ニンジャスレイヤー二次創作【ネオサイタマ・イン・サイレント・ナイト】

【これまでのあらすじ】ヤクザクランを支配していたニンジャ、プラナリアはニンジャスレイヤーの襲撃を受け逃走。逃げ込んだ先で自らを目撃した不幸なオイランをカイシャクしようとするが……
1
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

◇テキストカラテ・エクササイズメント!◇ #4215tk

2014-12-26 17:47:18
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ドーモ、シカナです。ニンジャ偽名鑑を作ってからというもの、なんか二次創作とかしたいなあと思っていた。で、題材を思いついた。なのでやる。これから? これからだ! #4215tk

2014-12-26 17:48:42
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

【ネオサイタマ・イン・サイレント・ナイト】 #4215tk

2014-12-26 17:51:34
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ブンブンブーン、ブンブンブーン、ブンブンブーンブブーン。重金属酸性雪の降るネオサイタマに、電子ベース音が響く。もはや時はウシミツ・アワー。道を通り行く人間はいない。……人間は。1 #4215tk

2014-12-26 17:56:59
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ハァーッ! ハァーッ!」ニンジャ動体視力をお持ちの読者なら見出すことができただろう。雪の中を走る、紺色ニンジャ装束の影を。彼の名はプラナリア。つい先ほどまで小さなヤクザクランを暴力で支配していたニンジャだった。2 #4215tk

2014-12-26 17:57:19
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

数刻前まで、彼は人生の絶頂にあった。アマクダリの後ろ盾を得たこともあり、これからもっと暴虐の限りを尽くせるはずだった。……あの赤黒の死神が、彼の事務所に飛び込んでこなければ。3 #4215tk

2014-12-26 17:59:09
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ニンジャスレイヤー。そうアイサツした赤黒のニンジャは、あっという間にプラナリアの牙城を粉砕せしめた。彼自身、カイシャクされる寸前で得意のジツを使わなければあのまま首を刎ねられていたことだろう。(ふざけやがって……!)彼は歯を食いしばった。4 #4215tk

2014-12-26 18:01:35
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ネオンの光も届かぬ路地裏に立ち止まったプラナリアは、油断なく周囲の気配を探る。奴は追ってきているか? どこにいる? ……それらしき殺気を感じ取ることはできなかった。彼は大きく息をつく。撒いたのだ。「狂人め……」萎えそうになる足を奮い立たせ、彼は毒づいた。5 #4215tk

2014-12-26 18:04:14
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「アイエエエ!?」路地裏の奥から悲鳴。ぎょっとして振り向いたプラナリアは、声の主を見て不愉快そうに顔をしかめる。オイランだ。へたり込んだ女は、恐怖の表情を浮かべなおも悲鳴をあげ続ける。「ニンジャ!? ニンジャナンデ!?」6 #4215tk

2014-12-26 18:07:03
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ナムサン! 彼女は不意にニンジャを目撃してしまったために、ニンジャリアリティ・ショック症状に陥ってしまったのだ! 「うるさいぞ、女ァー……」そしてその悲鳴はプラナリアにとっても都合が悪い。この悲鳴を聞きつけ、あの死神が飛んでこないとも限らないからだ。7 #4215tk

2014-12-26 18:09:54
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

プラナリアは手刀を構え、無造作にオイランへと近づいた。カイシャクして黙らせるためだ。オイランが目を見開く。静かな夜に、小さな失禁音が溶けて消える。プラナリアが断頭チョップを繰り出そうと腕を頭上に振り上げた、その時だ! 「イヤーッ!」8 #4215tk

2014-12-26 18:13:32
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「グワーッ!?」横合いからの衝撃にプラナリアはよろめいた。彼は見た。唐突に飛び出してきた影を! その頭から生えたサイバネ・ツノが彼の動きを封じ込める! 「イヤーッ!」「グワーッ!」プラナリアは壁に叩きつけられた。そして襲撃者を見る。新手のニンジャ! 9 #4215tk

2014-12-26 18:17:11
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「な、なんだ貴様!」「ドーモ! 俺はレインディア!」サイバネ・ツノの異形ニンジャはプラナリアを壁に押し付けたまま不敵にアイサツ! そのツノが光り輝く!「どこのニンジャか知らねえが、ここは俺らのナワバリだ! 死ね! イヤーッ!」「グワーッ!?」ツノから電流! 10 #4215tk

