マメ類 ~つぶしたり発酵したり。そのまま料理にも使います~

マメ類についてです。日本人にとってはどれも古いおつきあい。
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がんちゃん(💉FFMMFF) @gan_jiro

というわけで、野菜解説シリーズ「マメ類」お送りいたします。

2015-01-22 20:56:01
がんちゃん(💉FFMMFF) @gan_jiro

まずエンドウから。エンドウは、分類でいうとマメ類マメ目マメ科マメ亜科エンドウ属になる。自分で文字を打っていて、ゲシュタルト崩壊を起こしそうな分類である。例によって例のごとく野菜類の来歴としては聞き飽きた感のある中央アジアから中東が原産地と言われている。

2015-01-22 20:56:42
がんちゃん(💉FFMMFF) @gan_jiro

そのあたりが原産地として多いのは、やはり文明の発達が古いからということも言えるのだろう。そのあたりで食用に供されていた野生植物が繰り返し採取されるうちに選抜されて栽培化し、野菜へと成立していったのだろう。

2015-01-22 20:57:08
がんちゃん(💉FFMMFF) @gan_jiro

エンドウの野生種は絶滅してしまったとされ、現在では原産地とみられる地域でも確認できない。だが、野生の近縁種がこの地域で見られるとのことである。これらの地域から東西に分かれて伝播し、中国西域と地中海沿岸で二次的な分化がおこり、さらに東アジア、ヨーロッパ各地へ伝播した。

2015-01-22 20:57:37
がんちゃん(💉FFMMFF) @gan_jiro

ただ、Wikipediaによれば近東に現在でも自生しているP. humile Boiss. et Noö.が原種であるという説もあるようである。麦類の雑草から根粒菌の活用による緑肥的な利用、そこから徐々に種実を利用する栽培種になったということである。

2015-01-22 20:57:55
がんちゃん(💉FFMMFF) @gan_jiro

ヨーロッパへの伝搬は非常に古く、5000年前、青銅時代ののスイスの住居跡からエンドウの種子が発見されている。古代ギリシャ人、ローマ人は紀元前からエンドウを利用し、一般的な食品になっていたものと考えられている。

2015-01-22 20:58:31
がんちゃん(💉FFMMFF) @gan_jiro

ただし、その時代のエンドウは乾燥した種実を利用しており、現在の品種に比べて小さく褐色であり、より原種に近いものであったと考えられている。

2015-01-22 20:58:55
がんちゃん(💉FFMMFF) @gan_jiro

近代的品種の成立はエンドウがヨーロッパに伝わってからで、イギリスには12世紀より前にノルマンジー人によって伝えられ、そのころの食物系の文献にグリーンピースの記述があるようだ。さやえんどうとしては13世紀ころから利用されていたようだが、はっきり確認されたのは16世紀である。

2015-01-22 20:59:28
がんちゃん(💉FFMMFF) @gan_jiro

アメリカには新大陸発見とともに持ち込まれ、アメリカ・インディアンの主要な食物となった。全般的な栽培が盛んになったのはイギリスから新品種が持ち込まれてからで、このためアメリカ南部ではエンドウのことをイングリッシュピーと呼んでいる。

2015-01-22 20:59:54
がんちゃん(💉FFMMFF) @gan_jiro

わが国に伝播したのがいつごろかははっきりしないが、およそ6世紀とされ、1000年前の書物「和名類聚抄」に「のらまめ」の名前で記載されたのが初めてである。江戸時代までは野菜としての利用ははっきりせず、乾燥種実の利用が主であった。

2015-01-22 21:00:21
がんちゃん(💉FFMMFF) @gan_jiro

日本(および東アジア)では野菜としての利用は伸びず、穀物的に利用され、大豆と競合したためかあまり品種の分化、発達はなかった。明治に入ってヨーロッパから優秀な品種が持ち込まれ、その中でわが国の気候風土に合った品種が残り、現在の栽培品種になったと考えられている。

