不知火に落ち度はない 30(不知火)

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はじめに

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

では、早速落ちぬいを開始します。 おそらくは昼ごろまでに中断を挟むケースになると思います。 どうぞよろしくお願いします。 そして今回は不知火回! ヒロイン回です ぬい! ぬい!! #落ちぬい

2015-01-22 03:46:10

本編

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「司令。だいぶ髪が伸びていませんか?」 結局話を切り出せずに居る、ぐだぐだした日常業務の中。 不知火がそう口にした。 お? 言われみれば。 耳にかかる髪の毛が最近だいぶ気になる長さになっていた。 なお、今日の深海棲艦指数は11。安全領域である。 #不知火に落ち度はない

2015-01-22 03:50:01
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「ロン毛だとモテると思うか?」 「イケメンという条件を乗り越えられるとお思いでしょうか」 つうこんのいちげきがふるわれた。 何この子容赦なさすぎなんですけど。 モグリの髪の毛に関して言及してほしいと思う。 多分あいつも血を吐いて倒れるはずだ。 #不知火に落ち度はない

2015-01-22 03:51:59
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「不知火はイケメンだから伸ばしてるのかー」 「バケツの水で頭を冷やしますか?」 絶対零度の言霊頂きました。 ありがとうございます。 「ぶっちゃけ伸びてるのは知ってたけど、切りに行く時間がなあ。不知火はどうしてるんだ?」 「陽炎に切ってもらってます」 #不知火に落ち度はない

2015-01-22 03:56:06
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

え、なにそれ。美容室陽炎なの? 今度ちょっと見てみたいそれ。 昇天MAX大銀河ドリル盛りだっけか? そんな面白不知火とか最高じゃん。 「何か不愉快なことを考えていないでしょうか?」 「考えるのは自由だろ」 「肖像権の無断使用です」 え、有罪なん? #不知火に落ち度はない

2015-01-22 03:58:12
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「同室のよしみなのもあって、互いに切ってます」 お、なるほど。 女の子だねー。 いいねー。 そういや、俺も昔同室だったころ、モグリの髪の毛切ったっけなあ。 朝起きてドッキリ、バリカンでマルガリータだったが。 代わりに眉毛そられた俺惨状。 #不知火に落ち度はない

2015-01-22 04:00:15
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「黒潮はどうなん? あのおこちゃまスタイルの髪の毛」 「本人が聞いたら怒りますが伝えますか?」 やめて。 あいつも怒らせると洒落になんない。 「黒潮はしっかりしてるので自分で整えてます」 わーお、しっかりもの。 そいやうちはそういうの多そうだな。 #不知火に落ち度はない

2015-01-22 04:04:25
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

ってことは、理容店とかが近隣にないこの基地ってのは、あんまよくねーのかもな。 艦娘のケアの一面として、髪型の自由も与えぬとはけしからん、って。 いや、だからってアフロでやられても困るけどな。 陸奥とか超似合いそう。ソウルフルなボンバーヘッド。 #不知火に落ち度はない

2015-01-22 04:07:54
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「陸奥とかどうしてんだろうな、あの髪の毛」 「おそらく長門さんがやっているのではないでしょうか」 あ。 うん。 言われてみれば、そうな。 あー、ダメだダメダメだっつの俺。 記憶の蓋がコンニチハしちゃいけません。 ひかえおろう。 #不知火に落ち度はない

2015-01-22 04:10:10
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「長門さんはきれいな髪をしてますね」 「野生生物の毛だかんな。自然ああなるんだろ」 メスゴリラの毛並みはいつもつやつやです。 毛並みにうるさいジャングル生まれだもの。 「司令はぼさぼさですが」 「ワイルドだろ?」 「無職のキタローですか」 ひどい。 #不知火に落ち度はない

2015-01-22 04:12:33
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「じゃ。髪型に一家言ありそうなそこの不知火さんや」 「何でしょうか司令」 「髪、切ってくんね?」 はあ? と不知火が首を傾げた。 いや、別に流れとして不自然なことはなかったと思うが。 「不知火が、司令の髪の毛を、切るのですか?」 「おう。要請だ」 #不知火に落ち度はない

