ストレイトロード:ルート140(9周目)

オリジナル短編「ストレイトロード」のコンビがお届けする、短編という名の習作。1日1話ペースで継続中。 今回は401~450をお届けします。 以前のまとめは作者おすすめ欄か下記URLからどうぞ。 元の短編の掲載場所: http://www.gekkado.jp/
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Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

ツインテール:藍ちゃんお気に入りの結い方はママから教わった。大事なのでママ以外には触らせない。一度寝ぼけて髪をほどかずベッドに入ってしまい、邪魔そうなのでゼファールが外してやった。翌日彼は高山病に酷似した謎の症状に苦しんだとか。 #もらった単語に関する自キャラのエピソードを話す

2014-11-19 08:27:28
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

藍は確かに目的と道順を示した。私はその通りに車を走らせ、聞いた通りの目印を見つけた。しかし行きたい場所の手前には地図にない難所が横たわっていた。昨夜の雨が倒した大木はとても人の力では動かせそうにない。もちろん風の力でも。「諦めますか?」「それ、わたしがうなずくと思って聞いてる?」

2014-10-26 21:48:48
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、401。諦める。

2014-10-26 21:48:53
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

商店の窓辺に飾られた小さなランタンが季節を主張していた。ガラスのカボチャを藍は気に入らなかった様子だが、隣の店に目をつける動機にはなったらしい。「ここでわたしがお菓子ねだったら買ってくれる?」「断ったら悪戯でもするんですか」「やっていいなら」期待というより何か企み始める目を見た。

2014-10-27 18:52:51
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、402。悪戯。 そういえばそんな時期だと思ったら、すぐにひらめく愉快な遊び。

2014-10-27 18:56:13
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

「わたしのことまだ信用できない?」一度限りの輸送の手伝いが終了日未定の長旅にすり替えられた頃、藍に何度か聞かれたことがある。私がつい疑うのは依頼内容でも目的でもなく彼女が呼ぶ風のこと。現象を見る度仕掛けを探す夢のない大人に向ける目は冷たかった。「理屈で解らないものがそんなに嫌?」

2014-10-28 19:42:17
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、403。疑う。

2014-10-28 19:42:31
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

「またエラー?本当に腹立つ!」藍が声を荒らげた。何かの情報の閲覧がうまくいかないらしい。状況さえ分かれば助けられるかもしれないが、運転中の身には画面を見るどころか詳細を尋ねる余裕もなかった。藍はいつ携帯端末をフロントガラスに叩きつけるか。怒りと理性のせめぎあいを唸り声として聞く。

2014-10-29 22:35:08
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、404。閲覧。 「荒らげる」は間違った読み方で覚えている人も多いかもしれない。

2014-10-29 22:36:17
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

食堂の一番長いテーブルを占拠する団体の喧しさを他の客はどう捉えただろう。入口から中を見渡すと、厳格そうな老人のしかめ面を除けば概ね好意的な様子だった。藍はこう呟いた。「安っぽいけど嫌いじゃない」紙の王冠を戴いた子供が友達と親に囲まれ、奥の席から見知らぬ人々に笑顔を振り撒いている。

2014-10-30 18:56:10
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、405。王冠。 毎日が誰かにとって特別な日。

2014-10-30 18:56:17
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

とびきり奇妙な装いの人々が、祭りの夜を迎えた街に繰り出す。素顔と本音は仮面の下に。弾む足音をランタンの光の下に。私は道端で立ち止まり、家々の玄関を回るお化けの行進を眺めながら、藍が着ていたマントの裾を掴んでおかなかったことを後悔した。この時背後を警戒しなかったのもまた失敗だった。

2014-10-31 19:13:55
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、406。仮面。 可愛くない悪戯さえ笑って許される夜、らしいけど。

2014-10-31 19:14:02
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

藍は生地をこねる。私は果物を適当な大きさに切る。ラジオから流れる音楽の他には何も聞こえない。いつもの藍ならそろそろ力のいる工程に弱音を吐いたり私に八つ当たりを始めたりする頃だが、互いの担当と口出し禁止を今回決めたのも藍だった。今は忠実に沈黙を守っている。代わりに手元が震えている。

2014-11-01 18:50:18
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、407。生地。

2014-11-01 18:50:23
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

「開けて。部屋に入れて」私の役目は背後の扉を守ることだ。藍がいくら睨んでも口を閉ざし、服を引っ張られても耐えた。虫を駆除するための封鎖。その前提も内容も説明しないよう宿の主人から依頼されたのだが、相手が悪かったようだ。「中で何してるかもう知ってる。やり方間違えてるのよ、開けて!」

2014-11-02 22:11:01
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、408。駆除。

2014-11-02 22:11:19
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

藍は夜通し風の音を聞いていた。荒野の真ん中で車の窓を全開にされては眠れるはずもなく、結局私も睡眠時間を削って彼女の儀式に付き合った。本人が眠っていないか見張り、自分の立てる音で妨げないよう注意も払い、何とか役目を果たした私を見て藍は言った。「なんか老けた気がする。眠れなかった?」

2014-11-03 21:12:01
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、409。削る。 本当は儀式でもないかもしれないけど、実情なんて分からない。

2014-11-03 21:12:36
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

車道に飛び出した藍を掴んで引き留めた私はその行為を理由に拘束された。現場にいた厳格な警官は私達の姿に別の悪い記憶を重ねたに違いない。藍は今頃猛烈に抗議しているだろう。彼女の実家にも連絡が行っただろう。両親はどこまで娘の付き人を庇うか。留置場の窓を揺らす風を手掛かりに私は時を待つ。

2014-11-04 19:40:12
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、410。拘束。 何もかもを疑わないよりは、疑ってかかった方がいい場合もあるけれど。

2014-11-04 19:41:18
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

藍が渓流で釣り上げた一番大きな魚は用意した箱に入らなかった。このまま車に積んだら山を降りる間に駄目になる。説得の末、釣果は写真で報告する旨に同意させた私は、撮影直後にその場で魚の解体を始めた。藍は隣でじっと見ていた。「この形なら見たことある」切身を受け取って箱に納めた藍が呟いた。

2014-11-05 18:55:41
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、411。魚。 捌いて見ないと分からない世界。

2014-11-05 18:55:47
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

最近の藍はしばしば苛立っている。欲しい情報を先回りして浚っていくライバルが現れたらしい。今日も一人で車を降りてどこかへ行ったが、戻ってきた彼女は自分の中で渦巻く怒りや恨みと戦っている顔をしていた。「収穫はありましたか」一応尋ねると、最高に冷たい視線と新しい敵への悪態が返ってきた。

2014-11-06 19:06:29
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、412。収穫。

2014-11-06 19:06:47
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