友達の心象世界を覗いてきた。

俺と友人がファミレスでした心象世界の冒険記録。 蛇足と説明不足が多いし、長い。 自分用にまとめたけど、多くの人に見せたくなったので。 友人にはバレたら謝る。
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cman@null @cman1dovob_TRPG

友達の心象世界を覗いてきた。 そこは明るくもなければ暗くもなく、ただ静かに海が凪いで、その海に自分は漂ってるそうだ。 海の底には何か大切な箱のようなものがあって、それが壊れてしまいそうだから、絶対波を立てたくない。 海底井戸に住む、波を立ててる存在は、それがすごく怖いらしい。

2015-01-25 20:50:22
cman@null @cman1dovob_TRPG

その状態だと、すごく静かで、穏やかで、なにも考えずに済む。何も感じず、落ち着いた気分になる。感情が高ぶらなければ、波は立たない。 でも波を司る「イド」は、「考えや知性、それから生まれた感情は、人間の象徴だ」って考えてて、それを捨てず人間で在りたいと思う。その気持ちが伝わってくる。

2015-01-25 21:02:55
cman@null @cman1dovob_TRPG

漂ってる内は良いけれど、そこから出た時、ごちゃごちゃになって、すごく怖くなるんだそうだ。 イドは人間で在りたいから海……「スーパーエゴ」を消したくて、波を立てる。 スーパーエゴは、「大切な箱」を傷つけられなければ消えないらしい。だからイドは箱を狙うし、スーパーエゴは箱を守る。

2015-01-25 21:07:02
cman@null @cman1dovob_TRPG

その箱はなんなのか、と聞くと、「わからない。検討もつかないし、心当たりもない。」と、辛そうに言う。 だから、ちょっと、一緒にその世界を探索してみた。 といっても、俺は言葉を掛けて話を聞くだけなんだけど。 まず、明らかにカギはその箱だろう。だから、箱が何なのかを探ろうと思った。

2015-01-25 21:12:06
cman@null @cman1dovob_TRPG

まず、海底にあるらしい、と聞く。 潜って触れないのか、と聞くと、「潜れないと思う。スーパーエゴが守ってるから。触ったら傷つける」というように答えたと思う。 恐らくクレーンか何かでも傷つくだろうと思ったので、こう聞いた。 「例えば、海底から出た泡で優しく包んで上がってきたらどう?」

2015-01-25 21:20:45
cman@null @cman1dovob_TRPG

「……それなら、傷つかないと思う」と答えた友人は、その大切な箱を見たこともないらしい。 見たら思い出すんじゃないか、と思って、「それは見れるかな?」と聞くと、「無理だ、波が邪魔する」と。 波を立てるのはイドだったはずだけど、思っていると「スーパーエゴが見せてくれない」と。

2015-01-25 21:24:51
cman@null @cman1dovob_TRPG

理由を聞くと、「それをすごく大事だと思ってる。ずっとそこに、側に置いておきたいと思ってる。見られたら奪われるかもしれない」と答えた。 なら、盗らない、奪わないと約束して見せてもらえばいいんじゃないか。 「○○くんさぁ、自分との約束って守れる?」 「……守れる方だと思う」

2015-01-25 21:31:12
cman@null @cman1dovob_TRPG

「なら、スーパーエゴからは信頼されてるよ。『絶対とらない』って約束して、見せてもらえないかな」 「……やってみる」 そう言って額を手のひらで覆い隠した友人は、少しの沈黙のあと、「……あぁ、うるさい……」と、苛立ち混じりに呟いた。

2015-01-25 21:36:07
cman@null @cman1dovob_TRPG

「ざわつく。波が静まらない。イドの笑い声が聞こえる。イドがうるさい」と言う友人は心底うんざりしているようだった。 イドがその話の邪魔をする? 何のために? 友人の話では、イドはスーパーエゴと同じく箱の中身を知っているらしい。

2015-01-25 21:41:38
cman@null @cman1dovob_TRPG

「うるさくて話にならない。笑い始めたらスーパーエゴは無反応になった。イドが正気かどうかも怪しい」 色々と聞いていく。そのうち、どの質問かにこう答えた。「イドのせいで箱を見せてもらえないのかな?」だったか。 「いや、箱の近くには居るんだ」 マジか。急な場面転換だった。

2015-01-25 21:47:32
cman@null @cman1dovob_TRPG

詳しく聞くと、箱が上がったのではなく、海底にいるそうだ。何かのトリガーを引いたんだろう。 改めて状況を整理する。海底に友人の自我、エゴがいて、目の前には箱のようなもの。回りには笑い続けるイドと無反応のスーパーエゴ。

2015-01-25 21:53:29
cman@null @cman1dovob_TRPG

ここが正念場な気がした。 まず、スーパーエゴ。これは、聞いても無反応で無言を貫くから放置。 残るのは笑いっぱなしのイドと、箱。 イドは多分、今の時点じゃ話にならない。 せっかくゴールがあるんだから、それをまず見よう。 「箱って、どんな感じ? 中に何が入ってると思う?」

