第61回獣医師国家試験直前講座「疥癬編」

ずいぶん昔のことですから、リンク切れなどもあるでしょう。 #vetkokushi 等から拾える範囲でぼちぼちまとめます。 新たな知見による訂正・補足等歓迎です。 リストの追加やコメント欄でご指摘ください。
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Stray @K9FCR

疥癬【病原体1】ヒゼンダニ類(疥癬虫)によって引き起こされる皮膚炎である。寄生したヒトや動物は強い痒みを感じ、皮膚には紅斑がみられる。発疹は二次感染を起こしやすく病状を悪化させることが多い。成虫はほぼ円形で白色で足は太く短く、メスの成虫は体長約0.4 mm #vetkokushi

2010-02-25 00:07:33
Stray @K9FCR

疥癬【病原体2】メスは体に比べると非常に大きな卵を1〜2個体内に認める。皮膚の角質層で1日約2 mmくらいのトンネルを掘り進み、その穴の中で産卵する。孵化した幼虫は自分でトンネルを掘りながら成長し成虫になる。時々、皮膚表面に出てくるため接触感染を起こす。 #vetkokushi

2010-02-25 00:10:48
Stray @K9FCR

疥癬【病原体3】寄生した体から離れると数日で死ぬが、体表と同じような温度や湿度の所では2週間ほど生きて感染拡大の原因となる。 #vetkokushi

2010-02-25 00:12:24
Stray @K9FCR

疥癬【ヒト感染経路】1)ヒトの肌から肌への直接接触:親子間などの共同生活者の間で感染が広がる。2)寝具を介した間接接触:病院や老人ホーム、宿直室等の共同施設での布団やシーツで集団発生。3)感染動物から:抱いたり撫でたりしたときに動物からヒトの肌に感染。 #vetkokushi

2010-02-25 00:16:06
Stray @K9FCR

疥癬【罹患動物の種類】イヌ、ネコ、多くの哺乳類、鳥類に寄生。センコウ(穿孔)ヒゼンダニはイヌやヒトを宿主に、ネコ疥癬はネコショウヒゼンダニでネコを主な宿主にしている。 #vetkokushi

2010-02-25 00:20:09
Stray @K9FCR

疥癬【動物感染経路】1)動物同士の直接接触。2)感染動物のケージ、消毒不備なグルーミング用品などからの感染。主にイヌ、ネコに感染し外来動物の発病率は0.5%を占める(耳ダニではネコでは2%)。非衛生的な環境にいる仔ネコでは同腹仔に多数の発症が認められる。 #vetkokushi

2010-02-25 00:25:03
Stray @K9FCR

疥癬【ヒト症状1】手、手指間、腋窩、鼠径部、陰茎や陰嚢に好んで寄生し、小丘疹、小結節(痒疹)や小水疱ができる。強い痒みがあり、多くの場合夜間に激しくなる。発疹を掻きこわして二次的に細菌感染を起こすことが多い。湿性疥癬からリンパ管炎・リンパ節炎を併発する。 #vetkokushi

2010-02-25 00:29:18
Stray @K9FCR

疥癬【ヒト症状2】一見、湿疹や皮膚炎様であるため誤診されやすい。家族内に同様の症状を起こしている&ステロイド外用薬の塗布で悪化することが特徴である。疥癬トンネルは不規則に曲がった灰白色の線状発疹で、手掌尺側〜手関節屈曲部、および指間によくみられる。 #vetkokushi

2010-02-25 00:33:45
Stray @K9FCR

疥癬【ノルウェー疥癬】重症型で灰白色の角質増殖を特徴とする。感染力が非常に強く、多くの場合、周囲の人に手や被服等から感染する。エイズ、ATLを含む悪性腫瘍、糖尿病などの疾患で合併しやすい。免疫抑制剤やステロイドの長期投与に伴って発症することも多くある。 #vetkokushi

2010-02-25 00:44:45
Stray @K9FCR

疥癬【動物疥癬】ヒトヒゼンダニ以外の疥癬虫によるヒトの疥癬を動物疥癬という。感染動物に接触した人々では約60%に腕や躯幹に痒みがある丘疹を認める。疥癬トンネルがなく虫体が証明されにくい。ヒト疥癬の好発部位の手には発疹はできにくく、躯幹全面に多く発生する。 #vetkokushi

2010-02-25 00:48:07
Stray @K9FCR

疥癬【イヌ・ネコ症状】原発疹は丘疹で、激しい痒みが認められ、好発部位は耳介縁、肘、飛節および腹部である。痂皮、鱗屑、表皮剥離、脱毛が認められる。慢性化すると色素沈着の亢進、苔癬化、脂漏症を示すようになる。 #vetkokushi

2010-02-25 00:52:28
Stray @K9FCR

疥癬【ヒト検査法】1)虫体および卵の検出:指や手の小水疱や丘疹を切除し、20%KOHを加えて顕微鏡観察。2)血清中の特異抗体の検出や免疫病理学的研究がある。 #vetkokushi

2010-02-25 00:56:25
Stray @K9FCR

疥癬【動物検査法】1)皮膚掻爬検査による虫体、虫卵の検出:皮膚生検では検出率は低いので、センコウヒゼンダニの検査の場合は十分に深く、多数の部位での掻爬を実施する。1匹でも検出できれば診断可能だが、疑わしい症例では駆虫剤による診断的治療も有用。 #vetkokushi

2010-02-25 00:59:14
Stray @K9FCR

疥癬【ヒト治療法1】クロタミトン10%軟膏(オイラックス)を頚部より下半身にムラなく塗布、2週間連続外用。丘疹部に塗布しただけでは効果がよくない。無視の死滅後も掻痒感、小結節が続くことがある。殺ダニ剤を長く使わず、抗ヒスタミン剤に変えるようにする。 #vetkokushi

2010-02-25 01:03:54
Stray @K9FCR

疥癬【ヒト治療法2】2)ベンジージル・ベンゾエート乳剤の塗布。3)衣類の交換。4)室内の消毒。5)動物から感染した場合は、その動物に適切な治療を行えば多くの場合4週間以内には自然治癒する。 #vetkokushi

2010-02-25 01:06:14
Stray @K9FCR

疥癬【イヌ・ネコ治療法&予防法】1)サイチオエイト(サイフリー)内服。2)イベルメクチン内服、注射。動物の治療と環境を清潔にすること。 #vetkokushi

2010-02-25 01:09:05
Stray @K9FCR

第59回c問49 〔図49 A〕は掻痒を認めた牛の尾根部である。〔図49 B〕は患部の皮膚掻爬標本像(10 % KOH 処理)である。本症例の診断として適当なのはどれか。1.毛包虫症、2.疥癬症、3.ワヒ病、4.シラミ皮膚炎、5.ツメダニ症 #vetkokushi

2010-02-25 01:27:57
Stray @K9FCR

第60回a問78 以下の皮疹の中で原発疹はどれか? 1.鱗屑 2.びらん 3.水疱 4.痂皮 5.潰瘍 #vetkokushi

2010-02-25 01:49:53