- Il2_Ilyushin
- 14161
- 0
- 0
- 3
単発単座のレシプロ戦闘機に装備されている機銃。その搭載位置は機体によって違いますが…それぞれ利点欠点がある事はご存知でしょうか…?今回は機銃の搭載位置について少しついーとをするのです。
2015-01-31 19:47:38そもそも単発単座戦闘機はどこに機銃を搭載しているのでしょうか。 機銃を計5つ搭載しているRe.2005さんを見てみると一目で分かるでしょう。特殊なものを除き、これらのうちどこかに搭載していますね。 pic.twitter.com/DGX0XnkVKy
2015-01-31 19:49:09【注】画像の機体はRe.2005ではなくRe.2001でした…。Re.2001は同軸装備は無いです…。
単発単座戦闘機の機銃搭載方式は、(一部の例外を除き)3種類に分けられます。機首集中、主翼配置、そして機首/主翼混載です。まずは機首集中と主翼配置から見て行きましょう。
2015-01-31 19:50:42機首集中は字のごとく、すべての機銃を機首に集中して配置している機体の事です。ソ連のLaやYak、F型以降のBf109などがこれですね。 pic.twitter.com/58hwFAyWwi
2015-01-31 19:53:13主翼配置は火器を主翼のみに搭載している機体です。アメリカのB/C以降のP-51やF6F、イギリスのSpitfireなど…こちらの方が多いでしょうか。その殆どが4丁以上の多連装です。 pic.twitter.com/3sgPZo28lP
2015-01-31 19:55:02機銃の話ですし、弾道の話から始めましょうか。まず機首集中のLa-5と主翼配置のSpitfireを200m離して向かい合わせに配置してみます。 pic.twitter.com/0em1mH8Hbi
2015-01-31 19:58:08Spitfireの実際の機銃収束距離は知らないので…とりあえず200mとしましょう。La-5とSpitfireの弾道はこのようになっています。La-5は赤(20mm)、Spitfireは青(20mm)と緑(7.7mm)です。 pic.twitter.com/J1WWQYOAly
2015-01-31 20:01:42この状態ですと、武装が多いSpitfireの方が火力は大きそうですね。(火器自体の性能、レートは無視した場合)現実的ではないですが…弾が真っ直ぐ飛び、かつお互い移動してないとすると、これら全ての弾がLa-5の胴体に命中する事となります。
2015-01-31 20:04:35ではここでちょっと2機の距離を離してみましょう。射撃距離としてあまり現実的ではありませんが…分かりやすいよう400mにしてみます。すると…? pic.twitter.com/ZfrkmwIt8i
2015-01-31 20:05:52図で分かる通り、弾道が200mで収束するSpitfireは、距離が離れると弾がばらけてしまう事になります。どれかしらは当たるかもしれませんが、バラバラの位置に当たっても運が良くなければ致命傷とはならないでしょう。
2015-01-31 20:07:13一方La-5は200mでも400mでも、図の上で見れば弾道がほぼ同じです。つまりどの距離でも火力が集中しているのです。 言ってしまえば、機首集中はどの距離でも火力が発揮出来るが、主翼配置は収束距離の前後でないと火力が十分に発揮できないと言う事になります。
2015-01-31 20:10:49勿論これで単純に機首集中が有利とは言えません、機首に搭載出来る武装は限られていますから。主翼はその機体載る物であればいくらでも搭載可能です。HurricaneMk.IIBの12連装などがいい例でしょう。
2015-01-31 20:11:10利点欠点を詳しく見て行きましょう。 まず機首集中の利点は、距離に関係なく弾道が集中している、機軸に近い所に配置されているので正確な射撃ができる、主翼に搭載しないのでロールや運動性が低下しない…などです。
2015-01-31 20:13:24正確な射撃、高い運動性やロール率は空戦する上で重要ですから、ある意味戦闘機としての理想的と言えるでしょう…あるいみでは
2015-01-31 20:16:07欠点は、搭載出来る物が限られる、モーターカノン以外は同調させなければならない、同調により発射レートが低下する、機首スペースが圧迫される…ですね。
2015-01-31 20:17:28プロペラ圏内に配置する以上、同調させてプロペラを撃ち抜かないようにしなければなりません。これでレートは下がりますし、そもそも同調させられる機銃しか搭載出来ません。火力が限られるのもあまりいいとは言えませんし…。
2015-01-31 20:18:56次に主翼配置の利点…載せれる限りの火器が装備できる、同調させる必要がない、機首スペースに余裕ができる…など。長砲身な20mmを4連装としたり、12.7mmを6連装としたり出来るのも主翼配置だからこそです。
2015-01-31 20:23:12欠点は…運動性やロール率が低下する、翼内スペースが圧迫されるので翼内燃料タンクなどが乗せにくい、主翼強度をある程度確保する必要がある、弾道が交差するので収束距離の前後でないと火力が集中出来ない…です。ふむむ
2015-01-31 20:25:44一概にどちらが良い、と言える物ではない事が分かりますね。どちらも無視できない程の利点、そして欠点が見られます。
2015-01-31 20:27:06さて、機首/主翼混載は…妥協と言いますか…いいとこ取りと言いますか…先ほどまでの内容を見れば大体分かるかと。機体・機銃の事情にもよるので利点欠点をはっきりとは…
2015-01-31 20:28:56各国・各社(設計局)の機体の機銃配置を見ていくと面白いかもしれませんね。書き溜めた内容も尽きたので今日はここまでです。はふ…
2015-01-31 20:37:09