鹿児島地裁で言い渡された強盗殺人事件の無罪判決に対する郷原信郎先生の見解

裁判員裁判で無罪判決が出た「鹿児島地裁の強盗殺人事件」に関しての郷原先生のツイートをまとめました。
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郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

今日午前、鹿児島地裁で言い渡された強盗殺人事件の無罪判決。裁判員裁判では初の死刑求刑事件での無罪となった。指紋、DNAが警察による偽装だとの弁護側主張を排斥し「現場に行ったことがない」旨の被告人供述を嘘だとしながら、犯人性についての検察官立証が全体として不十分だとの判断。(続く)

2010-12-10 14:55:46
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

(続き)「公益の代表者である検察官が犯人性を否定する証拠を自ら提出しなかったこと」を批判していることからも、無罪の結論の背景に検察不祥事等による検察不信があるように思える。不祥事によって失われた信頼回復のため検察組織の抜本改革を行わないと影響は刑事司法全体に及ぶことになる。

2010-12-10 14:57:16
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

確かに「疑わしきは罰せず」が鉄則です。しかし、(続く) RT @yasushi2361 鹿児島殺人事件無罪判決で,郷原さんは検察不信が背景との見解,もっともです.しかし過去冤罪は星の数ほど有ります。従来の裁判の「検察は正義」の論理こそが異常.「疑わしきは罰せず」が裁判の鉄則

2010-12-10 23:28:17
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

(続き)指紋採取、DNA鑑定ともに肯定され、「現場に行ったことがない」との被告人供述は嘘だと判決で指摘されているのに、当人が「冤罪が晴れた」と堂々と記者会見をしている映像には違和感を感じざるを得ません。このような状況を招いた一因に検察不祥事があるとすれば、憂慮すべきことです。

2010-12-10 23:30:12
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

私も判決前は、裁判員裁判の問題が極端な形で露呈した事件とコメントしていましたが、判決要旨を見ると、検察・警察不信のため「究極の苦悩」の手前で判断してしまったように思います RT @sundaymainichi 被告が否認した場合、素人の心証として死刑を認定しにくい裁判員裁判の限界

2010-12-11 07:52:55
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

昨日の鹿児島地裁の死刑求刑強盗殺人事件の無罪判決、検察が控訴することは確実だと思う。判決で「現場に行ったことがない」との供述が嘘だとされた被告人には、控訴審で、その点について供述を求められることになる。一方、判決で捜査の不十分さを指摘された検察側も更なる立証が求められる(続く)

2010-12-11 09:01:18
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

(続き)そう考えると、昨日、判決後に記者会見をして「濡れ衣が晴れた」と述べ、判決で嘘をついたと指摘されたことに対して何も反論しなかった被告・弁護人側の対応は些か疑問。現場に行ったのかどうかという問題が未解決のままでは、「濡れ衣が晴れた」とは言えない。

2010-12-11 09:04:27
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

もちろん黙秘権がありますし、被告人には原審の指摘に対する応答義務はありません。しかし、控訴審ではそこが重要な争点になるはず(続く) RT @kuroki100 被告人に保障されている黙秘権についてはどうお考えでしょうか?被告人に原審判決の指摘事項に対する応答義務があるのでしょうか

2010-12-11 09:32:24
郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 @nobuogohara

(続き)被告・弁護人側は、一審判決を手放しで評価しているわけにはいかない、ということです。ただ、控訴審も、裁判員裁判の判断は尊重せざるを得ないでしょうから、検察側が一審判決で指摘された捜査に関する問題について効果的な補充立証を行わないと、逆転有罪は難しいように思います。

2010-12-11 09:35:59