2015.2.3報道「甲状腺しこり 10歳未満被爆 高リスク」と論文概要「小児期に被曝した原爆被爆者における甲状腺結節と放射線量の関連 (2007-2011)」YuriHiranumaさんのツイートまとめ

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Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

甲状腺しこり 10歳未満被爆 高リスク : 地域 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) yomiuri.co.jp/local/hiroshim… ◇放影研「1シーベルトで2.65倍に」 論文の日本語概要PDF rerf.or.jp/library/rr/rr1…

2015-02-03 09:08:55
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

「小児期に被曝した原爆被爆者における甲状腺結節と放射線量の関連 (2007-2011)」 英語論文archinte.jamanetwork.com/article.aspx?a… 日本語概要 rerf.or.jp/library/rr/rr1… 以下、日本語概要書き出し

2015-02-03 09:44:22
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

今回の調査で明らかになったこと 小児期(10歳未満)に被曝した原爆被爆者の62−66年後の甲状腺調査において、甲状腺結節(径10mm以上または甲状腺結節術後)の有病率は原爆による甲状腺被曝線量と有意な関係を認めたが、径10mm未満の小結節の有病率は関連を認めなかった。

2015-02-03 09:45:18
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

解説 1958年から2年に1度の健康診断により広島・長崎の原爆被爆者の健康状態を追跡している成人健康調査の参加者のうち、10歳未満の小児期に被曝した参加者を対象として、甲状腺結節と原爆放射線の関連を調査した。

2015-02-03 09:45:50
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

〔注〕甲状腺結節とは悪性、良性問わず甲状腺に見られるしこりの総称で、超音波検査で観察すると大きく分けてのう胞と充実性結節の2種類が認められる。 のう胞はほぼ良性で、充実性結節は悪性腫瘍(主にがん)と良性結節に分類される。

2015-02-03 09:47:53
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

良性結節には良性腫瘍の他、過形成や甲状腺炎に伴う結節などがある。通常、悪性腫瘍以外は治療の必要はないが、大きい結節で圧迫症状があったり、悪性の可能性が否定できない場合などに治療することがある。

2015-02-03 09:48:18
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

本調査では甲状腺結節を、臨床的に問題となりやすい比較的大きい甲状腺結節(径10mm以上または甲状腺結節術後)について重点的に検討し、さらに臨床的に問題となりにくい径10mm未満の小結節についても検討を加えた。

2015-02-03 09:48:31
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

1. 調査の目的 小児期に放射線被曝すると成人期に被曝した場合より甲状腺がんのリスクが高いことが知られているが、小児期に被曝して長期経過した成人の甲状腺においても、放射線の影響が認められるか否かを知ることは、公衆衛生上重要である。

2015-02-03 09:49:01
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

一方、甲状腺超音波検査を行うと、放射線被曝がほとんどない一般の人たちにも17−67%に甲状腺結節が認められる。今回の調査は、小児期に被爆して60年以上経過した原爆被爆者において、甲状腺結節と原爆放射線被曝の関連性を明らかにしようとしたものである。

2015-02-03 09:49:08
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

2. 調査の方法 2007−2011年に成人健康調査に参加した被爆時年齢10歳未満の原爆被爆者3,087人に、甲状腺超音波検査を含む甲状腺検査を行った。このうち、原爆による甲状腺被曝線量が推定されている2,668人

2015-02-03 09:50:07
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

(平均年齢68.2歳、男性1,213人、女性1,455人、平均線量0.182Gy、線量範囲0−4.040Gy)について、甲状腺結節(径10mm以上または甲状腺結節術後)の有病率、および甲状腺小結節(径10mm未満)の有病率と甲状腺被曝線量との関連を調べた。

2015-02-03 09:50:15
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

3. 調査の結果 (1)甲状腺結節(径10mm以上または甲状腺結節術後)の有病率(17.6%)は甲状腺被曝線量と有意に関連しており、甲状腺被曝線量1Gyあたりの過剰オッズ比**(95%信頼区間)は1.65(0.89, 2.64)であった。

2015-02-03 09:50:45
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

甲状腺結節をさらに充実性結節とのう胞に分類し、さらに充実性結節を悪性腫瘍と良性結節に分類してそれぞれ解析したところ、有病率はいずれも甲状腺被曝線量と有意に関連していた。

2015-02-03 09:51:11
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

〔注〕**本研究ではオッズ比はおおよそ相対リスクとみなすことができ、対象群(被曝線量0Gy)と比較して被曝群のリスクが何倍になっているかを表す。オッズ比から1を引いたものを過剰オッズ比といい、相対リスクのうち被曝放射線が占める部分をいう。

2015-02-03 09:51:18
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

(2)甲状腺結節(径10mm以上または甲状腺結節術後)の有病率と放射線の関連には、被曝時年齢が有意に作用しており、低年齢であるほど放射線の影響が大きい事が明らかとなった。一方、性、甲状腺疾患の家族歴、抗甲状腺自己抗体、海藻摂取の影響は認めなかった。

2015-02-03 09:52:38
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

〔注〕一般的に甲状腺結節は女性や甲状腺疾患の家族歴で頻度が高く、慢性甲状腺炎の人(血液検査で抗甲状腺自己抗体が陽性)に認められることも多く、海藻に多く含まれるヨウ素摂取量にも影響されることが知られている。

2015-02-03 09:53:37
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

従って、これらの因子が甲状腺結節の有病率と放射線の関連に影響するか否かを調べた。 (3)甲状腺小結節(径10mm未満)の有病率と甲状腺被曝線量は有意な関連を認めなかった。

2015-02-03 09:54:01
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

小児期の被曝から60年以上経過した原爆被爆者では、甲状腺結節(径10mm以上または甲状腺結節術後)において放射線との関連を認めたが、径10mm未満の小結節においては関連を認めなかった。

2015-02-03 09:54:39
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

ひと口に甲状腺結節と言ってもその病態は、がんや良性結節のほか、過形成や甲状腺炎による変化など様々である。結節の大きさによる放射線影響の違いは、放射線被曝が甲状腺結節のどのような病態にどのような機序で影響を及ぼすかを知る上で手がかりとなるだろう。

2015-02-03 09:54:45
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

参考資料 甲状腺結節有病率の原爆放射線によるリスク (本調査参加者の甲状腺結節470症例のうち、7.1%が原爆放射線被曝による増加と推定される。) pic.twitter.com/BN0F1cRwwk

2015-02-03 09:59:34
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Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

「高線量放射線に被曝した原爆被爆者の甲状腺乳頭癌における挟動原体逆位、 inv (10) (p12.1;q11.2)、による新規RET再配列(ACBD5/RET) 」 と題する論文がOncology Reports誌に掲載されました rerf.or.jp/library/rr/rr1…

2015-02-03 10:03:02
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

「電離放射線のラット未熟卵細胞に及ぼす突然変異影響」 [PDF: 263KB]と題する論文がRadiation Research誌に掲載されました 2014年11月5日 rerf.or.jp/library/rr/rr1…

2015-02-03 10:05:11