小田嶋隆さん tako_ashi の「現金の3000円はその使い道についての3000円分の「自由」を含んでいる。一方、1万円のステーキは、選択の押し付けを含んでいる。」

「支給された生活保護費の使い道を正しく選択できない受給者」の存在を仮定しているからこそ、支給額を食事券(つまり、あらかじめ使い道を限定した金券)で配布するプランが出てくる。が、「健康で文化的な最低生活」には、「愚かな使い道にカネを費消する自由」が含まれている。 by 小田嶋隆
11
小田嶋隆 @tako_ashi

コラムニスト。ブログは冷温停止中。その他色々と停滞中ですが、順次再起動する所存です。てはじめにツイートなどを。ログはこちら twilog.org/tako_ashi

takoashi.air-nifty.com

小田嶋 隆(おだじま たかし、1956年〈昭和31年〉11月12日 - )は、日本のコラムニスト、テクニカルライター。
http://ja.wikipedia.org/wiki/小田嶋隆
 
 

小田嶋隆 @tako_ashi

大学生が1万円のステーキを奢られることって、食への興味云々より先に、カネの出どころに当たる人間との関係や他人のカネでメシを食うことへの感情が問題になると思うんだが。「食いたいから奢られる」って、ダイレクトにテーブルにつく大学生がいるんだとしたらそいつは底なしのバカだぞ。

2014-12-23 13:38:34
小田嶋隆 @tako_ashi

オヅラさんの奢りで食う一万円のステーキなんかより自腹で食う380円の牛丼の方が旨いに決まってる。

2014-12-23 13:42:00
小田嶋隆 @tako_ashi

あんたのカネを貰うことにたいした抵抗はないがあんたの奢りでメシを食うのはごめんだ、と、健康な若いヤツならそう考えるのが自然だよな。

2014-12-23 13:46:13
小田嶋隆 @tako_ashi

ステーキって5000円を超えるとそこから先は単にアブラっぽくなるだけな気がしてる。

2014-12-23 13:56:51
小田嶋隆 @tako_ashi

現金の3000円はその使い道についての3000円分の「自由」を含んでいる。一方、1万円のステーキは、選択の押し付けを含んでいる。とすれば、大学生が現金を選ぶことは当然。むしろ、このアンケートは、生活保護費を食事券で配布するプランの背後にあるパターナリズムを物語っている。

2014-12-23 15:09:06
小田嶋隆 @tako_ashi

「支給された生活保護費の使い道を正しく選択できない受給者」の存在を仮定しているからこそ、支給額を食事券(つまり、あらかじめ使い道を限定した金券)で配布するプランが出てくる。が、「健康で文化的な最低生活」には、「愚かな使い道にカネを費消する自由」が含まれている。

2014-12-23 15:17:29
小田嶋隆 @tako_ashi

つまり、カネを使うことの最大の意義は、その使い道についての自由を行使することの中にあるであって、カネと交換で何かを手に入れることそのものは、あくまでも二次的な結果にすぎないとのではなかろうか、と。

2014-12-23 15:20:51
小田嶋隆 @tako_ashi

別の言い方をするなら、貧困者が苦しんでいるのは、「生存」のための食を確保できないということ以上に、現金を使う「自由」を持っていないということであるわけで、だとすれば、生活保護が支給すべきなのは、「食料」よりもまず「現金」でなければならないということですね。

2014-12-23 15:24:15
小田嶋隆 @tako_ashi

国が支給したカネを浪費して受給者が餓死することは国の責任ではありません。支給は国の責任でも、カネの使い方は個人の責任です。 ただ、「現金の浪費を許さないために食事券を配る」のは、個人の選択権(餓死も含めて)を認めない態度だというお話です。grateaber

2014-12-26 15:10:02
小田嶋隆 @tako_ashi

「自分のアタマでものを考えられない大多数の国民」みたいなものを勝手に想定して、政治というのはそういう人々を「善導」することだと考えている人たちがいるよね、というお話をしています。国民の不幸のすべてを国の責任に帰するべく論陣を張っているわけではありません。

2014-12-26 15:20:00
小田嶋隆 @tako_ashi

「自分のアタマでものを考えられない人間」や「救いようのないバカ」を想定したうえで、その彼らを訓育矯正することに痛快さを覚えるテの人間が考える制度設計は、「政治」というよりは、「飼育」に近いものになる。もっとひどい場合、「害虫駆除」の過程そのものになるかもしれない。

2014-12-26 15:32:03
小田嶋隆 @tako_ashi

怠け者にとって働くことが苦痛であるように、働き者にとっては怠けることが苦痛だったりします。両方の適性を持っている(というよりも、周期的に両者の間を行ったり来たりしている)人間には、そんなことは言わずもがなの前提であるわけですが。

2014-12-27 12:53:47
小田嶋隆 @tako_ashi

人間に生まれつきの能力差があるのだとして、様々な能力の人々がいる世界をどんなふうに運営するのかについては、能力の高い者が能力の低い人間を支えるべきだという考え方と、能力に応じて貧富が割り振られるべきだという考え方が微妙に対立しているわけですね。

2014-12-27 13:02:16
小田嶋隆 @tako_ashi

高い能力を授かって生まれてきた人間が、その能力に見合った豊かさや尊敬を勝ち得てしかるべきだという考え方は強欲というものなんではなかろうか。オレには才能があるからそれだけで十分だよ、と、口だけでもそう言っとけよ。

2014-12-27 13:07:01
小田嶋隆 @tako_ashi

「努力」によって勝ち取るのか「能力」に沿って振り分けられるのかはともかくとして、どの程度の「貧富」や「格差」があることが、社会にとって適正であるのかは、考えるに値する問題だと思います。

2014-12-27 13:17:07
小田嶋隆 @tako_ashi

こういう当たり前のことを言うと「びっくりするほどオーソドックスw」などと嘲笑する人があらわれます。たしかに私はときどき教科書に書いてあるそのままのことを書いたりします。が、とにかく、マトモであることを揶揄や嘲笑の対象にするのは悪趣味です。あまりに正統的な見解ではありますが。

2014-12-27 13:24:06