子宮内膜症のおはなし

子宮内膜症がどうやって起こるのかを、子宮をベッドに例えながらわかりやすく説明します。
子宮内膜症
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ヤンデルさん @Dr_yandel
今日は突然ですが子宮内膜症のはなしをします。よく学生に説明する内容です。厳密には医学的に間違っている説明も含んでいますが、一連の流れを理解する上ではこれで十分かなと思っております。
ヤンデルさん @Dr_yandel
子宮は「赤ちゃんのベッドとして働く」だけのために存在する特殊な臓器であるが、いつ赤ちゃん(受精卵)がベッドにやってくるかはわからない。そのため、女性は(生理がある10代後半から40代中頃までを通じて)子宮を常にメンテナンスしている。
ヤンデルさん @Dr_yandel
月経後から時計を進める。まず子宮は「受精卵がやってくる(かもしれない)2週間後」に備えて、ベッドをふかふかにする作業を進める。これが「増殖期」と呼ばれるフェイズで、エストロゲンというホルモンの作用によりベッドのシーツ(=子宮内膜)がずんずん分厚く、フッカフカになっていく。
ヤンデルさん @Dr_yandel
増殖期が2週間ほど続き、シーツがふかふかになったタイミングで排卵が起こる。このへんで首尾良く精子がやってきて、卵子に入って受精卵になると、ふかふかのベッドに寝転がる。これを着床という
@n0rr
ヤンデル先生の子宮内膜症教室が着床のところまで来たんだけど、これやっぱり離婚するところまでいくのかな
ヤンデルさん @Dr_yandel
着床が起こった・起こらないにかかわらず、今度は体はベッドの環境を整える。分泌期と呼ばれるフェイズでは、ふかふかのシーツが潤いを増していく。受精卵が存在しない場合は、2週間もすると「なあんだ、今回はお客様のお泊まりはなしかあ……」と体が判断する。シーツはふかふか・うるうる。
ヤンデルさん @Dr_yandel
排卵後2週間して、受精卵がベッドにいないときは、「そろそろシーツ交換すっか」となる。なにせ受精卵の大事なシーツであるから、毎回排卵に備えてきれいなシーツにしておきたい。排卵後2週間のタイミングで「シーツをどびゃっとはがして捨てる」。これがいわゆる生理、月経時の出血である
ヤンデルさん @Dr_yandel
すなわち「おりもの」とは、血だけではなく「ふかふか・うるうるのシーツをはがしたあと」なのである。月経が終わり、シーツがはがれるとまた「シーツを分厚くする作業(増殖期)」→排卵、受精卵まち→「シーツを潤わせる作業(分泌期)」→「シーツ交換(月経)」というサイクルに入る
ヤンデルさん @Dr_yandel
さて、シーツを寝室のベッドの上(子宮の内膜部分)に張っている間はいいのだが、不思議なメカニズムにより「うっかりシーツを寝室の壁の中に張ってしまう」場合がある。この場合、壁の中でシーツがふかふか・うるうるになり、最後にどびゃっとはがされるところまでは変わらないが……
ヤンデルさん @Dr_yandel
何せ壁の中である、シーツをはがしても「それを捨てる場所がない」。すると、子宮の壁の中にシーツの残骸がうまってしまい、出血や線維化(かさぶたの下が硬くなるような、体内の防御反応)によって寝室の壁が変形し、硬く厚くなってしまう。これを「子宮腺筋症」という。
ヤンデルさん @Dr_yandel
さらに、シーツを寝室の壁どころか、トイレの壁(膀胱壁)や家の外側の壁(腹膜)、寝室の柱(子宮を支える靱帯)、さらにはダイニング(消化管)、ひどいときは換気口(肺)などに敷いてしまう「エラー」がおこることもある。こうなると、それぞれの場所で「どびゃっと出血」「ゴミが充満」してしまう
ヤンデルさん @Dr_yandel
このような、「シーツを張る場所を間違えて、そこかしこで出血を起こし硬く分厚くなってしまう現象」を、「シーツを間違えて敷いちゃったぜ」→「シーツ(子宮内膜)間違え(症)」→「子宮内膜症」というのです。最初に説明した子宮腺筋症も、実はこの一種。
ヤンデルさん @Dr_yandel
子宮内膜症は非常に頻度の高い疾患ですが、医学部6年間を通じてもなかなかその病態生理が理解できない場合があるので、今回連ツイながらまとめました。ご参考になさってください
ヤンデルさん @Dr_yandel
うっかり着床して悔しがる受精卵「チャックショー」
ヤンデルさん @Dr_yandel
おまけです。子宮内膜症の治療について。シーツ交換で出血・線維化を起こすことで様々な症状を引き起こすのが子宮内膜症ですので、「シーツ交換ちょっと控えようか」という命令を体に出すと症状を抑えることができます。シーツ交換を抑えるにはどうすればいいですか?
ヤンデルさん @Dr_yandel
シーツ交換を抑えるには、「もうシーツに赤ちゃん寝てるで。今シーツ交換したらあかんで」と体に錯覚させればいいのです。妊娠状態だと思わせる。これを「偽妊娠療法(低容量ピルを使う)」と言います。厳密には同じではないのですが、「偽閉経療法」というのもあり、それぞれを使い分けます。
ヤンデルさん @Dr_yandel
おまけの続きです。子宮内膜症は「シーツを張る場所を間違える」わけですが、その間違え場所としてかなり高頻度に経験されるのが卵巣です。子供部屋……ってわけでもないけど。卵巣は卵子が元々いるところで、小部屋(スペース)がいっぱいあるので、ここにシーツを張ってしまうと……
ヤンデルさん @Dr_yandel
「壁」や「柱」にシーツを張り、はがしたときにはその場所に「出血」と「線維化」が起こるのですが、「子供部屋のスペース」にシーツを張ると、スペースがあるために血がたまってぱんぱんに膨らんでしまいます。その見た目から「チョコレート嚢胞」と言います。古い血がチョコみたいに見えるのです。
ヤンデルさん @Dr_yandel
以上、月経周期と子宮内膜症(チョコレート嚢胞を含む)のお話でした。詳細な医学的事項はここでは書きません。また、個人の医療相談にもお答えする気はありませんのでよろしくお願いいたします(Twitterで医療相談できるなら病院の外来は全部ネットで済んでしまいます)。

コメント

inatak @inatak 2015年1月13日
離婚とは。。。?
南極の五斗米道改二@ショートランド @sansenhk 2015年1月13日
偽閉経療法は「閉店やで。もうシーツ交換する必要ないで」ってところかな
C.J.グレッグ @cj_greg 2015年1月13日
子宮の月刊誌を「CQ」という。
緑の大地んこ @storong_chinkk 2015年1月16日
やっぱり離婚するところまでいくのかなのツイートをぶち込む編集がセンスない。努力だ
迷子です@いつでもどこでもおひとりさま(•ө•)♡ @masayukimasaaki 2017年2月14日
ヤンデル先生の、まとめを思い出しました…ありがとうございます😉
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