ドロロンえん魔くんについて

アニメ版えん魔くん全25話についての視聴感想です。原作の方は一応何度か読んだ事があります。
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七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

さて、ちょっとゲオでドロロンえん魔くんを借りてきた。以前燃えろアーサー(白馬の王子)が配信期限を読み違えて途中で断念せざるを得なくなったので、代わりにこのドロロンえん魔くん全25話について、土日に見てみようかと思う。

2014-12-13 21:15:00
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

ちなみに原作の方は昔図書館で何度か借りて読んでいた。そちらはどんどんギャグ路線が強くなってきているが、アニメ版はギャグ要素を維持した痛快活劇ものから徐々にシリアスな題材へと手を付けているかのような出来。

2014-12-13 21:16:21
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

ここ辺りは、やはり当時の東映アニメ色が良く出ている。

2014-12-13 21:17:03
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

あと、漫画版でも同じだが、小学生のススムやハルミちゃんがえん魔くん達妖怪パトロール隊の面々と親しく、共に事件に巻き込まれたり解決したり。また小学校をメインとして物語が描かれる件は同じ東映アニメ作品のミクロイドSを少し彷彿させる。

2014-12-13 21:18:39
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

ミクロイドSのアニメはえん魔くんと入れ違いで終了している。そっちは前半ギドロンからの脱走者として同胞を敵に回して葛藤するヤンマ達3人のドラマが主軸だったが、後半ではマメゾウが小学校に通うようになり学や彼の友人とのほのぼの路線へ作風が変わっていく訳で。

2014-12-13 21:20:00
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

えん魔くんのフォーマットはミクロイドSの後半に近い(同じ辻氏メインとの事もあるのだろうか)、また妖怪側の主人公と交流する小学生をレギュラーキャラで置いた作風は第3期鬼太郎の先駆けっぽくもない。

2014-12-13 21:20:54
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

ちなみに鬼太郎関係だと、アニメ版ではねずみ男ポジとしてダラキュラというキャラクターが設定されている。やはり強い相手を前にホイホイと裏切り、えん魔くん一行が勝てばひょいひょいと媚を売るようなポストねずみ男的な人。

2014-12-13 21:23:23
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

えん魔くんが企画された背景は“変身ヒーローものの次に何が来るのか“というものを模索していたらしい。何やら当時ロボット物をやろうというアイデアもあったそうだが、マジンガーを既にやっているからという背景からロボットものを用意するのは見送られたらしい。

2014-12-13 21:24:47
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

東映アニメ、ダイナミック側(どっちが言いだしっぺかは分からない)が鬼太郎をやろうという結論でえん魔くんが生まれたそうで、変身ヒーローものの次に妖怪がブームになると判断したのかもしれない。

2014-12-13 21:25:33
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

また、ちょうど同期に放送されていた特撮番組鉄人タイガーセブンも変身ものの次は妖怪ものが来るとの背景で企画された作品だった。偶然にも同じフジテレビ系の番組であり、フジ側のプロデューサーは同じ別所孝治さんだった。

2014-12-13 21:26:46
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

さらに、タイガーセブンとえん魔くんの後番はそれぞれ電人ザボーガー、ゲッターロボ。変身ヒーローものの次にブームになるのは妖怪ものではなく、ロボットものだったという結果を暗に示しているかのような。

2014-12-13 21:28:01
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

変身ヒーローブームの仮面ライダーが怪奇ものの強い作風から始まっていき、他の変身ヒーローものも怪奇性を持っている作品が少なくなかったとは思う。妖怪ものの2作品は変身ヒーローものの延長線のような存在であって、ロボットもののような独自性に欠けていたのかもしれない

2014-12-13 21:29:26
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

というような、ちょっと時代の仇花的な面もあるえん魔くんという作品。前半まで見たが、第5、6話辺りから徐々に本領を発揮していくような出来だ。

2014-12-13 21:31:09
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

アニメ版の出だしでは、漫画版と違いえん魔くんが大王の甥であり、妖怪パトロールとして地獄から出発するような書かれた方ではなく、3人が早速日本へ到着してパトロールを始めるという結構説明は省いて始まる。アニメの方では大王は第8話まで登場しない。

