私が信じた義弟の真実

オオオオトリ @method_ootori

５冊目。「ジョジョの奇妙な冒険　スティール・ボール・ラン１３巻」 言わずとしれた超人気漫画「ジョジョ」。その第７部となるＳＢＲより、１３巻の紹介です。　（続く）

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（続き） このＳＢＲ１３巻。数あるジョジョの中でもひときわ異彩を放っています。それはやはり「ウェカピポの妹の夫」通称「義弟」の存在ゆえでしょう。 愛する妻と幸せな家庭を築いていた義弟。しかしそのありふれた幸せはある男によって壊されてしまうのです　（続く）

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（続き） そう、その男とは義弟の妻の兄であるウェカピポなのです！信じられますか皆さん！？妹の幸せを願うはずの兄が！その妹の幸せを奪おうと言うのです！！私はこのシーンを見たとき怒りで打ち震えました…なぜそんなことをするのかと！しかしそこにはウェカピポの勘違いがあったのです　（続く）

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（続き） ある日妹の様子を見に来たウェカピポは顔中にあざを作った妹を発見します。夫からのＤＶであると早合点したウェカピポは、「勘違いなのです。悪いのは私なんです」と泣きつく妹を無視し、あろうことか法王への根回しにより義弟と妹の婚約破棄を取り付けたのです　（続く）

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法王への根回しという悪辣極まりない手段で夫と妹のなかを引き裂いたウェカピポの行動は当然義弟の逆鱗に触れます。「お前の妹はなあ･･･ウェカピポ。いい女だったんだよ」と妻への愛情を訴える義弟ですがウェカピポは聞く耳を持たず別れてもらうの一点張り。　（続く）

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穏便に済ませたいと思っていた義弟もこの狂人相手に交渉の余地は無いと気づき、最後の手段である「決闘」を申し込みます。根回しをしたとはいえ明らかに不当なウェカピポの行動。一方的に首を撥ねることもできた義弟ですがこのウェカピポにすら慈悲を与えたのです！！

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明朝。ウェカピポとの決闘において義弟は祖先から受け継ぐ誇りである「鉄球」を取り出します。そうして互いに鉄球をぶつけ合う２人。あまたのジョジョファンからも作中最強キャラといわれてやまない義弟。勝負は明白。…のはずでした　（続く）

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しかしその結末はウェカピポの勝利。人間賛歌をうたうジョジョにおいてまさかの邪悪の勝利。私は涙に暮れました･･･何故だ、何故だと。そうして涙を流し続けているうちに気づいたのです。義弟は自ら死を選んだのだと　（続く）

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ＤＶなどというのはウェカピポの妄想が生んだ事実無根のできごとです。しかし実際、不慮の事故により妻の片目が失明してしまったのは事実。義弟はこう考えます「俺のもとにいないほうが妻は幸せになれるのかもしれない」　（続く）

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妻を愛するがゆえに別れたほうがいいと考える義弟。しかしまた愛ゆえに離れることができないのです。行き場を失い、どうすることも出来ない義弟。残されたのは自分の存在を消し去るという選択肢のみでした。この事実に気づいたとき私はまた涙を流しました…こんな、こんな愛情があるのかと…　（続く）

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義弟はあえて鉄球を外し、自らウェカピポの鉄球に当たることによりその生涯を閉じました。そこには真の愛があり、また限りなく高い誇りが「人間賛歌」の心があったのです。　（続く）

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まさに聖人ともいえる義弟の行動。しかし義弟とて神ではありません、間違いを犯すこともあるでしょう。 義弟の行動は真に妻を思ってのことでした。それでも私は自分を、妻を信じ、ウェカピポを打ち倒すことこそが彼の取るべき道だったと、そう思えてならないのです･･･　（終わり）