キュッチャンバーガー

Ｄ・Ｗ・Ｗ @dwwyakata

よし、たまにはツイッターで短編を書いてみよう。ずばりキュッチャンどのがお狐様によしよしとして貰える作品だ！

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よーし、では軽めに書いてみるか。 #キュッチャンバーガー

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（前置き）これはキュッチャンどのがお狐様と幸せにやっている幸せな小説である。 #キュッチャンバーガー

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久しぶりに山から下りてきた。狸の化身である私も、団三郎とか名乗って悪さをしていたころから比べて、随分丸くなった。 人間の文化も嫌いじゃない。 特に食い物は好きだ。どれも美味しい。 #キュッチャンバーガー

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もう元の性別を忘れるくらい永く生きてきているので、最近は小娘の姿を取るようにしている。 ちなみに昔佐渡金山で働いていたことがあるので、金はたんまりある。 さて、今日は何を食べよう。 めについたのは、ファーストフードの店。 キュッチャンバーガーと看板にある。 #キュッチャンバーガー

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何だか気になったので、足を踏み入れてみる。 普段は高級ステーキ店とかで豪遊している私なのだが、最近は幽霊みたいな名前の店でポテトをやまもり頼んだりしていたので、ジャンクフードに離れている。 お金が無いわけじゃない！お金はある！ ただ何というか、興味本位だ。 #キュッチャンバーガー

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「いらっしゃいませー」 中に入ると、マニュアル通りの対応。可愛らしい制服に身を包んだそれは、一目で人では無いと私には分かった。 「む、狐精の類とみた」 「良くおわかりで」 目の前にいるのは金髪の可愛らしい小柄な女の子。 しかしただならぬ気を感じる。 #キュッチャンバーガー

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「狐が何をしている」 「このお店には結界を張っていて、ある嗜好の人達と、それに妖物しか入れないんですよ」 狐は朗らかな顔で言う。 まあ敵意は感じない。カウンターに座ると、メニューを見た。 「セットが７００円か、ちょっと高いが、今日は奮発しよう」 #キュッチャンバーガー

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そうして私が待っていると、どやどやと人が来た。 全員が棒を手にしている。 びっくりした私はうかつにも小さな悲鳴を上げてしまった。怖いわけじゃ無いぞ！こわくなんてあるはずがない！ 「おや、これは可愛らしい同士よ」 棒を手にしたおっさんが、慇懃に挨拶してきた。 #キュッチャンバーガー

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「な、なんじゃね君達は」 「我々はキュッチャンを愛する者。　故にこの店に来ているのです」 「見た感じ一見さんのようですね。　ショーがそろそろ始まりますよ」 口々に友好的な言葉を掛けてくる人間共。 なんだか店が血なまぐさいことに気がつく。 #キュッチャンバーガー

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がらがらと音。 奥から出てきたのは、棒と一体化した台車。 棒には、何だか狐と人を足して二で割ったような存在が吊されている。尻尾から。 ぱたぱたもがいているそれを顎で刺して、帽子の人が言う。 「あれがキュッチャンです」 「……？」 愛されて、いる？ #キュッチャンバーガー

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金髪童女狐が手を叩く。 「はい、みんなはじめましょう」 「うぉっしゃああああああああっ！」 その場にいた全員が一斉に立ち上がると。 棒を振り上げて、キュッチャンとやらに襲いかかった。 私は怖くなんて無いけれど、諤々震えて身動きできない。 何だ此処！何此処！ #キュッチャンバーガー

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颯爽と降り下ろされる棒！ 囲まれて叩かれるキュッチャン！ 真っ青になって固まっている私の肩を、狐童女が叩く。 「大丈夫。あれはクローンキュッチャン。キュッチャニアの主要生産品で、主要輸出品でもあります」 「クローンキュッチャン……」 #キュッチャンバーガー

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「い、いたいきゅー！」 「オラアッ！　もっと鳴けえっ！」 容赦なく降り下ろされる棒！ ごきぼきどかぐしゃ。 頭を抱えて隅っこでぶるぶるしている私に、狐童女は棒を差し出す。 「やらないんですか？」 こわい。もう隠せない。 #キュッチャンバーガー

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やがてキュッチャンというか、クローンキュッチャンは動かなくなった。 「はい、儀式終わり」 狐童女が手を叩くと、モモンガの化生がたくさんでてきた。 「それでは、加工をはじめましょう」 #キュッチャンバーガー

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頸動脈に刃を突き刺し、まずは血抜き。 腹を割いて内臓を出す。 わーわーとみんな大喜び。 邪教の儀式に紛れてしまった邪悪な狸の私は声も出ない。 #キュッチャンバーガー

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肉はミンチ製造器に放り込まれる。 その時になって、やっと気付く。 「じゃあ今日はキュッチャンモツバーガーで！」 「俺はキュッチャンアイバーガー！」 「わしはキュッチャン味噌バーガーじゃっ！」 このメニューは。そう言うことか。 #キュッチャンバーガー

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私の前にも当然出てくるセットメニュー。 おそるおそる食べてみると、案外美味しい。 まあ、私も化生だし、人間の肉くらいは平気。 「美味しいですか？」 「まあまあだ」 「それではまだまだですね」 「ふえっ！？」 #キュッチャンバーガー

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「此処では、味を楽しむのではありません。キュッチャンを楽しむのです」「そ、そうか」 みんな目がヤバイ。 長い事生きてきているから、人間がヤバイ生物だと言う事は知っていたが、此奴らは特上のヤバさだ。 #キュッチャンバーガー

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かくして骨も残らずみなに平らげられたキュッチャンの残骸。 狐童女は、満面の笑顔でお客様達に言うのだった。 「またのお越しをお願いいたします。新鮮なキュッチャンが入りましたら、すぐにお知らせいたします」 #キュッチャンバーガー

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恐るべき世界だが、これも一種の愛なのかも知れない。 みんなキュッチャンが大好きで。そして狐の妖怪が常に側にいる。 私はついて行けない世界だと思ったけれど。 これも人間の恐るべき愛だと割り切って、料金を払うとお店を出るのだった。 #キュッチャンバーガー

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ふと振り返ると。 看板にはこう書かれていた。 「新鮮なキュッチャンを入荷した際には、会員へ即座に連絡が行くシステムです。ふるってご登録ください」 ぶるぶると頭を振ると。 私はお山に帰ることにしたのだった。 #キュッチャンバーガー

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おしまい。 #キュッチャンバーガー

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はい、というわけでお狐様や周りのみんなにとても愛されているキュッチャンどののお話しでした。 楽しんでいただけましたかな？ #キュッチャンバーガー

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気が向いたらツイッターでまた短編書いてみます。 それでは。 #キュッチャンバーガー