2010年12月 PISA日英比較とイギリスの教育(音楽教育、教育と移民など)

2010年12月の主に自分のTweetのまとめ。イギリスの教育制度、アート教育、教育における移民や差別など。初等中等教育に関係したもの。PISAの結果など含む。
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SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

RT @Tamny_in_Africa: 見出しだけだと誤解するが「21のカレッジで黒人学生の入学がなかった」というガーディアン全開の記事。 RT @guardiannews Oxford colleges took no black students last year http://gu.com/p/2yjez/tf

2010-12-07 08:50:08
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The Oxbridge whitewash http://t.co/AoYUu6m Guardian 記事:カリビアン系、アフリカ系の学業達成率はたしかに高くはないものの、オックスブリッジの白人裕福層の多い私立出身者優先は続いているのは間違いない。

2010-12-07 08:59:35
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イギリスの階級社会は差別構造社会と直結しているが、公正を達するまでの道のりは遠い。昨日観たロンドンフィルのコンサートでは33人のメンバーがステージに上がったが、30人は白人、3人は東アジア系。黒人はいなかった。

2010-12-07 09:11:02
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英国のアートカウンシルによれば、ロンドンにおける音楽関係の雇用の20%(全国では10%程度)はエスニックマイノリティが占めているが、クラシック音楽のパフォーマーに限定すれば、アフリカ系は絶無に近い。因みにイギリスにおける非白人の人口の割合は10%弱だが、ロンドンはおよそ50%。

2010-12-07 09:15:12
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

ナショナル・チルドレン・オーケストラにはアフリカ系の子どもも増えてきているが、それでも2、3%。ロイヤルアカデミーのジュニア音楽院でも学年が上がるにつれ、アフリカ系は脱落していく。上にいくほど白い世界。

2010-12-07 09:19:46
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

イギリスの音楽業界ではその雇用において、http://www.ccskills.org.uk/LinkClick.aspx?fileticket=bpzuRnIQSFE%3d&tabid=600 によれば、女性への差別も明白である。資格などのレベルでは男女差はないが非雇用差は倍。

2010-12-07 09:25:40
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

昨日のロンドンフィルのコンサートは子ども向けでもある(8歳以上)プログラム。エスニックマイノリティの家族連れにはバリバリと、小さくはあるが音を立ててスナック菓子を食べる子どももいて、楽団員がステージ上から明らかな不快感を示す場面も。この距離感を埋めていくには時間がかかるだろう。

2010-12-07 09:33:03
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イギリスにおける人種差別は確かに存在する。言うまでもないことだが。労働市場においては2003年の政府報告書が正式に認めている。http://tinyurl.com/yh7zzcj

2010-12-07 20:32:10
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

教育改革や法整備を行いそれを是正していくという発想は当然であるし、それが徐々になされてきている。しかし、ことはそう簡単でない。政府の定義する indirect discrimination, institutional racism はともに「上から目線」である点も問題の1つ。

2010-12-07 20:33:44
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

昨日の英ガーディアン紙のオックスブリッジの20以上のカレッジへの黒人入学者ゼロの記事へのおびただしい量のコメントをみるといろいろ見えてくる。

2010-12-07 20:34:53
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

コメントの多くは、オックスブリッジが institutional racism を行なっているかどうかの視点で書かれているが、その視点だけで差別について語ることは全体像を見誤ることになるだろう。

2010-12-07 20:38:37
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

新聞のコメント欄に投稿している多くの『ふつうの人々』は、オックスブリッジに進学することが選択肢として、後の職業生活において有利であると考えているだろう。実際にそうかもしれない。

2010-12-07 20:49:25
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

しかし、たとえば、2007年のイギリスの労働市場とエスニックマイノリティに関する報告書である http://tinyurl.com/2vxp2js などを見ると、中国系やインド系の自営業就業率の高さはちがう視点も要求しているようだ。

2010-12-07 20:52:05
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

学業達成率の点で急速に白人を追い上げ追い抜こうとしている中国系やインド系が、白人英国人に比して自営業率が相当に高いことは、将来的にイギリスの労働市場構造を激変させる要素を感じさせる。それは恐らく、例えばアメリカにおける韓国系が与えてきたインパクトの比ではないはずだ。

2010-12-07 20:57:04
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

Institutional racism があるならばそれに抗議し、実力で打ち破ると同時に、打ち破れない部分(政府も認めている差別構造)については、institutional な部分から距離を置いた self-employed の領域をも確保しておく。

2010-12-07 21:03:20
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

中国系、インド系が英国の将来を席巻できると予測しうる1つのポイントはその辺りにある。彼らは2面攻撃をイギリスに対して行なっている。オックスブリッジエスタブリッシュメントもそれに対しては、本格的な抵抗よりも妥協点を探ろうとしているように見える。

2010-12-07 21:07:44
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

その他のエスニックマイノリティに対するオックスブリッジの態度はどうか。今回ガーディアン紙がとりあげた黒人入学者の両大学への極端な少なさは、違法性の観点からは institutional racism とは断定しようがないだろう。

2010-12-07 21:15:28
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

しかし、差別の本質は「される側の視点」からとらえるべきであると考えるならば、そこには indirect discrimination の可能性があり得る。人種差別を根深い問題にしているのは、差別される側に根付いている自覚されにくい意識のありかたということ。

2010-12-07 21:18:36
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

実際、自分はブラックだがと前置きして「成績が悪いのだから当然」とのコメントもあるが、それだけではないように感じる。「人種の問題にすべてをもっていく発想にはうんざりだ」という類いのガーディアン記事に対する批判的コメントもブラックの側からあるが、それも妥当かどうか。

2010-12-07 21:24:35
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

英国のメインストリームの研究者たちや政治家の視点で欠如していることがままあるように思われるのが、英国社会に適合していくことに対する「体感的拒絶」とも言うべきエスニックマイノリティの微妙な心理的な側面へのそれ。

2010-12-07 21:32:27
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

RT @ishtarist: 社会学の基本的な構想が、方法論的集合主義と方法論的個人主義の見かけ上の対立という構想力に捕らわれたまま、その本質的な関連について本質的には何も解決できてないのだとしたら、やはり社会学におけるコペルニクス的転回が必要だと思う訳です。

2010-12-07 21:50:18
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

RT @ishtarist: @totojuni_sanche そういう言い方も決して間違いじゃないと思う。僕の理解で言い換えるなら、認識論で問題になっている認識の対象は、つねに認識へとあらかじめ従属させられている。その理性への従属から感性を解放したとき、そもそも感性的対象とは他者なのだということに気づく。

2010-12-07 21:50:25
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

昨日来つぶやいているクラシック音楽へのマイノリティのアクセスを例に挙げてみると判りやすいだろう。マイノリティを便宜上4つに分類すると、インド系(インドのみ)、東アジア系(中国人、韓国人、日本人など)、ブラック(カリビアン、アフリカン)、ムスリム(バングラデシュ、パキスタン含む)。

2010-12-07 21:51:41
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

この4つの分類のなかでクラシック音楽の世界で活躍していると言えるのは実際のところ東アジア系のみ。音楽教育の歴史を考えるとまあ当然だが、まったく別の視点で見ると invisible minority という構造的差別の問題にもつながる。

2010-12-07 21:56:00
SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

驚くべき単純なことなのだが、「ふつうの」東アジア人にとってクラシック音楽に代表される西洋文化は吸収すべきものの1つとして、極論すれば、依然として「あこがれ」なのだ。それは自らの存在を可視化させず、majority のなかに逆に吸収されてしまうことになる。

2010-12-07 22:05:11
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