだ。
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互角!いや、ニンジャスレイヤーはさらにもうひと蹴りを残していた! 反対の脚がビリヤードのキューのごとく突き出され、インターラプターの胸を突いた。押し出されるようにして吹っ飛んだインターラプターへ、滑るように向かって行くニンジャスレイヤー。追撃である。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
またしても猫の如く着地したインターラプターは、迎え撃つと思いきや、奇妙な中腰の姿勢を維持していた。ニンジャスレイヤーはその姿勢になにかただならぬ気配を感じ取った。だが、攻めの手を止めるわけにはゆかぬ。インターラプターの下腹へ向け、ニンジャスレイヤーはチョップを突き出した。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「イヤーッ!」「フンハー!」インターラプターが叫んだ。ニンジャのシャウトとは異質な叫びだ。ニンジャスレイヤーのチョップは、中腰のインターラプターの腹筋へ突き刺さり……いや、違う!おお、見よ、なにか超自然の力によって、ニンジャスレイヤーの手は逆にがっちりと捉えられているではないか!
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
インターラプターは上半身をねじった。上体だけが、ほとんど真後ろを向いている。そして、その右腕の異様な緊張を見よ!何かがくる!ニンジャスレイヤーは防御の姿勢を取ろうとした。だが、なんたることか、体はその場にくぎづけにされている!見えない何かが、ニンジャスレイヤーを押さえつけている!
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コメント

オスツ🍣 @alohakun 2010年12月5日
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