2015-01-22 21:01:31

次はインゲン。

がんちゃん(💉FFMMFF) @gan_jiro

インゲンマメはマメ亜科インゲンマメ属である。現在まだその原種は発見されておらず、はっきりした原産地は特定されていない。ただ、広範な調査を行った結果、中南米の熱帯もしくは亜熱帯が原産とするのが妥当であると考えられている。

2015-01-22 21:01:59
がんちゃん(💉FFMMFF) @gan_jiro

アメリカ大陸では古くから原住民による栽培がおこなわれており、コロンブスが最初の上陸時にキューバ島で栽培されていたという記録が残されている。また、北米大陸ではアメリカ・インディアンなどがトウモロコシを支柱代わりに間作的に栽培していたことが明らかになっている。

2015-01-22 21:02:35
がんちゃん(💉FFMMFF) @gan_jiro

ヨーロッパでは、アメリカ大陸発見後にスペイン人が持ち帰ったのが始まりとされ、16世紀半ばには記録に残されている。17世紀にはさや用として一般に利用されるようになった。

2015-01-22 21:02:56
がんちゃん(💉FFMMFF) @gan_jiro

中国にはインゲンマメの記録が少なく、16世紀末の本草綱目に記載が見られるくらいである。日本には1654年に隠元禅師が持ち帰ったとされ、インゲンマメの名前の由来になっているが、このとき実際に持ち帰ったのは今ではフジマメとされている。本格的な導入は明治以降である。

2015-01-22 21:03:29
がんちゃん(💉FFMMFF) @gan_jiro

ソラマメはマメ科マメ亜科ソラマメ属である。エンドウ亜科ビシア属という分類もある。原産地は中近東と言われるほか、地中海沿岸や西南アジアという説もある。また、大粒種と小粒種が多元的に発生したとも言われている。

2015-01-22 21:03:52

ソラマメへ行きます。

がんちゃん(💉FFMMFF) @gan_jiro

ソラマメは栽培地域や作型などから蚕豆、空豆、胡豆、冬豆などいろいろな名前で呼ばれている。さやの形が蚕に似ていることから蚕豆、鞘が空に向かって付くため空豆など形態からつけられた名前から胡人がシルクロードを経て中国へ持ち込んだから胡豆など様々な由来があることが面白い。

2015-01-22 21:04:32
がんちゃん(💉FFMMFF) @gan_jiro

原産地が中近東とするとそこから西進して地中海沿岸へ至り、ここからアルプスなどを超えてヨーロッパ各地へ広がったと考えられている。また南進してアフリカ大陸へ、東進したものは胡豆の例のようにシルクロードを経て中国へ伝播した。

2015-01-22 21:04:49
がんちゃん(💉FFMMFF) @gan_jiro

日本への伝搬は8世紀に中国から渡来した仏僧の菩提仙那が行基に贈ったものが始まりといわれるが、文書への記載は17世紀になって初めて見られるようになっている。このころのソラマメは裏作の主要作物として栽培されていた。

2015-01-22 21:05:21
がんちゃん(💉FFMMFF) @gan_jiro

明治以降になってから、明治政府がヨーロッパ各国から長さや系統で大、中、小粒種を導入し、古くから導入されていた在来種との交雑などによってさまざまな品種が育成されてきた。最近では大粒で鞘あたりの粒数が多い品種が作出され、主たる産地の西南暖地から北方へと栽培が広がりつつある。

2015-01-22 21:05:43

香川県の名産も宣伝させてね。

がんちゃん(💉FFMMFF) @gan_jiro

なお、香川県名物のしょうゆ豆はソラマメを焙烙でよく炒って、しょうゆをベースに調合したたれに漬け込んだものである。他県出身者にはほとんどなじみがないが、丸亀訓練所で訓練された警察犬が「しょうゆ豆」と名付けられたことがきっかけで全国的に有名になりつつある…のか?

2015-01-22 21:06:08

ビールの友、枝豆。