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くみかおるの冒険 @ElementaryGard
Arthur C. Clarke's _2010: odyssey two_再読。第一章でフロイド博士(前作でも主役級で登場)が旧友のロシア人科学者とやり取り。月で発掘されたモノリスのことがようやく情報解禁されてどの国も探査できるようになった顛末について。
くみかおるの冒険 @ElementaryGard
で、ディミトリ博士がこう語る。"But that's ancient history---like the just-departed administration of yours that was responsible for the whole mess."
くみかおるの冒険 @ElementaryGard
ここ、伊藤典夫訳では >いずれにせよ過ぎ去った歴史だ。先日崩壊した政権と同じで。あれはひどいものだった。 だったかな。今ハヤカワ文庫版が手元にないのでうろ覚えです。
くみかおるの冒険 @ElementaryGard
で、この訳ではだめなのです。地球外知的生命の存在を示唆する謎の物体が月で発見され、アメリカ政府はそれを最高機密に指定して世界に公開しなかった。映画『2001年宇宙の旅』でいうとここ。 pic.twitter.com/HGG1ugUlVt
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くみかおるの冒険 @ElementaryGard
アメリカ大統領選は4年ごとに行われます。現実の2000年11月にブッシュJrとゴアが大激戦して僅差でJrが大統領になったときのことは記憶に新しい。
くみかおるの冒険 @ElementaryGard
ディミトリ博士の台詞を改めて見てみましょう。 >like the just-departed administration of yours that was responsible for the whole mess."
くみかおるの冒険 @ElementaryGard
「先日任期満了した政権こそがすべての元凶だったのだし」と私なら訳す。伊藤訳と比べてみてください。小説内では2000年からまる8年つまり二期連続で同じ大統領政権だった、と読めます。
くみかおるの冒険 @ElementaryGard
月でのモノリス発掘そして異星人が残したものだと判明したのは2000年のことだった、と想像できます。新政権の下、このことは最高国家機密に指定された、と。もっともどうやら8年の任期満了前に情報公開したようですけど。

訂正。新政権は2001年からですね。ということは小説ではモノリス緘口令は2001年?すると木星到達は翌年。

くみかおるの冒険 @ElementaryGard
さて小説のなかで米露共同の木星有人飛行計画が進みます。さらにはアメリカ大統領からフロイド博士に宇宙船搭乗の申し出があって、博士はそれを受けるのです。大統領の名前がちらっと出てきます。Mordecai。これ、ユダヤ系の名前です。ユダヤ系大統領…ということはおそらく民主党政権です。
くみかおるの冒険 @ElementaryGard
著者クラークはさりげなく2000年代のアメリカの政治情勢を語っているのです。私たちにとってはすでに過去ですが、この小説は1982年刊行だから2000年代は未来の話。
くみかおるの冒険 @ElementaryGard
2000年に共和党(保守的です)政権になって、それが8年続いて、2008年に民主党が政権を奪回。そしてロシアから提案された共同宇宙計画を受け入れ、フロイド博士に声をかけた。
くみかおるの冒険 @ElementaryGard
月で謎の遺跡(らしきもの)発見→謎を解く鍵は木星にあり→有人探査をやろう→乗員4名が死亡、1名は行方不明→謎は解かれないまま フロイド博士はこの一連のできごとの責任者でした。その負い目があるところに、米露共同の木星探査計画への参加を申し出され、彼は燃えた。
くみかおるの冒険 @ElementaryGard
政治情勢の変化が背後にあるわけです。著者クラークはいちいちそこまで綴らない。会話のなかにさりげなくヒントを挟んで読者の想像力をかきたてる。素晴らしい。
くみかおるの冒険 @ElementaryGard
伊藤訳ではそこが伝わらない。原文を読み取れていないのです。日本での邦訳敢行は1984年?うーん当時でもこのくらいは読み取ってほしかった。
くみかおるの冒険 @ElementaryGard
そうそう、アメリカ単独の木星探査計画で乗員4名が死亡したのは、搭載の人工知能ハルが異常をきたし乗員5名全員の殺害にでたからでした。木星探査の真の目的を船長と副長の二人には言うなと言い渡されたのがきっかけで精神分裂症状を起こした。 pic.twitter.com/Pwng5VaoHz
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くみかおるの冒険 @ElementaryGard
伏せる決定をしたのは、やはり問題の政権による判断だったことが_2010_のなかで解説されます。ディミトリ博士がこの政権を非難したのは、月のモノリスのことを世界に伏せたことにくわえ乗員死亡の元凶でもあったことを踏まえてです。そう読めるし、読めないといけない。
くみかおるの冒険 @ElementaryGard
訳者あとがきに目を通すに(今手元にないので記憶で書いています)訳者の伊藤氏はそこまで読みとれずに翻訳したようですね。
Fumihiko Fujiki @UFOprofessor
これは、クラークが「予言者」だったと言いたいのかな? >『2010年宇宙の旅』の訳に異議あり - Togetterまとめ togetter.com/li/757104 @togetter_jpさんから
くみかおるの冒険 @ElementaryGard
あの本がベストセラーになったのは、名作の続編であることに加えクラークの手でそっと近未来を垣間見せてもらえる快感もあったのだと思います。少なくとも政権を担う政党の予想については的中でしたアーサー卿。@UFOprofessor @togetter_jp
くみかおるの冒険 @ElementaryGard
第一章でジミトリ博士とヘイウッドが対話。これはおそらく2009年の初頭です。「今年一月の時点では木星探査船の名前はレオーノフ号だ」という台詞があるから。アメリカ政権交代が少し前にあったことも対話から読み取れる。四年ごとに、一月二十日に大統領の就任式があるから、[続く]
くみかおるの冒険 @ElementaryGard
二人が対話しているのは2009年1月下旬以降と推定できます。ちなみに場所はアレシボ。電波望遠鏡のメッカ。調べてみたらプエルトリコだそうです。直径305m。小説のなかにもこの数字がでてきます。 pic.twitter.com/zsyaraad8T
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くみかおるの冒険 @ElementaryGard
日没のなか、ロシアとアメリカの科学者がこの超巨大アンテナのやぐらの先で対話する。フロイドは"'I'm starting to freeze."(冷えてきてたまらん) そんなに寒い土地なの?熱帯海洋性気候なのに。1月でも夜の気温は平均21度。
くみかおるの冒険 @ElementaryGard
天文台の標高はわかりませんでした。野辺山やパロマなどの数字はすぐわかったのに。ということはあまり高いところにあるわけではないのでしょう。
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コメント

