演出テクニックとしてのイマジナリーライン

@Shinjukueyesさんによる、イマジナリーラインについてのTweetのまとめです。イマジナリーラインという概念が演出テクニックとして用いられる場合の効果などtweetされていましたので、まとめました。
52
荒川眞嗣 @Shinjukueyes

イマジナリーライン!イマジナリーライン!って偏執狂みたいにこだわる演出家って、アニメしか見てない人に多い。狙ったイマジナリーライン越えなんて実写の映画じゃ当たり前のテクニックだし、高畑監督だってやっている。

2010-12-08 20:41:53
荒川眞嗣 @Shinjukueyes

まったくもって、おっしゃる通り。 RT @toshiharumurata: @Shinjukueyes イマジナリーラインばかり言う演出はただのバカ。

2010-12-08 20:55:25
荒川眞嗣 @Shinjukueyes

東映の竹本弘一監督は、イマジナリーライン越えで表現できる様々な手法を生み出した意味で、とてもお手本になる存在。特異なカットの繋ぎ方も、ルイ・マルなどの実験映画と違い、一般向けの映像表現として有効な試みを数多く生み出した。「三回パン」も出崎さんがやる以前に開発していた。

2010-12-08 21:57:42
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

原則お客さんが観てて不自然に感じなければOK。お客さんが混乱する様なライン越えは皆ド素人。俺の明治からくりで観ればライン越えは解るハズ。→RT@tahamitomo:なんかこんなIL崩し、見たことないでしょみたいな演出にイラッとする@LawofGreen@Shinjukueyes

2010-12-08 21:59:33
小林治 @osamukoba

@Shinjukueyes イマジナリーラインの話、僕も考えるけどそこに縛られてつまんない絵になるのはバッドだと思ってるのでイマジナリーラインばかり言う演出はクソだと思うけど、ほんと、何も考えてないコンテ書く人もいるんだよね。無意味に分かり難いの。そういうの見ちゃうとね。

2010-12-08 22:22:53
荒川眞嗣 @Shinjukueyes

@osamukoba 現実からイメージ背景になるとか、スローモーションとか、同じ動きを三回繰り返すとかと同じく、イマジナリーライン越えは、誇張した演出テクニックの一つ。使う使わないはともかく、それを知識としても知らない演出家なんて、何も考えてないコンテを書く人と同レベルですよ。

2010-12-08 22:39:38
荒川眞嗣 @Shinjukueyes

戦隊もののヒーローが登場する場面で、ヒーローの顔を右から捉えたカット、そして左から捉えたカットと繋ぐ定番の演出があるが、あれもイマジナリーライン越え演出。お客さんの方向感覚のバランスを崩して、意図的に繋がらないカットを並べることで印象的な流れを作るという狙い。

2010-12-08 22:48:48
荒川眞嗣 @Shinjukueyes

「あしたのジョー」のちばてつや先生は、漫画でもイマジナリーラインは大切だとおっしゃっている。ちば先生がイマジナリーラインを越える絵を作るときは、一回ライン上にカメラを置いた絵を挟み込んで、読者が違和感のないライン越えを行うそうだ。越える前にクッションを置くわけだ。

2010-12-08 22:54:11
荒川眞嗣 @Shinjukueyes

RT @LawofGreen: 但し基本は知って無いとOUT。宮崎 駿はライン越え上手いが息子 吾郎氏はメタクタ。→RT @Shinjukueyes:イマジナリーライン!って偏執狂みたいにこだわる演出家ってアニメしか見てない人に多い。狙ったイマジナリーライン越えなんて実写の映画じゃ当たり前のテクニック

2010-12-08 23:00:04
荒川眞嗣 @Shinjukueyes

堤監督が「トリック」でよくやる演出。上田教授の部屋の応接セットなどで、依頼者が不気味な現象などを話しているとき、大胆なイマジナリーライン百八十度越えのカット繋ぎがある。お客さんの方向感覚を狂わせて不気味なムードを感じさせる意図の演出だ。

2010-12-08 23:24:50
荒川眞嗣 @Shinjukueyes

竹本弘一監督による「キーハンター」のオープニング。ストップモーションになるとハーモニー処理のような画面なるあたりは、出崎さんの演出のよう。カット頭の急速トラックバックでカットを繋いでリズム感を出す演出は、のちのアニメ演出にも影響を与えている。http://j.mp/gTAjNx