2015-01-22 04:16:38
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「業務はどうしますか?」 「本日の予定ならとっくに終わってるだろ、明後日のぶんまで持ってきてる」 実はそうなんです。 近頃スムーズに書類決済が進んでてな。 「出撃がある可能性は」 「本日の指数じゃまずねーよ。お休みだ」 「不知火は──」 ん? #不知火に落ち度はない

2015-01-22 04:18:41
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「不知火は男性の髪の毛を切ったことがありません。予想外のトラブルに見舞われる可能性があります」 お。もしかして不知火、こりゃあれか? おいおい、無敵の秘書艦殿、そいつは可愛いところだな。 「信頼してる。少々のトラブルは容認すっから頼むわ」 #不知火に落ち度はない

2015-01-22 04:20:01
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「了解しました。少々お待ちください司令」 「ん? なんかあったか?」 「まさか業務用の紙用はさみで髪の毛を切るつもりですか?」 お、そいやそうだったな。 枝切り鋏でちょっきんしちゃったりするのは、野郎だけだった。 「了解、準備頼む」 #不知火に落ち度はない

2015-01-22 04:23:01
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

そうして司令室から不知火が出て行くその間際。 「~♪」 ん? 今なんかメロディが聞こえたな? いや、聞き間違いか。ディスプレイの中の画面にそんなの出てこない。 鼻歌? いや、まさかなあ。 あの不知火だぞ? ねえだろ。 #不知火に落ち度はない

2015-01-22 04:27:38
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

それからしばらく後。 そこにはジーンズエプロンを装備し、何故か頭にバンダナを巻いた不知火がいたのである。 その胸にはハサミが二つ。 「おいおい、随分本格的だな」 駅前で見た1000円カットの店員みてえ。 もしかしてカタチから入るってあれかな? #不知火に落ち度はない

2015-01-22 04:31:39
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

などとツッコミ入れる暇もなく、するーっと俺の首にタオルが巻かれ。 さらにビニールシートに発泡スチロールのわっかがついた感じの、カット用器具がセットされた。 なるほど、手馴れてる。 いつも身だしなみが整ってるわけだぜ。 「それでは始めます」 「おう」 #不知火に落ち度はない

2015-01-22 04:34:14
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「どのくらい切りますか?」 「耳に掛からない程度。あとコイツが自然に隠せるぐらいな」 髪の毛を上げて見せる。 ここだけは外せないのだ。 お偉方にせよ、一般市民にせよ。 こいつを見せるにはちとグロレベル高いからなー。 床屋の兄ちゃんも困るんだこれ。 #不知火に落ち度はない

2015-01-22 04:37:15
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「了解です」 すると、ざくーっと一気に髪の毛がばっさり切り落とされる。 なーんてことはなく、しょきしょきと、慎ましやかに動くハサミ。 遠慮してるのかどうかわからないが、手並みは鮮やかである。 手が髪の毛を摘んでは、そこをハサミが静かに切り落とす。 #不知火に落ち度はない

2015-01-22 04:39:12
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「上手いな、不知火」 「当然です」 ぴく、と手が一瞬止まった。 なんだ緊張してるのか。 目の前に鏡がないのが残念だ。 どんな顔して切ってるか見てみたいな。 しょき、しょき、しょき 手袋を外してるからか、触る手から不知火の体温が伝わる。 #不知火に落ち度はない

2015-01-22 04:41:44
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

ややひんやりとしたそれは、実に心地よい。 「手。結構冷えてんだな。別に手袋してやっていいぞ」 「お気遣い無用です。元からですので」 そりゃ悪かった。 「冷え性なのか?」 「そうでもありません」 緊張してるからか、どうでもいい質問でも答えた。 #不知火に落ち度はない

2015-01-22 04:43:39
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「そいや、不知火が秘書艦になってからどんだけだっけな」 「かなり長いと感じてます。数年、でしょうか」 なるほど、不知火の感覚ではそうなのな。 「大変だったか?」 「今でも大変です。司令の面倒見が」 手の掛かるガキか俺は。 #不知火に落ち度はない

2015-01-22 04:47:02
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