【アナ雪＋プリンセス】お年玉企画とかやってみたかったんだorz

万屋和風愉菓子店@デコタンク @yorozuya753

ほい！では一発目は、こうたさん(@kesigomutopen)からのリプで「シンデレラ先輩と白雪と迷子のエルコンちゃん」でっす！うほっ！一発目から難しいやつｋｔｋｒですわ！！(^q^三^p^) 今思い付いたまんまテキトーにやりますね！一部だからきっとヤオイだよ！！＼(^o^)／

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そもそもの始まりは白雪姫だった。 「ねぇ、見て見て～♪」 夕食の準備をしていたシンデレラに後ろから声が掛かる。甘えたような得意げなようなそんな声。こういう時は大抵（白雪にとって）面白いことがあった時。シンデレラは少しだけ眉根を潜めながら「何よ？」と振り返ると、

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「かわいくない？」 と上機嫌な白雪が腕に抱いたソレを見せて来る。それは子供だった。小さな子供だった。なんでか大きな耳が頭に生えてるし、なんでかもふもふした複数の尻尾が生えているが、概ね人間の形はしている子供だった。そんな幼子は尻尾を丸めて耳を垂れさせて明らかに怯えていた。

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毛並はツヤツヤ。少し痩せ気味なのが気になるが、容姿は整っているし、蒼い瞳が綺麗。でも眉尻を限界まで下げた顔は今にも泣き出しそうで不憫臭がすごい。 シンデレラは一通り観察し終えると、にっこりと笑って、 「知らなかったかもしれないけれど、誘拐って犯罪よ？」 と、ぴしゃりと言い放った。

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「え、違うってば。拾ったの。落ちてる物を拾っただけなんだから犯罪じゃないわ。むしろ稀少な動物を保護したんだから感謝されるべきじゃない？」 「あぁ、なるほどね」 シンデレラは一つ頷いて白雪が抱っこしている小さな子を見詰める。子供はピルピルと震えていた。

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まるで虐めているみたい。まだ何もしてないのに、これではあまり気分がよろしくない。シンデレラは軽く溜息を吐くと、白雪姫に下ろしてやるように視線で伝えた。床に両足を付けると、その子は自分のもふもふした尻尾（数えてみると９本もある）を抱き締める。まるっきり頼りなさそうで貧弱そうで、

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なんとなーく過去のあれこれを思い出しそうになって嫌になって来て、シンデレラはもう一度溜息を吐いた。 シンデレラの溜息をどう思ったのか、ビクンッと怯えたようにまた震えて俯いてしまう。白雪に視線を送ると「ずっとこんな調子なの」と肩を竦めた。 「なぁーんでこんなの拾ってきたの？」

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ビクリ、また怯えたように震える小さなカラダ。こんな言葉一つで震えて泣きそうになって、一体どんな風に育ってきたんだろうかとどうでもいい事を思った。 白雪が「だって可愛かったから♪」と呑気に言っているのを、シンデレラは「よく言う」と内心で呆れた。

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でも悪い大人なんていっぱいいるから取り敢えず連れ帰った、なんて事はわざわざ言わなくても解る事。悪意っていうのは道端の石ころのように、そこら中に転がってるものだ。 「ねぇ、名前は？」 しゃがみ込んで視線の高さを合わせる。子供は少しだけ顔を上げて、シンデレラの顔を見上げた。

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青い瞳が涙でキラキラしている。その無垢な輝きがなんとなーくあの子を思い出して嫌になったけれど、悪い気分じゃなかった。 「あ、言葉分かる？」 小さな頭が僅かにコクンと縦に揺れて、ちっちゃいな唇がぎこちなく動いた。 「……える、さ」 「ん？　それがあなたの名前？」 頭が僅かに揺れた。

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「ふぅん。エルサ、ね。よろしく。私はシンデレラよ。あっちのは白雪」 「ちょっと『姫』が抜けてるんですけどー？」 「ねぇ、エルサ。なんでこんなちんちくりんに捕まっちゃったの？」 「ちんちくりんとか酷くない？私の扱い雑じゃない？ねぇ？」と文句を繰り返す白雪は放置で、