山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015 2014-12-14 00:14:00
原作が書かれたのが「1982年」だの、翻訳が「1984年」だの、根本的にどうしようもなく間違ってる。やり直し。
くみかおるの冒険 @ElementaryGard 2014-12-14 13:46:34
hirorin0015 原作?『2010年』の小説刊行は1982年1月。伊藤典夫による邦訳は1984年5月。会長、『2001年』と思い違いしてるでしょ。やり直し。
ゆ〜たん @Iutach 2014-12-14 20:09:07
「先日任期満了した政権こそがすべての元凶だったのだし」と訳すと「But that's ancient history---like」とうまくつながらない気がしますが。
くみかおるの冒険 @ElementaryGard 2014-12-14 21:56:10
Iutachそこはあえて軽く訳すのがコツ。「それももはや過去のことだがね。」 直訳で「古代史」とすると日本語文のなかでは強すぎるんですよ。浮いてしまう。それからlikeはあえて訳さない。
Ka-Ka @ka_ka_xyz 2014-12-14 22:08:04
手元のハヤカワ文庫版「2010年宇宙の旅」(第三版)だとp25 "しかし、それはもう古代史の領分だな --- 先だって消えた、きみのお国の政権みたいに。あれはひどいものだった。"の所かな?
Ka-Ka @ka_ka_xyz 2014-12-14 22:10:29
個人的には、この箇所だけを切り取ると微妙な気がしないでもないものの、政権交代により事態が変わったっていう大意には影響しないし問題無いかなーって気が。
くみかおるの冒険 @ElementaryGard 2014-12-14 22:29:53
ka_ka_xyz 面白いですね。伊藤先生は文庫化にあたって少し手を入れられたのでしょう。もっとも原文を読めていないことに変わりはないのですが。
rxk14007@週休7日でビール🍺が飲みたい @rxk14007 2017-02-17 20:21:25
まとめの内容より、山本弘 @hirorin0015 の誤爆が笑える。
ut_ken @ut_ken 2018-01-13 19:20:00
山本弘氏、昨年末の、他所の作家の作品についての致命的な誤読についても「謝ったら死ぬ病」全開ですけど、三年前のここのコメント欄でも「2010」と「2001」を間違えてトンチンカンな説教をして、その間違いの指摘に対しても「謝ったら死ぬ病」を発動していたのですね。
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