ストーリー2-3　決戦前夜　完

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ヒマワリ「ふぅ…一度にやり過ぎなのよ。でも、とりあえず今の私にはこれしか出来ない…アゲハが帰ってくるまではこれしかないでしょうね。はやく帰ってきなさいよねアゲハ」

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アヤサキ「桜花、風呂入るからお前も来い」 桜花「…わかりました」 アヤサキ「お前は俺たちが出た後でいいな？」 蝶「…はい」 アヤサキ「よし、いくぞ」 桜花「……はい」 蝶「…鳳月さんはあの人の指示通りにしているようにと言っていた…私はそれを信じます」

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鳳月「今日のターゲットは？」 雨「ある程度は決まったわ…こいつらよ（ｽｯ」 鳳月「わかりました…ありがとうございます」 雨「急に数を増やしたけど、どうした？」 鳳月「なんでもありません」 雨「そう？ならいいけど、あまり無理するなよ」 鳳月「…わかっております」

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蒼雪「また殺しか」 紅椿「どう思う？」 蒼雪「アヤサキでないなら仲間…もしくは桜花みたいに人質に取られた何者かだな」 紅椿「でも、ヒマワリが言う通りなら」 蒼雪「しばらくはそうするしかないな」 紅椿「そうね…桜花、大丈夫かしらね？」 蒼雪「辛いだろうな…何か出来ればいいのに」

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時雨「…」 紅葉「あら？」 時雨「……何ようだ？」 アゲハ「ここに、封印の剣があるんでしょ？」 時雨「…それをなぜ求める？」 アゲハ「今の私たちに必要な力だからよ」 紅葉「訳アリかしら？」 時雨「あの力は強い…ゆえに、よそ者には渡せない」 アゲハ「貸してくれればいいの」

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時雨「欲しいものがあるなら力を示せ」 アゲハ「力ずくで奪い取れと」 時雨「……来い」 アゲハ「では、遠慮なく」 紅葉「私は見てるわね」 時雨「…二分で済む」 アゲハ「……舐められたのはよくわかりました」 時雨「弱いやつほどよく吠える」 アゲハ「このぉぉぉぉぉぉぉ」

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時雨「訂正しよう…一分でよかったな（ﾋｭﾝ」 アゲハ「…っ？！…あ、ぐっ…」 時雨「……終わりだ」 アゲハ「…まだ、負け……て」 時雨「紅葉、治療してやってくれ」 紅葉「はいはい、さぁこっちへ」 時雨「何度でもかかってくるがいい。俺はここで逃げも隠れもせず待っている」

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鳳月「蝶さん」 蝶「鳳月さん」 鳳月「すみません遅くなって、何もされてませんか？」 蝶「は、はい…」 アヤサキ「よぅ、ご苦労さん…悪いけどお楽しみ中だから引っ込むぜ」 鳳月「……」 蝶「鳳月さん…私を好きにしてください」 鳳月「蝶さん」 蝶「それで、少しでも気が晴れれば…」

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アゲハ「てやぁぁぁぁぁ」 時雨「……ふん」 紅葉「怪我の治療が終わるたびに時雨に挑んで…よっぽどの事情で剣を必要としているのね」 アゲハ「幼馴染を救うためだ」 時雨「同情はするがそう簡単に貸せるものでもない」 アゲハ「わかってる…力ずくでいくさ」 紅葉「がんばってね」

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アヤサキ「ちょっと出かけてくる」 桜花「…わかりました」 蝶「ねぇ、あなた…彼の恋人とかじゃないわよね？」 桜花「えぇ、まぁ」 蝶「…彼氏とか、いるでしょ？辛くない？」 桜花「辛いですが、その大事な人たちを守るためです」 蝶「…そう…でも、無理はしないでね。辛かったら私が…」

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鳳月「あれ、あの方は？」 蝶「出かけました」 鳳月「そうですか…そこのあなた」 桜花「はい」 鳳月「あなたはなぜここに？」 桜花「じつは………というわけで」 鳳月「…大変ですね」 桜花「いえ…」 蝶「無理、しないでね？いざってときは私が代わりに抱かれてでも」 桜花「いえ、それは」

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蝶「でも…」 桜花「確かに辛いですけど、割り切ってますから」 鳳月「……私にもっと力があれば」 蝶「…」 桜花「私の仲間がきっと助けに来てくれます。それまでの辛抱です」 鳳月「そうですか…お強いですね」 蝶「そうだね…私には真似できないよ」 桜花「武人ですから」

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アヤサキ「どこか遠出してる気配があったけど、こんなところに来ているとはな」 アゲハ「…？！アヤサキ」 時雨「……」 アヤサキ「あれか？剣の稽古でもしてんのか？そんなことしても俺には勝てね～ぞ」 紅葉「…妖怪に」 時雨「…だな」 アヤサキ「ついでだ…お前の生命力いただいとくか」

