伊藤隼也氏絶賛のブログ記事に対する小児科医の見解

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☘️ながし☘️ @Pnagashi

SCD+ADHDの小児科医・児童精神科医。専門領域は虐待医療と発達障害。 その実態はしがない開業医。いわゆるまちのおいしゃさんです。 自分の仕事を減らすために仕事をする業種。

orangeribbon.jp

ながし @Pnagashi

blogの批判をツイッターでやるのは良い方法ではないのだけど、自分のblogはIDもパスワードも忘れてしまったので仕方がない。 さて、伊藤隼也氏が絶賛している件のblogなんだが、第一印象は「今更の話ばかりだな」である。 この界隈の人たちはいつも周回遅れだ。

2015-01-14 07:19:05
ながし @Pnagashi

まず、文科省が発表している発達障害が6.4%だが、これは医学診断じゃない。医師の診断でも幅があるのだから、況んや発達障害の専門家ではない教師の見立てに幅が出るのはやむを得ない。 そもそも、発達障害の割合は、6.4%から15%くらいと調査によって幅がある。

2015-01-14 07:22:20
ながし @Pnagashi

それから、超基本なのだが、医学的な発達障害と、文科省の決めた発達障害は実は違うものなのだ。 このblog主は、敢えて混同しているのではないか? 伊藤隼也氏は、残念ながら、多分その知識がなさそうだけど。

2015-01-14 07:25:49
ながし @Pnagashi

教員の感覚で答えた、医学診断と定義が異なる発達障害と、医師が一定の基準で診断したうつ病とは異なる。そこを混同している時点で前提がおかしい。 それから、教員が発達障害だと思うかどうかで、投薬の是非は決まらない。あくまでも医学的診断が必要。 これも、基本中の基本。

2015-01-14 07:30:49
ながし @Pnagashi

学年の中で、遅く生まれた子供ほど発達障害診断を受けやすいという統計は寡聞にして聞かない。 医学的診断をする場合、「学年」は加味しないから。見るのはその子の「年齢」である。 「疑いをもたれて医師の診察を勧められる」ならありうるかも知れないが、それは診断ではないからなぁ。

2015-01-14 07:37:02
ながし @Pnagashi

児童養護施設などの公的介入を受けている子、に関しては、母集団がそもそも偏っている。公的介入があるからではなくて、そういう特性のある子が公的な養育に繋がりやすいのだ。 それから、乳幼児期から虐待をうけて、母子分離となるケースでは子供が発達障害「様」の特性を示すことがある。

2015-01-14 07:40:44
ながし @Pnagashi

「発達障害が脳の病気であるとする研究は全て失敗に終わっている」と断言しているが、根拠が知りたい。 fMRIやNIRSで、ある程度の知見は得られているのだが… おそらく、最新の情報に触れていないのだろう。

2015-01-14 07:44:30
ながし @Pnagashi

えじそんクラブが製薬会社の金にまみれているとか、分かりやすい誹謗中傷なんだけど。裁判になったら勝てないんじゃね? 製薬会社から支援されてるからイケないってんだけど、えじそんクラブがバンバン診断してバンバン薬出せと主張したことねーと思うんだ。

2015-01-14 07:49:06
ながし @Pnagashi

疾患概念が、とか向精神薬の薬害が、あたりは食傷気味なので割愛。一言付け加えるとしたら、うまくいくケースの多くは親にきちんとした力があることが多い。 親がダメでも一番しんどい時期を薬で乗り越えて、心理的に親を捨てたらよくなる子もまれにいるけど。

2015-01-14 07:52:53
ながし @Pnagashi

投薬だけでうまくいくことなんかほとんどない。 何故ならば、そこまでの力は薬にはないから。 それから、薬はハサミやナイフと一緒。使い方を誤れば害になる、というだけのこと。うまく使えれば有用な道具なんだよね。

2015-01-14 07:55:14
ながし @Pnagashi

「発達障害概念のよくない点は原因を子供に押し付けて子供を変えようとする」この一文にblog主の不勉強がよく表れていると思う。 発達障害に関わる専門職で、子供を変えようとする人は専門職として未熟。 ま大事なのは環境調整。つまり、子供を変えるのではなく周りを変えるんだよ。

2015-01-14 07:58:38
ながし @Pnagashi

周りを変えた上で、それでも折り合いをつけられないときに、SSTや行動療法、薬物治療などで子供を変える。 まぁ、実際は環境調整と子供へのアプローチは車の両輪となることが多いけど。 文科省も厚労省も「合理的配慮」と言ってるのはそういうこと。

2015-01-14 08:01:41
ながし @Pnagashi

後半部分に関しては、ましな記述もあるけど、そこはすでに現場で実践されてる。 障害じゃなくて特性だろ!とか何周遅れだよ。「特性」という考え方がそもそも発達障害の療育から出てきたものだし。

2015-01-14 08:05:29
ながし @Pnagashi

で、最後に医療としての発達障害概念は突っ込みどころ満載だ、とあるのだが、前半で書かれていたのは文科省の発達障害の統計が教師によってなされているから信憑性がないという話だったはず。 文科省の発達障害概念と、医学的な発達障害概念が違うものであるという前提となる知識がないのだな

2015-01-14 08:08:07
ながし @Pnagashi

こんな感じで、通勤の電車のなかで批判が終わる程度の文章を根拠にテレビに出て、さも知識があるように発言する伊藤隼也氏は人民の敵だと思うよ。

2015-01-14 08:11:31