アニメ監督・森田宏幸氏の「ミッキーマウスのストライキ!:米国・アニメ労働運動100年史」紹介ツイートまとめ

「シドニアの騎士」のストーリーボード、『猫の恩返し』『ぼくらの』の監督をされているアニメ監督の森田宏幸さんがアメリカのアニメーション業界の労働運動の歴史が書かれた本である「ミッキーマウスのストライキ!:米国・アニメ労働運動100年史」(トム・シート著 久美薫訳)を紹介されたツイートをまとめさせていただきました。この本はずっと以前から読んでみたいと思っているものなのでなんとかして読んでみたいです。
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森田宏幸 @Morita626

Hiroyuki Morita アニメーター 『聖剣学院の魔剣使い』『猫の恩返し』『ぼくらの』監督 東京工芸大学 教授  日本心理学会監修 横田正夫編『アニメーションの心理学』第5章「動きの造形論」(誠信書房)#せまつか #聖剣学院の魔剣使い @SEIKEN_MAKEN @office_p

森田宏幸 @Morita626

去年読んだのだけれど「ミッキーマウスのストライキ!」(トム・シート著 久美薫訳)をアニメーターの皆さんに紹介します。日本のアニメーターがミッキーマウスにもストライキにも興味ないことは百も承知だけれど、アニメーターが読まずに一体ダレが読むのかという内容の本なので。

2015-01-09 14:25:41
森田宏幸 @Morita626

「ミッキーマウスのストライキ! 米国・アニメ労働運動100年史」(原題:Drawing the Line 久美薫訳 合同出版)は、アメリカのアニメーション業界の労働運動の歴史をアメリカのアニメーターであり、アニメーションギルドの委員長であるトム・シート氏が記した本。

2015-01-09 14:26:09
森田宏幸 @Morita626

「ミッキーマウスのストライキ! 米国・アニメ労働運動100年史」(原題:Drawing the Line 久美薫訳 合同出版) 「そこで私が出会ったのは凡庸な芸術家の派閥ではなく、英雄たちの物語だった」(p.10から)

2015-01-09 14:26:30
沓名健一 Kenichi Kutsuna @coosun

@Morita626 買うには高いですね。図書館にわりとあるので借りて読んでみます。

2015-01-09 15:10:48
森田宏幸 @Morita626

意外と知られていなかったんだなぁ。“@coosun: 買うには高いですね。図書館にわりとあるので借りて読んでみます。”

2015-01-09 19:49:15
森田宏幸 @Morita626

この本は、労働運動史を通じてユニオン主義を説くだけに留まらない。ウォルト・ディズニーやフライシャー兄弟、ポール・テリーやジョン・ラセターらの振る舞いを含めたアニメーション映画史が、裏も表もなく赤裸々に語られている。「ミッキーマウスのストライキ!」(トム・シート著 久美薫訳)

2015-01-09 20:12:11
森田宏幸 @Morita626

チャック・ジョーンズやウォード・キンボールら数多くのスターアニメーターたちの生き様を含め、職業アニメーターたちの実態も、実感を持って描かれている。読めばアニメーターという我々と同じ人種について書かれている!と間違いなく実感出来る。「ミッキーマウスのストライキ!」(トム・シート)

2015-01-09 20:13:33
森田宏幸 @Morita626

「ミッキーマウスのストライキ!」(Drawing the Line トム・シート著 久美薫訳) 「こういうアニメ制作に携わる人間は、学校ではまわりにくらべておとなしく、無口で、まんがが大好きで独りで時間を過ごすほうが性にあっていた人びとと相場が決まっている」(p.18から)

2015-01-09 20:16:10
It happens sometimes @ElementaryGard

まず「高い」、次に「分厚い」とくる。あれでも千円近く価格を下げてるのに。読んでもらってなんぼなので図書館でどうぞ。@Morita626 @coosun

2015-01-09 20:27:22
森田宏幸 @Morita626

アニメーターはアニメーション制作の分業化によって生まれた、と書かれているのも興味深い。基礎になった理論はフレデリック・テイラーの「科学的経営原理」 これはヘンリー・フォードを初めとするアメリカ重工業界の基本理論でもあるそうだ。(p.19から)「ミッキーマウスのストライキ!」

