中国人に無断翻訳/転載されることに憤慨した同人作家が、「中国人がネットにアップ出来ないような内容」の本をC87に頒布予定である件

どう思うだろうか ※なりきりアカ、罵倒、煽りはお断り
39

2014/12/25 04:40 追記
私の説明不足もあってか、私の伝えたいことが半分も伝わってなさそうなので(大規模な)補足
今回の話題の論点は3つ
①:著作権法等による「同人」と「商業」の壁
②:①と海外からの需要によって起こる無断翻訳&転載
③:「②の対策」として、「その人の嫌がる政治ネタを『同人活動』に含ませることの是非」
①、②は密接しており、③は他からほぼ独立した論点である。

日本の同人誌が海外で無断翻訳&転載されるということは、裏を返せば、それだけ日本の同人誌は海外では需要があると見ていいだろう。無断翻訳&転載されたくないなら、その本を外国語に翻訳して、頒布すれば大抵の問題は解決するだろう。しかし、そこにはコストの問題と、著作権上の問題がある。

まず、「その外国人の数が未知数であること」。母数の多い英語やフランス語、中国語ならともかく、朝鮮語、イタリア語、タイ語等にまで対応させるとなれば、それ相応のコストと労力が必要だ。果たして採算は合うのだろうか。もしかするととんでもない大赤字になるかもしれない。そうなるともう同人活動どころではなくなる。

特に二次創作だと「著作権上の問題」も発生する。翻訳権は著作者が翻訳、編曲、変形、脚色等、様々な改変を専有する権利で、譲渡が可能だ。しかし、二次著作物であった場合、同一性保持権も同時に発生する。同一性保持権は著作者人格権であり、譲渡が不可能だ。したがって、二次創作物の著作者が勝手に翻訳することも、許可を与えることも出来ない。必ず、原著作者に許可を求める必要がある。

とはいえ、これらの対処を行わないとなれば、問題は振り出しに戻ってしまう可能性も十分にある。
外国人による無断翻訳&転載を問題視するのであれば、この点にも注目する必要があるのではないだろうか。いずれにせよ、現状では根本的な解決策に至ることは難しいだろう。

その「外国人による無断翻訳&転載」の対策として「その人が嫌がるだろう政治的なネタを『同人活動』に含める行為」を件のサークルは行ったわけだが、それは本来の「同人活動」としての楽しみ方なのだろうか。
最初から政治的なネタや風刺を同人活動に盛り込むならともかく、「無断翻訳/転載を防ぐための手段」としてそのネタを含ませる行為は、「同人活動」の意義を見失っているのではないだろうか。

また、コメント欄ではあまり取り上げられなかったようだが、「一番先に翻訳するのが中国人」という発言について。
これははっきり言わせて貰うが、「相手がたまたま外交関係が著しく悪化している中国の人だったから、『無断翻訳/転載する人にとって忌避されるだろう政治的なネタ』を探すのに苦労しなかった」としか思えない。韓国人だった場合も簡単だろう。尖閣諸島を竹島に変えればいいだけだ。

だが、この「一番先に翻訳する人」が仮にイタリア人だったらどうするつもりだったのだろうか。ムッソリーニ万歳?彼はイタリアではあまりタブー視されていない。マフィア潰しに精を出してたし。
イギリス人なら?スコットランド独立支持?スコットランド人だったらどうするの?
スペイン人だったら?カタルーニャ独立支持?それってどうやって同人誌のネタに盛り込むつもりなの?
と、こういう風に「どこの国の人か確かめてその国の政治問題を探す作業」をして見つけたネタを「同人活動」に含ませる、という行為は最早「同人活動」の意義を見失っているのではないだろうか

また、そのネタが本当に「無断翻訳&転載する人から忌避されている」のかについても疑問符が残る。忌避されていようがいまいが、それを消した上で翻訳する可能性も十分にある。
そして、このサークルの場合、「無断翻訳/転載する中国人への対策」として、「天安門広場」など、中国人にアップロード出来ないようなネタを含ませたそうだが、それは「『中国では』アップロード出来ないネタ」であって、「中国人」という要素はあまり関係ないのでは無いだろうか。それらのネタは無断翻訳/転載する人が捏造する可能性もある。既に明らかな著作権違反を犯しているのだから、捏造など今更気にも留めないだろう。

以上が私の伝えたかったことである。