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時雨「…いや、俺が相手だ」 アヤサキ「あ？てめーには用がねーんだよ」 時雨「そうか…だが、実力はあるつもりだぞ」 アヤサキ「ふん……？」 時雨「…ん？どうした？」 アヤサキ「なんでもねー（能力が、使えない？）」 時雨「言っておくが俺はお前より強いぞ」 アヤサキ「……ちっ」

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アヤサキ「あばよアゲハ」 アゲハ「……」 時雨「君がこの剣を求めたのはそういうことか」 アゲハ「はい」 時雨「わかった…君にこの剣を貸そう」 アゲハ「いいんですか？」 時雨「俺はこの地を離れられない。あの強さなら確かに必要ともいえる。能力が厄介なタイプみたいだしな」

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時雨「がんばってくれ」 紅葉「終ったら返してくれればいいからね」 アゲハ「あ、ありがとうございます！！」 パンジー「アゲハちゃん」 アゲハ「…誰？」 パンジー「おっと面識ないのか…それはいいや。私が街まで送るよ」 アゲハ「え」 パンジー「それ」 時雨「消えた？」 紅葉「不思議ね」

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アゲハ「ここは？」 ヒマワリ「アゲハ？！いったいどこから？」 蒼雪「驚いたな」 アゲハ「帰ってきた？」 ヒマワリ「その刀は？」 アゲハ「これが封印の剣らしい…これでアヤサキに憑りついた妖怪を封じる」 ヒマワリ「ようやくこれで…」 蒼雪「よし、明日…いや、今日か…そこで決行だ」

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アゲハ「……」 楓香「あら、こんなところで何してるの？」 アゲハ「えっと」 楓香「楓香よ…よろしくね」 アゲハ「…アヤサキのこと、考えてました」 楓香「彼…あなたの恋人？」 アゲハ「あんなやつ…恋人じゃないです」 楓香「でも好きなんだ」 アゲハ「…な///」 楓香「ふふふ」

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アゲハ「誰があんな身勝手なやつを…人の団子を平気で食べていったりいきなり体を求めたり……あんなやつ」 楓香「でも、嫌いになれない…そんなとこ？」 アゲハ「そうね…」 楓香「助かるといいわね…その剣で」 アゲハ「えぇ」 楓香「死んじゃ駄目よ」 アゲハ「もちろんだ」

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ヒマワリ「……」 蒼雪「明日の決戦で、アゲハの刀は貴重だ」 ヒマワリ「そうね」 蒼雪「もしアゲハが倒れたら、君が次は使ってくれ」 ヒマワリ「縁起でもないこと言わないでよ」 蒼雪「そうだな…あくまで、万が一だ」 ヒマワリ「……そうね、覚えとくわ」

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蒼雪「ところで、お前はアゲハが好きなのか？」 ヒマワリ「は、はぁ？！」 蒼雪「そういう感じがしたから聞いただけだが、その反応からしてアタリか」 ヒマワリ「な、何よ…どうせ女の私がアゲハを好きなのはおかしいとかいうんでしょ」 蒼雪「おいおい、俺はそんなこと言ってないだろ」

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蒼雪「ただ、その気持ちを逆手に取られないようには気を付けるんだな」 ヒマワリ「…わかってるわよ」 蒼雪「応援しとこうか？」 ヒマワリ「いい…自分の恋くらい、自分でなんとかするわ」 蒼雪「そうか…なら、二人そろって生きて帰るんだぞ」 ヒマワリ「もちろんよ」

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扇舞「桜花…絶対に助け出してやるからな」 胡蝶「…扇舞、落ち着いて」 扇舞「俺は落ち着いてるぞ」 胡蝶「…扇舞は、桜花のことになると周りが見えなくなる。だから、落ち着くことを覚えた方がいい」 扇舞「……そうだな」 胡蝶「……素直、いい子」 扇舞「お前に頭を撫でられるとは…」

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扇舞「胡蝶…桜花はやっぱりアヤサキと？」 胡蝶「……光翼蝶で確認したけど、間違いない」 扇舞「…妖怪が憑りついてるわけじゃなかったら俺はあいつを絶対に許さないのに…なんというか、怒りのやり場がない」 胡蝶「明日、それをぶつければいい」 扇舞「そうだな…そうするよ」

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鳳月「ただ、迷惑をかけてしまうでしょうね…今以上に」 雨「そうね。でも、今後をどうするか次第じゃない？」 鳳月「そうですね…私に何かあったら、蝶さんを頼みます」 雨「縁起でもないわね」 鳳月「おねがいです」 雨「わかったわ…任せときなさい」 鳳月「…では、これで」