今日は何の日?チタンの元素学!
12月25日といえば……
Ti
22番チタン(Ti)。金属元素の中でも一二を争う優れた性質を持つ元素よ。合金としても王道の優秀さを誇るけど、光触媒としても高度で特異な性質を発現する。高分子の合成にもかかせず、極めて優秀な元素と言えるわね。
2014-12-25 00:55:48チタンの凄さを語り尽くすのは困難を極めるわ。優秀すぎてキリがない。Mo、Cr、W、V、Zr、Nb、Ta、Cu、Al、Feなどの金属と合金を形成し、しかも全て顕著な利点がある。耐腐食・耐熱・易加工・軽量・剛強など合金材料としてパーフェクトな性質を兼ねているの。
2014-12-25 01:00:48工業的に優秀ってことだから、あまり日常生活で目立った活躍はしないんだけどね。ジェットエンジンや工具、ロケットなどに使われているわ。縁の下の力持ちって感じ。 身近な例でチタン合金が使われているのは、たとえばゴルフクラブ(軽さと剛強さが必要)とかね。……身近でもないかな?
2014-12-25 01:05:02そうね、チタンは形状記憶合金にも使われるわ。形状記憶合金って、金属が相転移を起こしてマルテンサイト相というものになるかどうかが肝なんだけど、チタンは相転移が起こせる金属なのよ。
2014-12-25 01:28:32チタンと生体
そうそう、チタン合金の特徴的な利用に、歯のインプラントや人工関節、義手などに使われるというのがあるわね。これについては合金が強いという性質の他にもう一つ、重要なチタンの性質がある。それは「チタンは免疫反応を回避できる」ということ。
2014-12-25 01:06:53通常、体に何かを埋め込むと人体が異物を感知して体から追い出そうとする。これが拒絶反応というもので、具体的には異物の周囲でコラーゲンを合成することで体から隔絶しようとする。人工関節の場合、これらが邪魔になって接合がうまくいかなくなったりする……はずなんだけどね?
2014-12-25 01:09:29チタン相手だと、なぜか体が拒絶反応を起こさないの。免疫が働かないのよ。人体にチタンはほとんど含まれていない(非必須)から、チタンを取り入れるような装置は人体には備わっていないし、なにかの元素と置換しているわけでもない。にもかかわらず、なぜか免疫が発動しない。不思議な元素でしょう?
2014-12-25 01:12:06チタンのこの性質は、つまり人体に良く馴染むということで、だから義手や人工関節、インプラントなど体に直接人工物を取り付ける場合に重宝するわけね。チタン、便利すぎるわ。
2014-12-25 01:14:13@rokukan チタンの生体適合に最初に気がついたのはブローネマルクという医者ね。彼は生体で血球が発生するメカニズムの研究をしていて、よくウサギの骨を解剖していたのだけど、半ば偶然、ウサギに埋め込んだチタン箔が体に馴染んでいるのを発見したの。そこが始まりね。
2014-12-25 01:59:30そうそう、人体免疫が反応しないっていうのは、つまり「アレルギーにならない」ってことなのよね(アレルギーは免疫過剰の病気)。だからチタン製の装飾品というのは金属アレルギーを気にする人にはすごく人気があるわね。時計の裏版(皮膚と接するところ)も同じような理由で使われるわ。
2014-12-25 01:17:51勉強になる指摘がありました。感謝です!
@gensogaku 義手、義足の直接皮膚に触れる部分はウレタンなどの柔軟性の高い素材が用いられています。また、その他の部品においても加工の難しさからステンレスのビレットやドライカーボンを用いることが多いようです。
2014-12-25 09:01:05