機銃小話~14.5mm KPV重機関銃の開発経緯について少し

なんだかパワフルで格好いい気がする14.5mm KPV重機関銃について、開発経緯を少しつついてみる
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SUDO @sudo_simoigusa

そいや、飛行機の機銃って13mm級(50口径)の上って20mm級(80口径)になっちゃって50-80の中間65口径級とかって成功例無いよね。せいぜいMG151/15の15mm(60口径級)ぐらい。中途半端といえばそのとおりだが、色々試してても良さそうなもんなのにな

2014-12-15 18:33:04
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

特に15mmより上、20mmより下の口径って、航空機銃以外でもサッパリ見ない気がする

2014-12-15 19:47:18
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

航空機銃に限らない15mm級にしても、MG151/15とKPVとBESA 15mmと……?

2014-12-15 19:49:02
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

そういやKPVって普通は単にKPVって呼びますけど、45年あたりの文書を見るとKPV-44なんて表記もあったりするんですよね。なんで名前が変わったのかはよくわかりませんが、-44付くほうがちょっと格好良くて好み

2014-12-15 20:03:07
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

KPVってなんでああまで配備まで時間かかったんでしょ? 何かが機能的にまずかったのか、それとも戦争も終わったし急がないでいいや、って事なのかな

2014-12-15 20:09:42
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

KPVの計画は1942年末には動き出したんだけど、この時点では3つの銃の競作だったと。これらは全てガス作動式だったんだけど、14.5x114mm弾薬の高腔圧のためにピストンがえらい勢いで突っ飛ばされるせいで装填・排莢の安定を欠いた、とかなんとか

2014-12-15 20:57:19
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

そこで20mm V-20なる航空機銃をベースにして14.5mm重機関銃を作る事になったと。V-20は20mm B-20航空機銃との競作に敗れた機銃だったんだけど、ショートリコイルつまり反動利用式だったので、高腔圧でのガス作動に由来する問題は避けられそうだと考えられたらしく

2014-12-15 21:08:12
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

V-20航空機銃ベースの14.5mm重機関銃は43年11月には一応形ができて工場試験を実施、翌年2月には国家試験に。さらに二ヵ月後には「KPV-44」の名が与えられ、51挺を製造して前線試験をする事になるも、担当工場は既に手一杯で、結局試験は独ソ戦終了後にずれこんだ、と

2014-12-15 22:16:35
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

そして試験では、KPV-44はとくに装輪・三脚・対空兼用の汎用銃架の欠点が露呈したようで。取り扱いが面倒で、そして途方もなく振動し、最低限の安定さえ欠いていた。そのため全用途を兼用した汎用銃架という方向性は放棄され、各用途に適した銃かが作られることになった

2014-12-15 22:27:50
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

46年には単装、連装、4連装の対空銃架の試験が始まり、これらは後にZPU-1,ZPU-2,ZPU-4になる。歩兵用の装輪銃架の開発は少し遅れて48年頃に完成。そうして49年にやっとKPV-44は改めて「14.5mmウラジーミロフ歩兵用重機関銃(PKP)」として採用、でいいのかな

2014-12-15 22:35:22
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

PKPの最初のPは「歩兵用」の意味の頭文字。普通ならPKPVになりそうなもんだけど、なんでか歩兵用だけウラジーミロフが省かれてます。車載用のは戦闘のPが取れて戦車用を示すTがついてKPVTになり、そして対空銃架のはやっぱり歩兵用じゃないんでP無しのKPVって呼ばれたという事かな

2014-12-15 22:40:16
JagdChiha 〄 次元不可能性撹拌機 @Jagdchiha

@FHSWman ソビエト銃器でPKPてえとごく最近の7.62mm 6P41 PKP軽機が浮かびますけど、口径や時代が違うといえど同じ名前で出しちゃってたんですかねえ

2014-12-15 22:53:06
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

@Jagdchiha PKPってえと、PK再び改善みたいなもんでしたっけ。さすがに時代が違いすぎて問題なかろうもんでしょうね

2014-12-15 23:06:46
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

そんで歩兵用のPKPは重すぎて不評ってんで暫くすると姿を消しちゃって、だから今日我々が目にするのは基本的に対空用のKPVと車載用のKPVTくらいしかなくなった、のかしら

2014-12-15 22:42:31
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

適当なお話をしたので実際怖いソ連銃器クラスタに怒られそうだ

2014-12-15 22:43:20
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ともあれ、KPV自体は44年にはほぼ物になってたけど、工場がオーバーワークだったのと、良い感じの銃架がなかなか出来なかったんで採用は遅れちゃった、という話でいいのかな

2014-12-15 22:48:46
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ZPU-1銃架ってかなり低砲耳スタイルですよね。もしかすると、KPV-44の汎用銃架で問題になった振動対策として、出来るだけ銃口高さを下げて安定させようとする意図があったのかも。あと高低歯弧が普通なかなか見ないような位置にあって面白い pic.twitter.com/BGuSnTB9dy

2014-12-15 22:57:03
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

他方、ZPU-4銃架はちょっと面白みに欠けるかも。特に下部砲架は37mm 61-K高射機関砲とか85mm 52-K高射砲のをそのまま縮小したようなもの……というか、こいつら全部ボフォース40mm由来ですよね pic.twitter.com/KlrVHlTlLp

2014-12-15 23:04:03
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革命的小銃弾 @3006springfield

KPVがリムレス弾薬を使用するにもかかわらず、引き抜き式ベルト給弾機構を採用しているのはこの辺りが理由なのだろうか…等と考えていた所になんともタイムリーな。 >RT

2014-12-15 23:09:15
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

そういやソ連航空機関砲の20x99mm弾はリムドなんだから、それを使うV-20航空機銃は引き抜き式ベルト給弾機構を持ってたはずで。じゃあV-20から作られたKPVがその機構をそのまま持っててもおかしくない訳かしらね

2014-12-15 23:17:55
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

23mm VYaでなく20mm ShVAKを積んだ初期のIL-2への給弾。20x99R弾薬のリムがよく見える。この口径のリムド弾って割と珍しい気がするのね pic.twitter.com/QjdziThGMI

2014-12-15 23:32:33
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

V-20航空機銃はShVAKの後継としてB-20、Sh-20との競作になり、最終的にB-20が採用された、というお話は出てくる。で、採用されなかったV-20とSh-20についてはどんな機銃だったのかサッパリわからないの

2014-12-15 23:40:16
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ただSh-20はShKASとかShVAKを手掛けたシュピタリヌイ技師の開発だから、Sh-20も前作同様やっぱりガス作動のような気はする。とすると、14.5mm重機の開発に転用できそうな口径で反動利用式の機銃ってえと、V-20しか選択肢は無かったのかも?

2014-12-15 23:42:20
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ソ連航空機銃開発話はなんだかよくわからないんで、ほじくり返してみたら面白そうではある。他国よりさらに陸の機銃との絡みも多い気がするし、色々面白い話が出てきそうな

2014-12-15 23:49:02
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

そう、B-20とV-20はキリル文字だとБ-20とВ-20で、ちょっと紛らわしいのです。前者はベレジンのガス作動式で航空機銃競作に勝ち、後者はウラジーミロフの反動利用式で、競作に負けて後にKPVに繋がった奴という訳で。KPVのVとV-20のVは同じVなんですね

2014-12-15 23:55:38