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シンデレラはエルサに静かに問い掛ける。 白雪はその声音が少し優しく少し柔らかくなってるのに気付いて、内心でちょっぴり笑った。面倒臭そうな体を装っているけれども、シンデレラは可愛い女の子と子供には優しい、なんて皆が知っている事（否定するから敢えて言わないけれども）。

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白雪はその場からそっと離れると、キッチンへと姿を消した。 「あの、その……」 「うん？」 うるうると瞳が一層潤んでいく。エルサはしゃくり上げながら、零れて行く涙を手の甲で拭いながら、「アナ、いないの」となんとか紡いだ。 「アナ？　それがあなたの飼い主？」 「ひっく……かいぬし？」

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「ご主人様とか」 「ぅ？」 （あ、そういうのじゃないのね？） 頬を軽く掻いて、シンデレラはいつの間にこんな汚れた大人に育ったんだろうと考えたが、どうで良かったので早々にその思考は放棄した。 「アナってどんな人？」 「んと……きれいなひと？」

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「え、説明ざっくりし過ぎでしょ？　私より美人っていうならある意味分かり易いけど」 「ぁ、ぅ……」 じっと見詰めていたら顔を逸らされた。どうしたのよ？　と声を掛けるも、もじもじして尻尾をぎゅっと抱き締めて顔を隠してしまう。何か地雷でも踏んだんだろうかと少しだけ心配していると、

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「ぁ、の……しょの……」 「なに？」 「わかんないの……けど、はずかしくなるから、その……あんまりみないでほしい、です……」 「……は？」 え、照れてるの？　意味分かんないんですけど？ 顔をそろりと上げて視線が合うとまた尻尾をぎゅっとして顔を隠してしまう。一瞬見えたほっぺが

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赤く染まっていて、恥ずかしそうにもじもじを繰り返す。照れている事と、もう一つ分かった事があった。 （なるほどね。うん。取り敢えず可愛い生き物ってのは分かったわ） 愛玩動物っていう括りに入るんだろうなと考えながら、自然と手が伸びていた。頭をそっと撫でると、

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ふわふわの髪が指の間を擽って来た。涙目の視線が上がって上目遣いで「ぅ？」と小首を傾げて来るエルサに、シンデレラは「将来有望ね、これは」と確信した。 「お腹すいてない？　アップルパイ焼けたんだけど」 キッチンから焼きたてのアップルパイを持ってきた白雪がエルサに問う。

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エルサは耳をピルピル動かして、鼻先をくんくんと動かした。甘い匂いに反応しているのか、尻尾が控えめに揺れていた。 「甘いの好きなの？」 「……ぅん」 シンデレラの問いに照れたように小さく頷く。白雪は「かわいい」と言いながら傍らに膝を付いて、アップルパイをナイフとフォークで切り分けた

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一口大にカットして、ふーふーと冷ましてエルサの口許へ。エルサは鼻先を近付けて匂いを嗅ぐと尻尾を振って。それから何度も息を吹き掛けて念入りに冷ましてから、ぱくっと頬張った。 パイ生地をさくさくという音を立てて咀嚼し、とろっと口の中に広がる煮リンゴの甘さに、エルサの頬が綻んで行く。

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（あ、可愛い） （かわいい～♪） 素直にそう思うも、シンデレラは悪戯心が湧いて「あ、気を付けなさいよ？」と唐突に放った。 「ぅ？」 「コイツの作るアップルパイって大抵毒入りなの」 「っ！？」 固まって顔が蒼褪める。ついでに顔が泣きそうに歪む。白雪が「失礼ね」と頬を膨らました。

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「毒なんて入ってないわ。入っていたとしても愛っていう毒だけよ」 「うわっ、くっさ～」 ケラケラ笑うシンデレラ。その隣でエルサは小首を傾げていた。 「あいって、どくなの？」 「まぁ、時にはそうなんじゃない？」 「あー、どっかの偉い人も『人は愛ゆえに苦しむのだ！』って言ってたわね」

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「くるしいの？」 「……時にはね」 「くるしかったこと、ある？」 心配そうな瞳で見上げられて、シンデレラと白雪はほんのりと苦笑した。 「お子様には難しい話よ」 「そうそう。はい、あーん」 「……ぁー」 また小さく切り分けてアップルパイを口に運ぶ。リラックスできたようで何より。