小野昌弘氏の「放射能恐怖という民主政治の毒」を読んで 高嶌さんの見解(2015.1.19)

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TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

この点を飛ばして,みんなの問題であると述べても,被害者の多くは納得しないでしょう。

2015-01-19 20:59:02
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

ちなみに,小野さんは「法の支配」という言葉でこのことを説明されていましたが,専門用語としての「法の支配」は,権力者を縛るための概念であり,この背景で用いるのは適切ではありません。

2015-01-19 20:59:21
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

次に,小野さんは,次のように「放射能おばけ」の実例を挙げておられます。

2015-01-19 20:59:46
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

「ネット上には放射能おばけがいる。『どんなに少ない放射線でも人体に影響がある』『放射性物質は人体に入ったら内部被曝として二度と出てこずにいつまでも細胞を破壊しつづける』『内部被曝は少ない量でもやがて白血病・がん・先天奇形を引き起こす』『東京の汚染は深刻である』(続)

2015-01-19 21:00:16
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

(承前)ー誰しもこうした記事や警告を目にしたことがあろう。科学的知識が十分でないままこの考えに取り憑かれたら、大抵のひとは低線量放射線および内部被曝に対する無限の恐怖を持ってしまうだろう。 」

2015-01-19 21:00:25
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

これを読むと,ネット上に見られる上記4つの記事や警告が,小野さんの言う「放射能おばけ」の例であることが分かります。そこで次に,これら4つの言明の内容を詳細に検討してみましょう。

2015-01-19 21:00:52
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

放射能おばけその(1)「どんなに少ない放射線でも人体に影響がある」

2015-01-19 21:01:37
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

→私見では,「少ない量」という表現が定量的でないので,この言明だけでは真偽について何も言えないと思います。

2015-01-19 21:02:01
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

逆に,この言明を「おばけ」と言い切るためには,どの程度の放射線ならば人体に確定的ないし確率的影響があるのかのある程度明確な判断基準がなければならないはずですが,この点を氏はどのように理解されているのでしょうか。可能であれば,ご教示いただければ幸いです。

2015-01-19 21:02:33
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

放射能おばけその(2)「放射性物質は人体に入ったら内部被曝として二度と出てこずにいつまでも細胞を破壊しつづける」

2015-01-19 21:02:57
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

→これも抽象的な言明なので具体的に考えてみます。例えばプルトニウムが肺に吸い込まれ,吸い込んだ人の生存期間が100年と仮定した場合,上記の言明は正しいのでしょうか,間違っているのでしょうか。間違っているとすれば,どの点が間違っているのでしょうか。

2015-01-19 21:03:33
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

放射能おばけその(3)「内部被曝は少ない量でもやがて白血病・がん・先天奇形を引き起こす」

2015-01-19 21:04:01
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

→私見では,「少ない量」という表現が定量的でないので,この言明だけでは何も言えないと思います。他方,少なくとも,一定量以上の内部被曝が白血病やガンの原因になりうるということは専門家の間で認められているように思われますが,私のこの理解は間違っているでしょうか。

2015-01-19 21:04:23
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

専門家がこの点を認めているとすれば,どの種類の放射性物質が,どの程度の量,どのような形で人体に取り込まれたら(呼吸か食事かなど),どのような疾病の発生率が,どの程度上昇するのでしょうか。これらのことを確定的・定量的に明言できる専門家は,現時点でそもそも存在するのでしょうか。

2015-01-19 21:04:41
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

もしこのようなことを明言できる専門家が存在しないとすれば,上記言明がおばけかどうかは,だれがどのように判断するのでしょうか。

2015-01-19 21:05:05
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

放射能おばけその(4)「東京の汚染は深刻である」

2015-01-19 21:05:28
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

→この言明も,「深刻である」が定量的ではありませんし,東京のどの場所なのかによっても変わってきます。従って,この言明だけでは真偽について何も言えないのではないでしょうか。

2015-01-19 21:05:55
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

もう少し具体的に見てみましょう。文科省のサイトによれば,数年前のモニタリング時点で,少なくとも東京西部には,Cs134とCs137による土壌汚染が併せて30k-60KBq/平方メートルの地域が存在します(山岳地域の一部には60k-100KBq/平方メートルの場所も存在します)。

2015-01-19 21:06:06
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

このレベルの土壌汚染がある場所で,子どもが毎日1時間砂遊びすると仮定した場合,その子どもの身体,生命,健康に将来何らかの影響が出る可能性はあるのでしょうか。あるとすればどの程度なのでしょうか。これらの点を明らかにして初めて,上記言明が「放射能おばけ」かどうかが判断できるはずです。

2015-01-19 21:07:37
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

さらに,氏は次のように続けられます。

2015-01-19 21:07:53
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

「少し冷静に考えれば、ほとんどの人に影響を与えないレベルで決められた法的上限値より小さな放射線被曝量で、こうした過酷な障害が多発することはおよそ考えにくい(特に、公衆の被曝量は、原発労働者のものよりも低く設定されていることに注意)。(続)

2015-01-19 21:08:22
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

(承前)なぜなら、放射線による生体効果は閾値…がないとはいっても、物理的作用である以上、基本的にはより少ない量ならば、多い量に比べればより安全であるはずだからだ。年齢や妊娠による感受性の違いは存在するが、それらを考慮しても、現状は過剰なまでに恐怖を煽るような状態ではない 。」

2015-01-19 21:08:52
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

→この箇所でも,小野さんは具体的・定量的な話を一切されていないのが気になります。

2015-01-19 21:10:23
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

まず,「ほとんどの人に影響を与えないレベルで決められた法的上限値より小さな放射線被曝量」についてですが,公衆の被曝量の上限値(年間の追加被曝の実効線量1ミリシーベルト)を定めていた根拠法令はご存じでしょうか。

2015-01-19 21:10:39
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

そして,その法令に従うとすれば,現時点でもなお少なからぬ地域が当該上限値を大きく上回ることはご存じでしょうか。  この点についてもし私が間違っていなければ,氏の上記言明は,そもそも前提となる事実を間違っていることになります。

2015-01-19 21:11:04