2015-01-25 22:03:00
cman@null @cman1dovob_TRPG

「人型の人形なら入りそうな、大きい箱だ」 ずいぶんと具体的に答えた友人に、「中のものって、どんな風だと思う?」というようなことを聞いたと思う。 「……いずれなくなりそう? ……多分、それを今の内に大事にしようとしてるのがスーパーエゴで、どうせ無くなるから壊そうとしてるのがイドだ」

2015-01-25 22:11:00
cman@null @cman1dovob_TRPG

少しのきっかけだけで良かったんだと思う。 鍵が開いたみたいに、色んな情報が出てきて、核心に近づいたと思った。 「理想より大事なんだと思う。それは」 「んー……理想より、優先される?」 「……というより、それがないと理想になれない気がする」 「……なるほど」

2015-01-25 22:15:14
cman@null @cman1dovob_TRPG

聞くに、理想より大事なのは、スーパーエゴの考え方らしい。 では、イドは? 「……んー。 えっとさ、イドはまだうるさいよね」 「うん」 「それを見て、どう思う?」 「まぁ、正直、楽しそうだとは思うよ」 「楽しそう?」 「……いや……諦め? うん、諦め」

2015-01-25 22:23:39
cman@null @cman1dovob_TRPG

あんまり、要領を得ない。 「諦めてる。 どうせなくなるんだって」 「……でも、楽しそうだと思うんだよね?」 「いや、空元気っていうか……」 「……楽しそうに振る舞おうとしてる、ように見える?」 「あぁ、そう。うん。」 「……イドを見て……どうしたい? どうしてあげたいと思う?」

2015-01-25 22:27:38
cman@null @cman1dovob_TRPG

「考えを、知りたいと思う」と、そう友人は答える。 イドと話せばいいのかな、と思ったけど、「……知るためには、どうすればいいかな?」と、そう聞いた。 友人は「箱を見るしかないと思う」と、予想とは違う答えを出した。

2015-01-25 22:29:48
cman@null @cman1dovob_TRPG

「……それしかない、って、感じる?」 「うん、箱を見るしかない」 この友人は、いつも煮え切らない態度を取るのだけど、この時はしっかり言い切っていた。 そこまで言うんなら、きっとそれしか方法はないんだろうな。と思っていると、今まで「いらない、いらない」と言っていたイドが声を変えた。

2015-01-25 22:34:25
cman@null @cman1dovob_TRPG

友人が唐突に口を開く。「……知れば、辛くなるって言われた」 この時、イドは初めてちゃんと言葉を喋ったんじゃないだろうか。 「後悔するって、中を見ずに捨てろって」、というような事を言っていた気がする。 これを引き出した時、俺は笑ってたと思う。

2015-01-25 22:38:04
cman@null @cman1dovob_TRPG

やっぱりそうなんだな、と。 不良が猫を拾っている姿を見たような気持ちだった。だって、友人の、自我のことがどうでもいいなら。 「どうして、知れば辛くなるなんて言うんだろう?」 「○○くんのことどうでもいいなら、何もいう必要ないよね?」 「……確かに」

2015-01-25 22:40:31
cman@null @cman1dovob_TRPG

「イドも中身を知ってるんだよね」と、そう聞いて、その中身は、イドにとっても、そして、自分にとっても大事なものだと思う、と、友人に言われる。 「……同じ気持ちを味わってほしくないんじゃない? 無くなるって知って、イドは辛くなったから」 「……あ、黙った」 「図星か」 「かもな」

2015-01-25 22:44:14
cman@null @cman1dovob_TRPG

少し笑ってから、友人に聞いた。 「……で、どうする? ……どうしたい?」 目の前には箱。 スーパーエゴもイドも黙って、文句は誰も言わない。 君は、スーパーエゴにもイドにも箱にも触れるし、何もしない事もできる。と。 まぁ、TRPGプレイヤーの性だから、カッコつけるのは仕方がない。

2015-01-25 22:47:16
cman@null @cman1dovob_TRPG

超自我にも無意識にも左右されない状況で、友人は答えた。 「……箱を見る」 「いいの? すごく辛い思いをするかもしれないよ? 本当にそれがしたいの?」 「……いやぁ、もう、見なきゃいけないだろ」 「したいの?」 「……見なきゃだし」 「あんまり乗り気じゃないんだw」 「まぁ。」

2015-01-25 22:50:23
cman@null @cman1dovob_TRPG

「……あー。 じゃあ、見るんだね?」 「うん」 「じゃあ……目の前には箱がある。 どうなってる?」 「……箱、っていうか。 家みたいになってる」 と、さらっと重要な事を言われたけど、驚くのは後で。 俺は完全に、ゲームマスターをしてる気分だった。 「家か。 入り口はどうなってる?」

2015-01-25 22:54:37
cman@null @cman1dovob_TRPG

「扉があるよ」 「カギは? 掛かってるように見える?」 「……わからない、近づけない。 ……箱が入ってる泡の周りに、渦みたいなものが巻いてる」 ここで、見ているだけだったスーパーエゴが、大切なものを守るために、動いた。 ……精神世界まで、小説っぽいなコイツ。と、思ったりはした。

2015-01-25 22:57:36