2014-12-26 18:20:35
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

プラナリアの体を電流が襲う! 抜け出そうともがくも、がっちりホールドされ脱出不能!「死ね! イヤーッ!」「グワーッ!?」プラナリアの体が跳ねる!なんだこいつは?なぜ襲われている?……いずれにせよ敵!そう判断したプラナリアの目が敵意の色に光る!「イヤーッ!」11 #4215tk

2014-12-26 18:24:09
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「グワーッ!?」悲鳴をあげたのは……ナムサン、レインディアである! 真下からの攻撃を受けた彼はよろめき、後退! それを頭上からプラナリアが襲う! 「イヤーッ!「グワーッ!?」レインディアはこの不可解な攻撃に混乱! 12 #4215tk

2014-12-26 18:27:38
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「手こずらせおって! ドーモ、レインディア=サン。プラナリアです」「貴様ごときサンシタのアンブッシュで死ぬほど、私は甘くないぞ!」路地裏に全く同じ二つの声が響く。二つ? しかり、二つだ。プラナリアと思しき二人のニンジャが、嘲るようにアイサツする! 13 #4215tk

2014-12-26 18:31:18
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「二人?」レインディアが呻いた。「二人だと? どういう…」「これが我がブンシン・ジツよ」にやりと、右のプラナリアが笑う。その隣のプラナリアが、滲むように姿を消した。ナムアミダブツ! これが彼をニンジャスレイヤーから逃亡せしめたブンシン・ジツなのだ! 14 #4215tk

2014-12-26 18:34:46
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

プラナリアはオイランのいた場所に視線を送る。そこにはすでに人影はない。先ほどのアンブッシュの隙に逃げられたか。彼は舌打ちした。「貴様がどこの誰かは知らんが、レインディア=サン、私の邪魔をしてくれたな? 故に殺す」「やってみやがれ! イヤーッ!」 15 #4215tk

2014-12-26 18:37:31
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

レインディアが仕掛ける。胴体を狙った回し蹴りだ! プラナリアは回避動作すら見せずそれを受ける! 紺色ニンジャの体が一瞬揺らいだ。そして上下二つに裂かれる! そして困惑するレインディアの前で、絶たれた半身がそれぞれ二人のプラナリアへと変化! 「「イヤーッ!」」16 #4215tk

2014-12-26 18:40:56
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

二人のプラナリアの同時攻撃!「グワーッ!」捌き切れずレインディアが直撃を受ける! プラナリアが一人に戻る!「い…イヤーッ!」レインディアのチョップが今度はプラナリアを左右に分断! ナムサン、その半身からもプラナリアが復活! 「「イヤーッ!」」「グワーッ!?」17 #4215tk

2014-12-26 18:43:46
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

プラナリアの同時攻撃! レインディアが吹き飛ばされ、壁に激突! 一人に戻ったプラナリアがザンシンする。ゴウランガ! なんたる奇妙な回避ムーブからの流れるような反撃!「先ほどの威勢はどうした?レインディア=サン」「ヌゥーッ…」レインディアが苦しげに呻いた。18 #4215tk

2014-12-26 18:46:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「弱敵!」プラナリアが吐き捨てる。カイシャクのため接近しようとした彼は、不意に足を止めた。奴は先ほどなんと言った? 『俺ら』。そうは言わなかったか? つまり、まだ周囲に敵がいるのでは…「ホゥ! ホゥ! ホゥ!」その時だ。頭上から笑い声が降ってきたのは!19 #4215tk

2014-12-26 18:49:25
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ゴゥ! 冷たい風が落ちてくる! プラナリアは思わず顔を覆う。視界を取り戻した時、彼は思わずカラテを構え直した。新手のニンジャが立っていたからだ。レインディアをかばうように。プラナリアは一瞬硬直する。そのニンジャの赤い装束を見て。20 #4215tk

2014-12-26 18:52:58
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「大丈夫かね、レインディア=サン?」赤いニンジャが背後のレインディアに尋ねる。「う……オヤッサン」苦しげな声。「スンマセン」「それだけ口がきけるなら問題なかろうて」頷いた赤いニンジャはプラナリアへと向き直り、アイサツした。「ドーモ。ジェドマロースです」21 #4215tk

2014-12-26 18:55:45
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「…ドーモ。ジェドマロース=サン。プラナリアです」アイサツを返したプラナリアは、油断なく赤いニンジャを観察する。体格は小太り。顔の下半分を白い髭が覆っている。が、あれは付け髭だろう。メンポの代わりか。「何者だ」「そりゃこちらの台詞よ」22 #4215tk

2014-12-26 18:58:08