茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1398回「作品との出会いは、一期一会」
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飛鳥IIで横浜港に向かっている。今朝、起きて、何気なく船内のテレビをつけてみたら、ジョン・レノンとオノ・ヨーコのドキュメンタリーをやっている。しばらく見ていたら、余りにも興味深いので、思わず、腹筋をしながら、まじまじと見てしまった。
2015-01-09 07:33:49何だろう、と調べてみて、わかった。どうやら、NHKのBSプレミアムで放送されたことのある「ジョン・レノン、ニューヨーク」という作品らしい。cgi4.nhk.or.jp/hensei/program…
2015-01-09 07:35:09原題は、LennoNYC。en.wikipedia.org/wiki/LennoNYC。オノ・ヨーコさん(@yokoono @dream_power)と、ニューヨークに移住したジョン・レノンが、当時のアメリカで、どのような活動をしたかを、映像やインタビューで描いている。
2015-01-09 07:38:26作品との一番幸福な出会い方は、「偶然」だろう。たまたま見て、「これは何だろう」と惹きつけられる。今は、録画や、インターネットがあるから、どんな作品も、「いつでも検索できる」と思いがちだが、本来は出会いは一回性のものであり、その本質は今日でも変わらないと思う。
2015-01-09 07:39:42かつて、ビデオ録画が一般的ではなかった頃は、放送との出会いはまさに一期一会だった。NHKの伝説的な映像作家、佐々木昭一郎さんの『川の流れはバイオリンの音』は、放送が1981年5月1日だということだが ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%9D… 今でも鮮明に覚えている。
2015-01-09 07:41:37『川の流れはバイオリンの音』のように、たった一回しか見ていなくて、その後は見返していないのに、作品を流れる時間や、その質感のようなものをありありと思い浮かべることができる、これが、作品との出会いの本来のあり方で、ネットやビデオ録画が発達してもそれは変わらない。
2015-01-09 07:42:41たとえ、インターネットにアーカイヴされていて、いつでも見られる、ということになっていても、作品に向き合う現象学的時間は、相変わらず一期一会の一回性であって、その本質は、放送がそれを逃したらもうチャンスがなかったかつての時代と、変わっていないと思う。
2015-01-09 07:45:34飛鳥IIの上で、ランニングをして、部屋に戻ってきたら、ジョンとヨーコのドキュメンタリーは、ジョンが撃たれて亡くなったときのことに移っていた。人の人生が二度と戻らない一回性の時間であるように、作品もまた、戻ることのない現象学的時間の中に生きている。
2015-01-09 07:46:45