2014-12-13 21:32:44
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

たまに漫画に登場した妖怪も出るが、書かれ方が異なる場合が多い。特に漫画版で最強の妖怪と言って6週待たせた挙句1コマで倒された怒黒は、アニメ版では水爆を日本へと落とそうとしえん魔くんとも五分五分の勝負を展開する強豪になっていた。 pic.twitter.com/mNrwynD2Rp

2014-12-13 21:34:44
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七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

そんなシリアスな色合いを持つアニメ版では、妖怪が人間の起こした公害による怨念で人々を襲ったり、パワーアップしたりといった設定が多い。序盤では公害は妖怪のせいと扱われていたが徐々に悪の妖怪の遠因は人間の公害といったように描かれていく。

2014-12-13 21:36:07
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

第11話に登場した泥女郎は妖怪としての力を失った為、雲の上で隠居生活を送っていたら、人々の出した公害による大気汚染の影響で人をも妖怪をも殺す事が出来る毒素を吐く力を身につけてしまったという例。

2014-12-13 21:37:14
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

その上、彼女はえん魔くんに倒される際に、「あたしには殺される覚えがないよ!あの毒素は元々人間の作った物なんだろ!?人間の者を人間に帰してやってあたしの一体どこが悪いと言うのさ!?」と言うのだが……そう言われてしまっては妙に正論っぽい

2014-12-13 21:38:57
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

ある意味泥女郎も人間の出した公害の犠牲者(ただ、元々彼女は悪人ではある)だが、1クール半ばからこういう葛藤をはらんだエピソードが増えてくる。第7、9、10、12話についてちょっと触れようと思う。

2014-12-13 21:40:27
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

第7話「妖怪あすなろ小僧」について。この妖怪は人間になろうと純粋に願う妖怪であり、あすなろう、明日人間になろうとの事からあすなろ小僧という名前。山本圭子さんの純真な演技が儚さを寄り漂わせる。 pic.twitter.com/b5ObOlHLyq

2014-12-13 21:42:16
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七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

彼はススム達の学校に通いたい事を望むが、転校の手続きについても知らない、豚や牛一頭を食べる事が当たり前かどうかのカルチャーギャップで孤立する。純粋に人間でなりたい為で過激な手にも出てしまうという……。

2014-12-13 21:43:31
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

ただ、本人は本当に人間になる事を望んでいる妖怪であり、彼の過激な行動も悪意ではなく。自分に悪意がないだけにつまはじきものにされたり迫害されたりする理由が彼には分らない。その結果あすなろ小僧は妖怪としての姿を表して人間を食べて人間になろうとしてしまう。

2014-12-13 21:45:14
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

雪子姫「あすなろ小僧、そんなに大勢の人間を殺してどうしようと言うの!?」 あすなろ小僧「人間になるだ!!(真顔で)」 雪子姫「人間を殺して人間になってどうするっていうの……!?」 このやり取りが悲しい。あすなろ小僧、人間になる事だけに余りにも純粋すぎた

2014-12-13 21:47:20
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

その後、自分を本当に心配してくれたツトムとハルミの姿を見てあすなろ小僧は改心し、彼を殺そうとするえん魔くんを二人は止める。この構図はそう珍しくないかもしれないが、その時のあすなろ小僧の立場がよく伝わる。 pic.twitter.com/QHiJU8rtCF

2014-12-13 21:48:53
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七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

その後、あすなろ小僧は倒されることなく、地獄へ帰る事を選ぶ。「妖怪だけど人間の友達が出来た、二人もだ……」と友達二人からの差し入れを受け取って彼は帰っていく。切なくも優しく妖怪と人間のつながりを描き出せた一本かもしれない。

2014-12-13 21:50:19
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