駆逐艦「電」　第二の衝突事故

清新明朗な加賀内閣 @hirataitaisho

昭和10年3月8日第二水雷戦隊報告　狭霧と敷波　電と旗風　触衝事故　Ref.C05034647100 昭和10年2月28日第一航空戦隊報告　旗風と電　触衝事故　Ref.C05034646800

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このときは同時に２件の衝突事故があって、二水戦報告書はその件。 一航戦報告書は、うち１件が一航戦所属のトンボ釣りだった第五駆逐隊のもらい事故なので、それについて。　#まとめ用

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2月27日、第二艦隊は有明湾（志布志湾）で演習中。　 鳥海（旗艦）と第四戦隊（高雄型） 第五戦隊（青葉型） 二航戦（赤城）とトンボ釣りの第二駆逐隊（沖風、峯風） 二水戦（神通）と6駆、10駆、19駆、20駆 #まとめ用 pic.twitter.com/XQAmDeD7NR

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第二水雷戦隊の内訳は 神通（旗艦） 第六駆逐隊　　響　雷　電 第十駆逐隊　　漣　狭霧　暁 第十九駆逐隊　綾波　敷波　浦波 第二十駆逐隊　東雲　吹雪　磯波 この時期、特型の駆逐隊は４隻ではなく３隻編成で運用していた。 #まとめ用

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同じ日、第一航空戦隊が別府から有明湾へ移動中であることが報じられている。 龍驤（旗艦）と鳳翔。トンボ釣りの第五駆逐隊（松風、朝風、春風、旗風）　#まとめ用 pic.twitter.com/2LPHhDWdfw

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一航戦は第一艦隊所属なのだけれど、この日は一航戦だけが本隊と離れて有明湾へ向かい、第一艦隊本隊は宿毛へ出て演習している。この年の第一艦隊（兼連合艦隊）旗艦は山城。　#まとめ用 pic.twitter.com/d4KzCpUVfP

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（神通日誌　Ref.C11084154800 ） 2月27日午前、一航戦が有明湾に来る。 この年の一航戦は、龍驤に春風と松風、鳳翔に旗風と朝風がついていたらしい。　#まとめ用 pic.twitter.com/wS9SbW2LlD

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2月28日、夜中の午前2時代から第二艦隊は夜間訓練を開始。なお、一航戦は第一艦隊の所属なので、この訓練に参加していない。 3時20分頃、二水戦旗艦神通は配下駆逐艦の2件の衝突事故を把握する。　#まとめ用 pic.twitter.com/adTPzX7zaa

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2月28日深夜、二水戦と一航戦の位置関係（艦名等は自分が記入）　#まとめ用 pic.twitter.com/FTHdYDjSFH

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出動状況としては、まず神通が龍驤と枇柳島の間を通って外に出て、各駆逐隊がそれに続こうというもの。演習のため、二水戦の各艦は無灯火。ただし、龍驤の後方と枇柳島周辺に集魚灯（かがり火？）をつけた漁船群が存在している。 この夜の天候は快晴で、波も穏やか。　#まとめ用

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第六駆逐隊は響を先頭に、はじめ一航戦の外側を回り込もうとしたようだが、途中で神通との距離が離れたのを気にして、第五駆逐隊の停泊している列を横切る行動に変更する。　#まとめ用 pic.twitter.com/BGUVabiu6k

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ここで六駆司令（響）からは五駆の3番艦（朝風）と4番艦（旗風）の間を通るよう指示したが、電（艦長：有賀幸作）は2番艦（春風）と3番艦（朝風）の間を通ると誤解した様子。（響と電の報告書でその部分の記載が異なる）　#まとめ用 pic.twitter.com/HMIcYTHi6O

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午前3時13分ごろ、響・雷・電の順で朝風・旗風の間を通過しようとしていたところ、電は旗風との衝突コースに入っていることに気づく。有賀艦長は取舵で回避しようとしたが、操舵手が面舵と間違えて右に転舵。15分ごろ、電は旗風の艦首あたりへほぼ直角に衝突する。　#まとめ用

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同じ時間、龍驤の後方付近で第十駆逐隊・狭霧と第十九駆逐隊・敷波が衝突する。 神通からの指示では駆逐隊番号順に動くことになっていたが、図のように十駆旗艦・漣の位置が神通より遠く、十九駆旗艦・綾波が近い。　#まとめ用 pic.twitter.com/HXMAFtzhkh

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このため十駆の移動距離が長くなり、短い距離を移動してきた十九駆とちょうど鉢合わせる格好になってしまったらしい。 なお、繰り返すと当時は無灯火。ただし報告書は、漁火が「目眩まし」のようになっていたとしている。　#まとめ用

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3時16分ごろ、敷波は漁火と龍驤の夜間灯の間から、突如無灯火の艦艇が出現したのに気づく。右に回避しようとして面舵、次いで後進一杯を下達。 一方狭霧側は、右に停泊している龍驤と付近の漁火、　#まとめ用 pic.twitter.com/095n9kXm5W

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3分ほど前に気づいた無灯火の艦（綾波）の存在に気を取られ、こちらも第二の無灯火艦（敷波）に気づくのが遅れた。狭霧は左にかわそうとして取舵。敷波・狭霧は向かい合う格好となる。　#まとめ用

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18分ごろ、敷波の艦首が狭霧の側面に接触。その後両艦は艦の側面どうしを反航で擦り合わせる状態になり、19分、接触が終わって停止。ただちに隊旗艦・綾波に事故通告が出され、綾波は航海灯を点灯させる。21分、神通が2件の事故を把握。　#まとめ用

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3時30分ごろ、神通が事故現場に到着して調査開始。無事な駆逐艦は先任指揮官の指導の下に、艦隊の訓練へ向かわせる。 調査の結果、沈没に至るような大きな損傷ではないものの当然修理が必要で、電・狭霧・敷波は呉へ帰投することに。　#まとめ用 pic.twitter.com/GTFlCG32EQ

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さて、二水戦司令官や各駆逐艦の艦長氏たちは、それぞれ自分の指示の不適切さや周囲の状況に気を取られたこと等を口々に「恐懼に耐えず」と謝罪することになるが、事故をもらった格好の一航戦（第五駆逐隊）側報告書はというと「結果オーライ」的なことを書いていて、ちょっと面白い。　#まとめ用

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電に当てられた旗風のほうでは、事故直前に「総員起シ」をかけたが停泊中ゆえどうしようもなく、艦首付近の側面へ衝突され、第一防水区画に1,520トン浸水する。　#まとめ用