2010-12-09 00:59:28
荒川眞嗣 @Shinjukueyes

同じく竹本弘一監督による「デンジマン」のオープニング。女性キャラが二回振り向くカットがあるが、この二回、三回振り向きは武本演出の特徴の一つ。リピートなのに振り向く方向が違うのが面白い。違う方向に振り向くリピート演出は本編でもやるから凄い。 http://j.mp/eadpNe

2010-12-09 00:59:43
荒川眞嗣 @Shinjukueyes

出崎演出は、出崎さんがいきなり発明したわけではない。出崎演出は、真崎守さんと村野守美さんが演出の話数の「佐武と市捕物控」の影響下にあることを知る人は少ない。同じ時期に出崎さんが演出を担当していた「どろろ」では、のちの突き抜けた演出スタイルは構築されていない。

2010-12-09 03:02:27
@mizuikeya

@Shinjukueyes そうですよね!やっぱり、出崎さんは佐武と市捕物控の影響が強いですよね。村野守美さんの止め絵を多用する演出などはかなり影響度が強く見えます。

2010-12-09 03:09:58
荒川眞嗣 @Shinjukueyes

「佐武と市捕物控」は、少ないセル枚数という制限を逆手にとって、劇画の見せ方を映像にした試みの初の作品。このスタイルの発明者がオープニングと第一話のコンテ・演出を担当した真崎守さん。真崎守さんと村野守美さん演出話数以外は酷いので、見る価値なし。http://j.mp/hE6hfe

2010-12-09 03:14:05
荒川眞嗣 @Shinjukueyes

@mizuikeya アニメ業界人でも通じないようなマニアックな話が通じる方がいて、とても嬉しいです。

2010-12-09 03:19:46
荒川眞嗣 @Shinjukueyes

今、ユーチューブに上がっている「佐武と市捕物控」の第二話は、かなり出来が酷いので見ない方がいいです。「佐武と市」を知らない方は、とりあえずオープニングだけ見て欲しい。

2010-12-09 03:22:45
荒川眞嗣 @Shinjukueyes

時間軸にして並べると、68年に「佐武と市捕物控」、69年に出崎さんが演出担当していた「どろろ」、70年に出崎さんの初監督「あしたのジョー」が放送開始となる。

2010-12-09 03:32:21
荒川眞嗣 @Shinjukueyes

竹本弘一監督による「プレイガール」のオープニング。 http://j.mp/i33zEv 竹本弘一監督による「プレイガールQ」のオープニング。 http://j.mp/gyIpHM 「Q」では、すでに「ゴレンジャー」や「サンバルカン」のオープニングのひな型が出来上がっている。

2010-12-09 05:51:49
荒川眞嗣 @Shinjukueyes

「めちゃモテ委員長」でコンテ・演出を担当してくれている玉川真という天才肌の演出家がいる。彼は竹本弘一監督の激しい影響を受けている。そう言えば、彼が担当した「ミラクルチェンジ」のバンクカットでも、彼の担当回の本編でも「二回振り向き」をやっていたのを思い出した。

2010-12-09 06:04:30
小林治 @osamukoba

@Shinjukueyes 真崎守さんの「エデンの戦士」大好きなんですよね。村野さんは「オサムとタエ」がメチャ好き。村野さんが佐武と市でやった刀が当たる瞬間だけ絵が映る演出はカッコいい!後にはぐれ雲で同じ様な演出してますけど。出崎さんは様式的な演出よりハートが凄いと思うな。

2010-12-09 10:09:31
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

@osamukoba @Shinjukueyes ちなみに浮浪雲(はぐれぐも)の龍馬暗殺シーン作画は川尻善昭さんのスタイリッシュが目立つが、あのシーンはディズニー出身のグレートアニメーター、リチャード・ウィリアムスの「クリスマス・キャロル(1971年)」が元ネタつーかリスペクト。

2010-12-09 11:41:18
荒川眞嗣 @Shinjukueyes

RT @LawofGreen: @osamukoba @Shinjukueyes ちなみに浮浪雲(はぐれぐも)の龍馬暗殺シーン作画は川尻善昭さんのスタイリッシュが目立つが、あのシーンはディズニー出身のグレートアニメーター、リチャード・ウィリアムスの「クリスマス・キャロル(1971年)」が元ネタつーかリスペクト。

2010-12-09 16:40:30
荒川眞嗣 @Shinjukueyes

日本の70年代の刑事ものやスパイアクションのドラマのオープニングを改めて見ていると、西新宿の高層ビルをバックにしたロケが多い。それと東京のビル街の空撮が多い。西新宿は、日進月歩で成長する日本の姿の象徴として、当時の全国津々浦々の日本人にとって、とても魅力的だったのだと思う。

2010-12-09 16:57:54