走れコークハイ

藁の家 @Despair_Dog

走れコークハイ

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コークハイは激怒した。 必ず、かの邪智暴虐じゃちぼうぎゃくのアスモを除かなければならぬと決意した。 コークハイには政治がわからぬ。

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コークハイは、村のコーラ好きである。 コーラを飲み、蒼穹と遊んで暮して来た。 けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感(意味深)であった。

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きょう未明コークハイは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此このポニーヴィルの街にやって来た。

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コークハイには父も、母も無い。女房も無い。おおよそ二七の、内気な妹と二人暮しだ。

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この妹は、村の或る律気な一ペガサスを、近々、花婿はなむことして迎える事になっていた。結婚式も間近かなのである。

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コークハイは、それゆえ、花嫁の衣裳やら祝宴の御馳走やらを買いに、はるばる村にやって来たのだ。

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先ず、その品々を買い集め、それから村の大路をぶらぶら歩いた。 コークハイには馬の友があった。ピアーである。

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今は此のポニーヴィルの村で、看護婦をしている。 その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。 久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。

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歩いているうちにコークハイは、村の様子を怪しく思った。 ひっそりしている。もう既に日も落ちて、まちの暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、市全体が、やけに寂しい。 のんきなコークハイも、だんだん不安になって来た。