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劉度 @arther456
◇◇◇◇◇◇◇ ←九十一式徹甲弾
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【デビルサマナー 葛葉あきつ丸vs亡霊戦艦】#3
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(これからSSを投下します。TLに長文が投下されますので、気になる方はリムーブ・ミュートなどお気軽にどうぞ。投下中はTLを余り見ないので、感想・実況などを #ryudo_ss に書いて頂けると、後でチェックして小躍りします。では、宜しければ暫くの間お付き合い下さいませ)
劉度 @arther456
戦艦大和は史上最大の戦艦であった。それは、大日本帝国の造船技術が極めて優れていたから、というわけではない。大和以降、戦艦そのものが不必要となったからだ。真珠湾攻撃を始めとする航空戦力の発達により、海戦ドクトリンは根本から変わってしまった。 1
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それだけではない。ミサイルの登場、潜水艦の発達、ICBMと戦略爆撃機による冷戦構造。戦争そのものも総力戦から非対称戦へ移っていった。もう、戦艦が主砲同士で撃ちあうことも、対地攻撃で敵の沿岸基地を破壊する状況も起きなくなった。だがそこで、時計の針が巻き戻る。 2
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カイジュウの出現。猛毒の体液を持つ巨大生物に、ミサイル攻撃は効かなかった。それに対する巨大ロボットは国一つの財産が消滅するほど高価であった。そこで大国たちは、巨大ロボットの武装のみを増産し、それを高出力ジェネレーターと共に巨大な船に載せた。すなわち、戦艦の復活である。 3
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そして、深海棲艦の出現により状況は更に変わった。今でこそ艦娘が主力だが、それまでの戦いにおいて装甲の薄いイージス艦たちの盾となり、その巨砲で戦場を制圧する戦艦は切り札だったのだ。しかしそれでも、戦艦同士が正面切った砲撃戦は未だ起こっていなかった。 4
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『大和を確認しました』「うむ」播磨が大海原を往く。新海軍の戦闘艦の例に漏れず、その艦首には菊の御紋が輝いている。だがこの播磨には菊の御紋が二つあった。正確に言えば艦首が、そして船体が2つあった。超巨大双胴戦艦・播磨。日本海軍史上、最大の戦艦である。 5
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「播磨より老神へ。本艦は大和を確認。これより攻撃態勢に入る。貴艦は僚艦とともに、生存者の収容に専念されたし」マイクに向けて語るのは、播磨の艦長にして呉元帥、寒河江翔太。自衛隊、国防海軍、日本新海軍の3世代を戦い抜いた、新海軍屈指の大ベテランである。 6
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『しかし閣下!いくら播磨でも危険です!せめて我々が追い付くまで待ってください!』老神艦長はしつこく反対する。呉元帥はため息をついた。説得している時間はない。「お前らが追いつくのを待ってたら逃げられちまうよ。以上、通信終わり」『あっ』声が途切れる。 7
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『閣下』別の声がスピーカーから響く。今度は艦内通信、右ユニット後部ハッチで待機する大和の声だ。『全艦、出撃準備完了しました』『こっちも準備完了だぜぇ!』左ユニットの武蔵も元気な返事。この二隻が預けられているという時点で、呉元帥の手腕が窺い知れる。 8
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「よし、大和、武蔵から全艦順次出撃。10海里後方で単横陣を敷いて待機な」『りょうか……えっ?』『か、閣下ぁ!私らに戦うなって言ってるのか!?』「おう」『……閣下、もしや大和の艦霊を背負う私に遠慮して……』「だから違うっての。通信終わり!」『あっ』声が途切れる。 9