2015-01-09 20:32:22
森田宏幸 @Morita626

アニメーターの組合が産まれた背景。世界恐慌とルーズベルトのニューディール政策など時代の後押しがあった。そしてマフィアの抗争や、赤狩り、アジア(日本)への下請け発注、デジタル化に翻弄される。大変刺激的な内容。「ミッキーマウスのストライキ!」(トム・シート著 久美薫訳 合同出版)

2015-01-09 20:34:19
森田宏幸 @Morita626

以上の内容は、この本を発見し一人で訳した久美薫の力に負うところも大きい。書き下ろしの訳者解説「アニメーションという原罪」も必読。労働運動の観点から日本アニメ業界を分析。「ミッキーマウスのストライキ! 米国・アニメ労働運動100年史」(原題:Drawing the Line)

2015-01-09 20:37:16
森田宏幸 @Morita626

訳者解説「アニメーションという原罪」 限られた字数で未消化な部分もあるが、フリーが中心のアニメ業界の偽装請負の違法性の指摘が活字になったのは、私の知る限りこれが初めてかと。議論の種にして欲しい。「ミッキーマウスのストライキ!」(トム・シート著 久美薫訳 合同出版)

2015-01-10 01:53:36
森田宏幸 @Morita626

640ページで6200円という値段が高いという声をほかでもないアニメーターたちから聞くが、この読了後の感慨はお金では買えない。「ミッキーマウスのストライキ! 米国・アニメ労働運動100年史」(原題:Drawing the Line 久美薫訳 合同出版)

2015-01-10 01:56:01
It happens sometimes @ElementaryGard

「未消化」は間違いですね。あれが仕様なのだから。先行研究がろくにない+原著の補足説明役+歴代の当事者たちがろくに記録を残さず議論もしてこなかった尻ぬぐいとなると、ああいう設計にしかならない。標高八千Mを超える世界。地上の常識は通用しない。@Morita626

2015-01-10 12:01:37
It happens sometimes @ElementaryGard

感慨、ですか。それは「大いに恥じ入る」も含まれているのでしょうか。@Morita626

2015-01-10 12:08:39
森田宏幸 @Morita626

失礼。何カ所か論点を掘り下げつつも、遠回しに結んでいる部分が気になっただけです。以前、お伝えしたとおり、大筋では十分な論説だと感嘆しています。@kumi_kaoru 「未消化」は間違いですね。

2015-01-12 18:58:18
森田宏幸 @Morita626

一例:(ミッキーマウスのストライキp.594)日本のアニメ界では雇用→請負の移行によるひずみの蓄積と破裂が1970年代前半(中略)同じ地殻変動が10年遅れでハリウッドアニメ界でも顕在化したのだ、という解釈は大胆すぎるだろうか」の「大胆すぎるだろうか」の部分@kumi_kaoru

2015-01-12 19:01:32
森田宏幸 @Morita626

感慨で言うなら「ホッファ」や「ニュージーズ」などの映画が好きだし、マルコムXやチャップリン自伝(分厚い方)を読んだあとの感慨に似ています。これらは私の趣味に過ぎませんが、アニメーターもこうした英雄物語の主人公になり得るのかなと思うと「感慨深い」です。@kumi_kaoru

2015-01-12 19:05:21
森田宏幸 @Morita626

ただ、水を向けられたので、私自身の「アニメーターの労働運動」に対する考え方の変遷を正直に書いておきます。89年頃、私はアニメーション・ユニオンの会合に参加して、現実の組合活動に深く幻滅した経験がありました。@kumi_kaoru

2015-01-12 19:10:03
森田宏幸 @Morita626

詳細は省きますが、要するに、89年頃のユニオンは、地道に会員を増やしてアニメーターを組織化する努力をすっ飛ばして、デモなどのイベントに走るだけという、刹那的な活動しかしていなかったからです。@kumi_kaoru

2015-01-12 19:12:24
森田宏幸 @Morita626

そんなこともあって、組合ではないJAniCAを私は支持したし、久美さんに対しても、組合がバックアップした労働裁判などの効果に疑問を呈していたのですが、その判断には、そもそも知識が不足していました。@kumi_kaoru

2015-01-12 19:23:17