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劉度 @arther456
◇◇◇◇◇◇◇ ←九十一式徹甲弾
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【デビルサマナー 葛葉あきつ丸vs亡霊戦艦】#6
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(これからSSを投下します。TLに長文が投下されますので、気になる方はリムーブ・ミュートなどお気軽にどうぞ。投下中はTLを余り見ないので、感想・実況などを #ryudo_ss に書いて頂けると、後でチェックして小躍りします。では、宜しければ暫くの間お付き合い下さいませ)
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戦艦大和第一艦橋。大和で最も高い場所であり、戦時にはここで艦長が指揮を執る。すなわち、大和の頭脳とも呼べる場所だ。そこに繋がるエレベーターシャフトの中から、ライオンの顔を持った大鷲が姿を現した。その足には、小脇にゴウトを抱えたあきつ丸がぶら下がっている。 1
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「感謝するであります、アンズー君。力持ちでありますなあ」「ガウ!オレサマ、チカラモチ!ドンナ敵ガキテモ、負ケナイ!デハサラバ!」あきつ丸の持つ管に、アンズーは緑色の光となって戻る。それから彼女は改めて艦橋の内部に向き直った。「さて、そろそろ姿を現したらいかがでありますか?」 2
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呼びかけに応えるように、艦橋が燃え上がった。炎があきつ丸を取り囲む。白い肌にみるみる汗が吹き出てきた。艤装とは別に、彼女の詰襟制服には魔術的な防御が施されている。多少の火では火傷もしないはずだが、それでもこの熱さ。「どうやら……とんでもない悪魔が潜んでいたようであります」 3
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炎の海の向こう側から、一体の悪魔が歩いてきた。全長4mはあろうかという、筋骨隆々とした黒い肌の巨人だ。右手に持つ両刃の剣は、直視できない熱と輝きを放つ炎を纏う。「魔王スルトだと……!?バカな、北欧の巨人が、どうしてこんなところに!?」ゴウトの声が上ずった。 4
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「なるほど。巨人の魔船ナグルファルは、ムスペルヘイムのものでありましたなあ」赤口葛葉を抜きながら、あきつ丸は得心した様子であった。「ラグナロクにおいて天界に侵攻するために、巨人たちが作った神界最大の魔船、ナグルファル。それに同じ巨人のスルトが乗るのは、自然でありましょう」 5
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「……そうか!この大和をナグルファルに見立て、召喚の触媒としてスルトを呼び出したのか!」「でしょうな。しかしラグナロクの炎を大和の動力源にするとは、相当肝の据わったサマナーがいる様子。一体何者でしょうや?」スルトの目を見つめ、あきつ丸は問いかける。 6
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「聞く耳無し、語る口無し。我は破滅の炎、汝ら全てを滅却するのみ」重い口から発せられたのは、拒否の言葉。尤も、最初から答えは期待していなかった。この大和をどうする気かは知らないが、ここでスルトを倒して止めなければろくでもない事になるのは想像がつく。 7
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スルトを倒す。その行動を意識した途端、冷や汗が流れた。「やれるのか、あきつ丸?」「やってみるのであります」彼女の力で一つの神話に終わりを告げる魔王を討てるのか。生唾を飲み込む音が、頭の中に響く。その時であった。「どうやら……助けが必要なようだな?」 8
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やや低い女性の声に、一同の視線が集まった。艦橋の窓枠に、一人の女性が仁王立ちしている。「武蔵殿!」「異様な気配がしたから来てみれば、大物がいるみたいじゃないか」艤装と服の所々が壊れているものの、武蔵の声はまだまだ余裕そうだった。「下の兵士は?」「全員殴り倒した」 9
