【邪悪の樹――二籠】第一交流フェイズ――万斛の鎌

無感動(@evil_athe) 無神論(@Apathie_Evil) 色欲(@acctLust) 醜悪(@akagachi_atom) 拒絶(@Az2_abl
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【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

ふたこもり、二籠 悪は満ち満ち肥大する いずれ生まれる君が為 さあ始まるよ、邪悪の宴が #邪悪の樹

2015-01-05 18:00:02
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

大広間のテーブルの上。一羽の鳥が降り立った。 鴉のように大きくて、駒鳥のように小さくて。 囀る声は、歌うように暗くて明るい。 『邪悪の皆様、皆々様』 『大広間にお集まりくださいませ』 その声は、屋敷の全てに響き渡る。 #邪悪の樹

2015-01-05 18:00:22
【拒絶】アップレーヌング @Az2_abl

ーーカチャリ、と陶器のぶつかる音がする。 屋敷にある部屋の一つ。それはそこで一つ息をつく。 満たされぬ喉。ただ液体を飲み込んだという事実。 そんなそれの周りにはいくつかの楽譜が散らばっていて。 ふと、首を傾げる。 それに準じて薄い金の髪がさらり。

2015-01-05 18:08:14
【拒絶】アップレーヌング @Az2_abl

どこか遠くで、鳥の羽ばたいた音がした気がする。 多色に輝く瞳をぱちりと。 車椅子をキィ、と動かし近くの窓へ。 窓の外はいつもと特に変わった様子もなく… ーー次に聞こえたのは、聞き慣れぬ声。 また一つ、首を傾げ。 だが呼ばれたのなら行かなくてはいけない。

2015-01-05 18:09:07
【拒絶】アップレーヌング @Az2_abl

扉を押して、廊下に出て。 ゆっくりゆっくり、キィキィと。 大広間に向けそれは進む。

2015-01-05 18:09:30
【醜悪(ヘスリヒ)】 @Akagachi_atom

『なに』『何』『何なの』『あれは』 『蝶かしら』『はねがある』『とり』『鳥じゃないか』 小さな羽音を響かせて、屋敷の大広間、その中央に据えられた大きな卓の上に小さな何かが影を落とす。 それに合わせてどこかから沸き起こる、囁くような声。

2015-01-05 19:05:55
【醜悪(ヘスリヒ)】 @Akagachi_atom

その声に合わせる様に、「骨」はまるで船の様に、揺り籠の様に、ぐるり、ぐるりとその身を揺すった。 豪奢な内装に似つかわしくないその巨体は、けれど一見すると一つのそういうオブジェに見えなくもない。…問題として、その造形があまりにも悪趣味であるという事があるが。

2015-01-05 19:06:55
【醜悪(ヘスリヒ)】 @Akagachi_atom

骨の様なそれは、いや、骨にしか見えないその怪物は、確かに骨であるのに、何の骨であるかと問われれば思わず答えにつまる様な、そんな歪な形をしていた。 頭と思しき部分には、酷く気味の悪い鳥の仮面が幾重にも張り付いており、その中で一際大きな二つの鳥頭からは、ぎょろり、と多くの瞳孔が覗く。

2015-01-05 19:07:22
【醜悪(ヘスリヒ)】 @Akagachi_atom

長い首を丸め、背を丸め、尾を丸め、輪の様に身を縮こめる骨に抱かれる様にして、一人の子供が眠っていた。骨を揺り籠に、静かに寝息を響かせる幼子は未だ目の前の小さな「来訪者」には気が付いていない。その代わりなのか、子を抱く骨の、ビー玉の様な瞳だけは、真っ直ぐにそれを見据えていた。

2015-01-05 19:08:39
無感動Apathie @Apathie_Evil

呼ぶ声がしたと感じて、立ち上がった。纏められない癖のある金の髪が揺れるのを背に感じながら、まっすぐ扉に近付いて押し開く。 殺風景な、私物の一つも見当たらない、何かを望んで呼び出した形跡もない部屋を背にして、廊下を大広間へと向かって歩いて行く。 遠いそこへと歩を進める間に、後ろ姿。

2015-01-05 18:43:36
無感動Apathie @Apathie_Evil

「【拒絶】」 呼び掛ける。大股でなくとも車椅子のその背には追いついた。僅かに覗き込むように目を落とす。尤も、『覗き込もう』というそれは【無感動】自身が思っているだけで、【拒絶】に伝わるかは分からないが。 「行き先は同じだろう。押すか」 疑問符を忘れたかのような平坦な調子の声。

2015-01-05 18:43:37
無感動Apathie @Apathie_Evil

苦労しているとも見えない様子ではあるが、どうせ皆で集まるのだろうから、別に行っても共に行っても変わらないだろう、とは、無表情の下。 思いつく限りの色を宿した瞳のそれが、頷けば押す手を伸ばし、首を振ればそのまま追い越すつもりで、【無感動】は問いだけ向けた。

