秘封倶楽部と幻想郷の関係性についての妄想

litoruman @litoruman

メリーが八雲紫になった理由は、ありきたりだけれどもメリーの”眼”の力に依るもの。境界の境目が見える程度の能力、と本人は謳っていたが、これが間違い。メリーの”眼”の本当の能力は未来視と、そして境界操作である。メリーが夢で見ていたのは実はパラレルワールドではなくひとつの未来だったのだ

litoruman @litoruman

眼の力は始め、ただ未来を視るだけのものだったが、それがいつしか境界そのものを操作する力へと昇華した。夢の世界から物を持ち帰ることが出来たのはこのためである。では何故メリーは八雲紫として博麗大結界を構築し、その維持、管理を行っているのか。それは宇佐見蓮子の説明によって明らかになる

litoruman @litoruman

宇佐見蓮子。星を見ただけで今の時間が分かり、月を見ただけで今居る場所が分かる程度の能力、という非常に仰々しい能力を持っているが、ここではあまり重要ではない。むしろ重要なのは秘封倶楽部の存在と、宇佐見蓮子のの性格によるものである

litoruman @litoruman

蓮子は秘封倶楽部を通じて世界の不思議を探求しようとした。同時に、親友であるメリーの視た世界を探したが、いつになっても夢の世界は見つからない。しかし、メリーが見たものは決して幻想などではない。いつしか、彼女は考えるようになった、見つからないのなら、作ってしまえばいいのだと

litoruman @litoruman

ひも理論をはじめとする超統一物理学の研究の末、ついに蓮子はひとつの世界を創りあげる。この次元とそっくりで、でも微妙に違っている世界。歴史の闇に葬られた妖怪が居て、忘れられた物たちがそこには暮らしていて、その中にはメリーが夢で見た光景も広がっていた

litoruman @litoruman

世界の不思議を探求するという蓮子の好奇心は、ついに不思議を現実として創造するというところに行き着いた。蓮子はこの世界をかつてメリーが見た幻想を元に作り上げた郷（さと）という意味を込めて幻想郷と名付けた。そして、非常に不安定なこの世界を、自分と、そしてメリーごと固着することにした

litoruman @litoruman

固着することは非常に容易だった。その頃には、メリーの”眼”は既に境界を操作することが可能だったからである。そうして、蓮子とメリーは幻想郷の中に存在を固着させた。この時、寿命や肉体的な崩壊からは解放されたのである。八雲紫が大妖怪と呼ばれる所以はそこにある

litoruman @litoruman

幻想郷を構築する上で、蓮子は幾つかの懸念があった。あくまで創造による世界である以上、崩壊の種は存在する。そのひとつは、彼女が作り上げた妖怪や人間が自分の世界に違和感を感じることである。綻びというのは次第に大きくなり、やがて世界を崩壊させる危険性を孕んでいる。創られた世界なら尚更だ

litoruman @litoruman

例えば、記憶と記録という問題がある。蓮子は人間・妖怪の記憶すらも創りあげたが、誰かがその記憶に疑問を抱かないとも限らない。人間の頭脳や好奇心というのは思った以上の力を発揮するもので、仮に書物や図画による記録を作ったとしても、どこかで綻びが生じるかもしれない

litoruman @litoruman

そこで蓮子が取った方法は、実にシンプルで、かつ大胆なものだった。それは「幻想郷が出来てから今までの全ての記憶を持つ存在」を存在させることである。しかも、「転生によって記憶が受け継がれながら、幻想郷の歴史を記憶し続ける」というものである。「稗田」の名を関する少女がまさにそれに当たる

litoruman @litoruman

つまり、稗田の少女を、蓮子が創りあげた歴史という名の記憶の保存装置としてそこに置くことこそが、蓮子の狙いだったのである。人間とは得てして「誰彼が見た、聞いた」という情報を信じ易い。そこをついた蓮子の采配は功を奏し、幻想郷は安定に入ることとなる

litoruman @litoruman

ところで、メリーが紫であるという話は先ほどしたが、では蓮子は？と言う話。歴史の表舞台にはあまり表さなかったが、蓮子こそが八雲紫とともに博麗大結界を構築した（もっと言えば幻想郷そのものの創始者でもあるのだが）張本人であり、人里離れた場所に神社に偽装した管理システムを築くことになる

litoruman @litoruman

薄々感づいているかもしれないが、記録上ほとんど登場しない「先代博麗の巫女」と呼ばれたのが宇佐見蓮子その人である。実際のところ先代と言うよりも初代と言ったほうが正しいが、それはだれも知らないことである。博麗神社と共に、蓮子は暫くの間幻想郷を観察した。ここから時間が飛ぶ

litoruman @litoruman

蓮子の探究心は、人間を、そして世界をも創造するに至ってもまだ尽きることはなかった。世界を作り上げた蓮子が次に目をつけたもの、それは自らが作り上げた世界の行く末である。自分の手を離れた世界が、果たしてどのような作り物じゃない本物の歴史を練り上げていくのか、それを確かめたくなった

litoruman @litoruman

蓮子はずっと昔にそうしたように、一人の女の子を創造する。利発そうな顔立ち、透き通った真っ直ぐな瞳を持つ十代前半くらいの女の子に博麗神社の名を預け、自分に変わる世界の管理者として暫くの間子育ての真似事をする。その頃にはすっかり八雲紫として認知されたメリーも、事あるごとに顔を見せた

litoruman @litoruman

博麗霊夢と名付けたその女の子が程よく育った頃、いよいよ蓮子は幻想郷の表舞台から忽然と姿を消した。自分の手を離れた幻想郷にどんな未来が待っているのかを楽しみにしながら。決して世界が崩壊しないように人間側の管理者として霊夢、そして妖怪側の監視者として紫という２つの楔を残して

litoruman @litoruman

蓮子は決して消滅したわけではない。ただ、人間からもほとんどの妖怪からも認識されない場所で悠然と悠久の時を過ごしているだけなのだ。元いた世界とも違う、幻想郷とも違う場所で蓮子は今日も幻想郷の行く末を楽しみに、飽くなき好奇心と探究心を満たし続けている。

litoruman @litoruman

蓮子は決して消滅したわけではない。ただ、人間からもほとんどの妖怪からも認識されない場所で悠然と悠久の時を過ごしているだけなのだ。元いた世界とも違う、幻想郷とも違う場所で蓮子は今日も幻想郷の行く末を楽しみに、飽くなき好奇心と探究心を満たし続けている。

litoruman @litoruman

みたいな！

litoruman @litoruman

メリー＝紫、っていうのはよく見かけるけど蓮子＝先代博麗の巫女＝幻想郷の創始者、っていうのは割とパイオニア感あると思ってるんだけど実際どうなのかは知らない。なんか似たような先例があったらそれのパクリってことにしといてください