メンヘラ羽黒と兵器のイク

洲央@土曜西“は”45a @laurassuoh

とある艦娘たちの会話 「また羽黒孕んだんだって」 「いくら艦娘は中絶が簡単だからってアイツ孕み過ぎだろ」 「グロマン重巡だよな絶対」 「しかもあいつ毎回最後フラれてんじゃん」 「メンヘラだわマジで」 「またアイツのご飯に消しカス入れとこうぜ」 「うちは下剤入れるわ」

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煙草を吸いながら海辺に座る羽黒「はぁ……なんでみんな分かってくれないの」 海から顔を出したイク「あー、羽黒なのー」 羽黒「あら、イクさん。どうしたんですかこんなところで」 イク「煙草、イクたちは吸えないから羨ましいの」 羽黒「へえ、吸えないんですか」

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イク「呼吸器がもう通常とは違うからなのね」 羽黒「大変ですね」 イク「そうなのね。だから聞きたいの」 羽黒「何をですか？」 イク「妊娠してるのに煙草なんて吸っていいのぉ？　赤ちゃんに悪影響が出るのね！」 羽黒「いいんですよ……堕ろしますから」 イク「……何でなの？」

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羽黒「この子のお父さんにフラれましてね。もう10回は堕胎しましたけど、艦娘って丈夫ですから」 イク「……」 羽黒「どうしたんですか、そんなに睨んで」 イク「何でもないのね……」 羽黒「あぁ、そっか、潜水艦は子宮がないんでしたっけ……」 イク「……それ以上は言わないでほしいのね」

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羽黒「羨ましいですか？　羨ましいですよね？　私たちは好きなだけ煙草も吸えるしご飯も食べられる。セックスもできるし赤ちゃんも産める。銃後は普通の人間に戻って恋だってできる。潜水艦にはできないですもんね。あぁ、なんて尊い自己犠牲精神なんでしょう。賞賛しますよ、その愛国心」

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イク「羽黒」 羽黒「勘違いしないでくださいね？　イクさんが私にこう言わせているんですよ。声をかけて私に同情されたかったんですか？　私だって誰かに同情されたくて泣いていたのに、どうしてあなたなんかにそんな目線を向けられなくちゃいけないんですか。もう人間でなく、兵器のあなたに」

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イク「……ちょっとだけ違うのね」 羽黒「何が違うんですか」 イク「同じ艦娘に同情されたい羽黒の気持ちは分かるのね。でもそんな娘がいないから羽黒は一人なの。イクたちは同情なんて求めてない。求めているのは愛情だけなのね……お互いに同情の余地がないイクと羽黒は似ていると思うのね」

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羽黒「暗に私が友達のいないクソだって言ってますよね？」 イク「事実なの」 羽黒「……そうですね、事実です。あなたが煙草も吸えない、子供も産めない兵器な事と同じです。私たちは同情の余地がない。同じ人間でないから」 イク「なの！」 羽黒「……友達になってくれませんか」

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イク「友達はいつでも大歓迎なのね」 羽黒「やった……じゃあ、よろしくお願いしますね」 イク「また辛くなったら来るといいのね」 羽黒「イクさんも、辛くなったら来てくださいね」 イク「じゃあ、イクさんは帰るのね。海の底へ」 羽黒「私も、堕ろしに行ってきます」