2015-01-05 18:43:38
【拒絶】アップレーヌング @Az2_abl

名を呼ぶ声に輪を押す手を止める。 現れたのは金髪金瞳の者ーー【無感動】だ。 覗き込むようなその瞳に応えるようにぱちりと一つ瞬きをして頷く。 断る理由などーーそれを拒絶する理由などない。 どこからか羊皮紙を取り出しペンを取る。 そこには『お願い』とだけ記した。

2015-01-05 19:03:25
無感動Apathie @Apathie_Evil

「解った」 【無感動】の了承の声は短い。羊皮紙の上に踊ったその短い文字を眼にするや、そう答えた。 すぐに車椅子の背に回る。両手で握り、押し始める。屋敷の床はどこも滑らかでそれでいて歪曲していて、それが重い振動にならないようにとは気を付けながら。 合間に声はない。

2015-01-05 20:50:20
無感動Apathie @Apathie_Evil

ただ淡々と輪の鳴る音を規則的に鳴らしながら、進んでいった先に大広間の扉。手を伸ばして押し開く。開いたそこに、【拒絶】と共に【無感動】は脚を踏み入れて。 そこに鎮座する長方形のテーブル、その定位置に【拒絶】の車椅子を据え、自身も定位置に腰掛ける。

2015-01-05 20:50:21
無感動Apathie @Apathie_Evil

何かあれば、各々で好きに席順なども変えるだろう。いつもの事だと、いつもの席で、いつものように押し黙った。

2015-01-05 20:50:22
【色欲】ルスト @actLust

「こっとり、こっとり、ふっわふっわこっとり、」 滑らかな布を纏う。衣擦れの音に見えぬ双眸を細めながら、扉のノブを手探りで探す。 「煮込んで美味しい、焼いて美味しい、炙って美味しい」 今日は鳥のシチューかな。そうだといいな。沢山食べて、沢山飲んで、沢山感じたい。

2015-01-05 18:59:53
【色欲】ルスト @actLust

生白い肢体を惜しげもなく晒し、裸足で絨毯を踏みしめながら廊下を歩く。ひらひらと巻き付けただけの布が捲れても気にした風は無く、ゆるゆると壁伝いに歩いていく。 「焼き鳥がいいなあ」 血のように赤い眼を伏せた。開けてても見えぬのだから、伏せていても変わりはない。

2015-01-05 19:00:40
【色欲】ルスト @actLust

「美味しく感じられるなら何でもいいけれどねえ」 唇を舐める動作一つ。ぬらりと濡れた唇に笑みを乗せて、ゆるゆると歩く。 「オナカ空いたなあー」

2015-01-05 19:00:45
【無神論】アテイスムス @evil_athe

ばさり、布を羽織る音。鏡の前でコートのボタンを留める。ついでに軽く身支度を整えながら、思考。 ――声。何者かが自分を呼んだ、それは一体。 そこまで考えて、溜息をひとつ。すぐに思考を止めた。考えなくても分かることだ。その声の示した場所へと向かうのが、何するより早いのだから。

2015-01-05 20:58:39
【無神論】アテイスムス @evil_athe

「広間、か」 白いコートに白いブーツ。自身を映す鏡に背を向けて、確かめるように一歩。した靴音が幾らか大きめなのは、失った感覚を埋め合わせる為だ。 たん、たんと床を蹴り、扉の前。ドアノブに触れる。自分の手を赤が見つめて、何度も握りなおして。 ようやく、扉を開き廊下へと踏み出した。

2015-01-05 21:03:37
【色欲】ルスト @actLust

「今、ぼくってばどの辺歩いてるのかなあこれえ」 ぺたりぺたりと壁に触れながら歩いてはいるものの、何となく曲がり角で曲がりたくなって曲がってたら本来行くべき場所へ辿り着かない。 「だーれっかいっないかなあーと」 ぺたぺたぺたり。足取りは危なげなく。

2015-01-05 21:29:43
【色欲】ルスト @actLust

「ぼくの勘が正しければ、アティがいる気がするう!」 ぺたぺたり。壁伝いに、歩きながら。 「あーーーてーーーぃーーー」 壁から手を離す。うろうろと廊下の中程をうろつきながら、大きな声で呼んだ。気付いて貰えるだろうと確信を持って。

2015-01-05 21:36:05
【無神論】アテイスムス @evil_athe

広間へ向けて廊下を進んでいると、不意に名を呼ぶ声がした。 部屋で聞いた声とは違う。もっと馴染みのある声だ。 「……?」 声の人物はなんとなく予想がついた。しかし、と進んでいた方向から視線を外す。広間へと続く道とは別方向から聞こえたのは気のせいだろうか。……多分気のせいではないが。

2015-01-05 22:04:17
【無神論】アテイスムス @evil_athe

方向を広間の方から声の方へと変え、廊下を進む。曲がりに曲がった先、廊下の真ん中でうろうろしている【色欲】の姿を見つけた。 やっぱり、と小さく呟いてから、息を吸い込み。 「ルスト!」 名を呼ぶ。盲目の相手が転ぶ前にと駆け寄った。 「広間に行くんでしょう? こっちじゃありませんよ」

2015-01-05 22:07:16
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