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その言葉に偽りはない。艦橋の下ではヨミクグツ2個小隊、25mm三連装機銃21基、12.7cm連装高角砲4基、15.5cm三連装砲1基がまとめて残骸となっていた。恐るべきは武蔵の戦闘力、たった一人で大和を半壊せしめたのだ。「コイツを倒せばいいのだな?」「ええ」 10
劉度 @arther456
あきつ丸が刀を、武蔵が拳を構える。ゴウトは巻き込まれないよう、少し離れた物陰に隠れた。「軍艦一隻増えれども、世界諸共焼き尽くすのみ」スルトの気迫が強まるだけで、周囲の炎が一層燃え上がる。この熱さの中、長期戦は不利。一気に畳み掛けるしかない。 11
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「ジュボッコ!」あきつ丸が管から悪魔を放った。光の中から現れたのは枝にドクロを引っ掛けた老木の妖怪だ。「なんじゃいサマナー、老人づかいが……あっつ、熱いぞい!?」「申し訳ない。氷結魔法による援護をお願いするであります」「も、燃ええええ!」流石に辛そうだ。 12
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「行くぞっ!」ジュボッコの態勢が整う前に、まず武蔵が踏み込んだ。横薙ぎに振るわれた炎の剣を掻い潜り、ボディーブローを放つ。「ぬうっ!?」だがスルトの腹筋は武蔵の拳に耐えた。北欧の神々と一線を交えた巨人の筋肉は伊達ではない。逆にスルトの剣が武蔵に振り下ろされる! 13
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「ちいっ!」武蔵は炎の刃を腕で受けた。巨人の剣といえど、40cmの鋼鉄板相当の防御を断ち切ることは不可能!「ッ!?」だが、武蔵は受け止めた剣から慌てて飛び退った。腕を見れば、刃が当たっていた部分が黒く焼け爛れている。切り傷ではない。「溶けたか……!」 14
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鉄の融点はおよそ1500度。ラグナロクをもたらすスルトならば、その程度の炎は容易に創造できる。「無傷で倒せる相手ではない、か」再び武蔵は拳を構えた。小刻みにステップを踏む、ボクシングスタイルだ。スルトが剣を振り上げ、武蔵に迫る! 15
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パァン!鋭い破裂音の後、スルトが怯んだ。左肩が凍っている。「準備完了であります!」あきつ丸の銃撃だ。彼女の銃は通常の銃弾だけでなく、魔力を込めた特殊弾を放つこともできる。スルトの肩を凍らせた、氷結弾もその一つだ。あきつ丸は更に連射、氷の礫がスルトを襲う! 16
劉度 @arther456
「ルォォォッ!」スルトが吠える。雄叫びは炎となり、あきつ丸に一直線に迫る!あきつ丸はこれを前転回避!「改めて、ジュボッコ!」「任せい!」ジュボッコの枝がザワザワと揺れたかと思うと、突如猛吹雪が艦橋に吹き始めた。周りの炎が見る見るうちに収まっていく。 17
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炎が収まると見るや、あきつ丸は刀を抜いてスルトに突進!「たああっ!」スルトの顔面めがけ振り下ろす!ギィン、と刃と刃が打ち付け合う音。炎の剣で刀を止めたスルトは、力任せにあきつ丸を押し戻す!「隙有りっ!」そこに武蔵が飛び込む!スルトは蹴りで迎撃! 18
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だが武蔵は蹴り足を回りこみ、脇腹に拳を打ち込む!「小癪!」ズン、と地響きを立て蹴り足が降りる。そしてスルトの手が武蔵に振り下ろされる!これをステップ回避した武蔵は、反射的に拳を突き上げる。狙いは、武蔵を殴ろうとしたことで上体を屈めた、スルトの顔面! 19
劉度 @arther456
ゴッ、と鈍い音がしてスルトの上体が仰け反った。アッパーが鼻柱を叩き折ったのだ。「チャンスじゃぞ、サマナー!」「合点承知の助、であります!」あきつ丸とジュボッコの魔力が同調、彼女の持つ刀に吹雪の魔力が集まっていく。あきつ丸は大上段に刀を構え、矢の如く突撃! 20
劉度 @arther456
「てえええいっ!」気合一閃、振り抜かれた刀はスルトの巨体を切り裂いた。魔力の冷気が体内に流し込まれ、炎の巨人の体を内側から凍らせていく!「ぐ……ぬ……」スルトが、呻く。「温いッ!」そして吠えた。巨人を中心に爆発が起き、世界が再び炎に包まれた。 21
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