冬の日の羽根っ娘

羽練っ娘のもふもふ羽っちょであったまりたい……羽練っ娘のもふもふ羽っちょであったまりたくない?
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CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「ああ、クソ寒い……」 今年最悪の寒波と低気圧が重なり、冷たい風がコートの隙間から俺の体温を奪っていく。 すでに日は地平線の下に沈み、僅かに西の空にオレンジ色の弱々しい光が残っている。 ぶわっとひときわ強い風が吹き、視界の端でひらりと白いものが舞った。 雪まで降ってきたのか。

2014-12-22 21:08:41
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

見上げると、大きな影が俺の頭上を通り過ぎた。 トトン、とローファーの踵がアスファルトに当たる音がした。 「もう、探したんだからね!」 僅かに苛つきをはらんだ聞き慣れた声。 「探すも何も、いつも勝手に部屋に来るだろ」 「その部屋の窓が閉まってたの!」 彼女は背中の翼を広げる。

2014-12-22 21:12:18
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「あ」 そういえば昨日、お袋が大掃除をするとかで窓を磨いていたのを思い出した。 「この寒い中ずーっと待ってたんだからね!」 彼女は背中の翼を更に大きく広げて俺を威圧する。 「ごめん」 「許さない。部屋に入れてくれないと許さないから」 そっちかよ。

2014-12-22 21:59:37
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「わかったよ」 人間の俺が寒いのに、服の背中に羽を通すための穴を開けている彼女はもっと寒いだろう。 そう考えるといつものように無碍な扱いはできなかった。 「やった!」 彼女が抱きついてくるとコート越しでもわかる胸の膨らみが俺の理性を崩そうとする。 「わ、やめろ、ひっつくなって」

2014-12-22 22:05:50
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「ひー寒い寒い」 部屋に着くなり俺はストーブのスイッチを押す。が、点火スイッチを何度押しても火がつく気配はない 「どしたの?」 なかなかつかないストーブに悪戦苦闘していると、彼女が横から覗きこんできた。 「ストーブ壊れたかも」 「灯油がないんじゃない?」 「なんだ、ガス欠か」

2014-12-22 22:11:01
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

はたして彼女の指摘通り、灯油タンクは見事にすっからかんだった。 しかし問題はそれだけではなかった。 「空じゃねーか!」 俺はタンクに灯油を注ごうと玄関の灯油缶を動かそうとしたところでそれも空だということに気づいた。 「灯油、入った?」 「灯油なかった……」 玄関の隙間風が冷たい。

2014-12-22 22:15:22
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「しょうがない、エアコン入れるよ」 部屋に戻り、リモコンのスイッチを押す。 「え?」 もう一度スイッチを押す 「また故障?」 リモコンの液晶画面にはエラーを示す表示が出ている。 「これじゃ私冷凍チキンになっちゃうよ!」 彼女は冗談なのか本気なのかよくわからないことを言い出す。

2014-12-22 22:20:13
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「このままじゃ寒くて風邪ひくよな……」 「じゃあ、一緒に寝よう?」 「は?」 彼女はまた唐突に変なことを言い出した。 「布団に入って、羽で包めば暖かいでしょ?」 たしかに、何度も彼女の翼に包まれたことはあるが内側はフカフカであたたかい。 この寒さよりは、彼女にいじられる方がいい。

2014-12-22 22:34:07
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「あぁ、あったかい……」 布団に入り、彼女の翼に包まれるとじんわりとした温もりが伝わってきた。 「いいでしょ? メールしてくれればこれからいつだって来てあげるんだから」 「怪しいサービスのお店かよ! というかお前はメールしなくても勝手に上がり込んでくるだろ!」 「あ、バレたか」

2014-12-22 22:40:05
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「でもね、私だったらもっとサービスしちゃうよ?」 彼女は布団の中でもぞもぞと動き、俺の股間に手を伸ばす。 「あ、バカ、やめろって」 「温めてあげたんだから、わたしの事も温めてくれるよね?」 ズボン越しにむんずと掴まれる。 「あ・た・た・め・て?」 「ハイ」 結局、彼女のペースだ。

2014-12-22 22:45:36
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

(続きは冬コミまでお待ちください)

2014-12-22 22:46:01