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静かになった指揮所で、元帥はモニタの向こうの『大和』を見つめた。史料で知る『大和』とは違う。宇宙人によって改造されて、鹿屋基地を砲撃し部下の艦隊の1/3を蒸発させた戦艦だ。「我ながら、変なモンと戦い続けたなぁ……」五十余年の日々を振り返る。 10
劉度 @arther456
海上自衛隊に入って以来、彼は様々な相手と戦ってきた。海賊、テロリスト、反乱軍、イルカ、ペンギン、カイジュウ、マグロ、そして深き者、深海棲艦。途中で自衛隊が国防軍に改定され、深海棲艦の東京大空襲とそれに続く内乱を経て、新海軍が結成されても、変わらず彼は海で戦い続けた。 11
劉度 @arther456
「まさか艦娘じゃない、本物の戦艦とこの播磨でやり合えるなんてな。神様も中々洒落たことをするもんだ」呉元帥が僚艦も艦娘も遠ざけた理由はこれだった。この、海戦史上最大にして最後のロマンに、ミサイルも少女も混ぜ込みたくはない。純然たる一騎討ちを、呉元帥は望んでいた。 12
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『閣下、本艦の戦闘態勢への移行を申請します』スピーカーから電子音声。播磨に搭載された人工知能JDFのものだ。大和より更に大きい播磨を動かすには、人力では足りない。AIの補助も必要だった。「よし。本艦はこれより戦闘態勢に移行!JDFの権限レベルを2まで引き上げる!」 13
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『了解。全兵装、自動チェック開始』モニタに人間の目では追えない早さでログが流れる。『51cm三連装プラズマ砲、1号基から8号基まで全て異常無し』『レーダー、異常無し。全空間監視システム、単艦モードで起動します』『ジェネレーター出力上昇。第一戦速』 14
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『敵艦、ロックオン。有効射程距離まで、2分』『敵艦より高エネルギー反応。防御システム始動。衝撃に備えて下さい』「……おおっと!?」警告を聞き流しそうになった。慌てて、元帥は手すりを中腰で握り締める。「先手はそっちか。いいぜ、かかってきな」 15
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一方、ミミー星人母艦もまた、攻撃指令をアイアンロックスに送信していた。「愚か者め!この距離までミサイルの一発も撃たないとは!レーザー砲で蒸発させてやる!」「エネルギー充填120%!」「撃て!」レーザーが放たれ、播磨が青白い光の中に消えた。 16
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あっけない。回避運動すら見せなかった。「フハハハハ!地球の戦艦など何十隻集まっても怖くないわ!」白熱の光線が徐々に薄れ、再びモニタに海原が戻ってくる。「よし、このまま横須賀を焼き払い……何ィ!?」閃光の向こうで、播磨は未だ健在だった。「馬鹿な、防いだだと!?」 17
劉度 @arther456
レーザーの直撃を受けた播磨船内は、一時的に暗闇の中にあった。「おい、大丈夫か!?」『申し訳ありません。3秒後に復旧します』きっかり三秒後、船内の明かりが復旧する。『電磁障壁、オーバーロード。パーツ交換が必要です』「流石宇宙人。大したレーザーだ」 18
劉度 @arther456
播磨を日本最強たらしめているのは、この電磁障壁であった。強力な電磁バリアによって船体を覆うこの防御兵装は、実弾兵器にも有効だが、何より同じ電磁波であるレーザーに対して高い防御力を持つ。宇宙人のレーザーの出力は分からなかったが、播磨なら耐える、と呉元帥は確信していた。 19
劉度 @arther456
「敵の様子は?」『エネルギー低下中。放熱、及びエネルギーの再充填は計算によるとおよそ45分かかります』「よし、それまでに終わらせるぞ」『了解。40分以内の戦闘終了を目標に、戦闘プログラムを構築します』対カイジュウ51cm三連装プラズマ砲が、旋回、大和に狙いを定める。 20
劉度 @arther456
『1号から4号まで、照準よし。どうぞ』「主砲1号から4号まで、撃ちぃー方、始め!」巨砲が、大海原を震わせた。大和を超える史上最大の砲弾が、12発まとめて降り注ぐ。着弾、そして炸裂。水柱ではなく、水蒸気が吹き上がる。プラズマ砲弾が海水を蒸発させたのだ。 21
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