2015年2月5日

山本七平botまとめ/【唯一神と血縁/断章取義③】日本文化はサザエである/背骨(バックボーン)がない日本人/互譲の精神が友好の第一歩だと考える日本人と自己主張し合って妥協点を見つけるのが友好だと考える外国人

山本七平・岸田秀の対談集『日本人と「日本病」について』/唯一神と血縁/断章取義/25頁以降より抜粋引用。
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山本七平bot @yamamoto7hei

①【山本】今の日本のキリスト教会にしても「断章取義」です。 聖書の思想体系は問題にせずに、自分達の精神構造に合う句だけをもってきて組み立ててしまう。 そうでないなら、例えば旧約聖書の「列王記(メラキーム)」と『資治通鑑』の歴史観の異同などは最も気になる問題の筈です。

2015-01-26 09:09:04
山本七平bot @yamamoto7hei

②【山本】今度、私は、説教集などで、聖書からの引用の実態を調べてみようと思うんです。 どういうところだけ引用しているか。 それによって日本のキリスト教会を通じて、その精神構造がどうなっているか、逆にわかるでしょう。<岸田秀との対談集『日本人と「日本病」について』

2015-01-26 09:39:02
山本七平bot @yamamoto7hei

③【山本】で、私は冗談に日本文化は「サザエ」である、というんです。 中は背骨なしでグニャグニャしてていいんです。 外をきちんと閉じておき、必要に応じて蓋を少しあける。 ヨーロッパ人は脊椎動物ですから、 日本人には背骨(バックボーン)がない、 という。

2015-01-26 10:08:58
山本七平bot @yamamoto7hei

④【山本】確かにそうでしょう。 そのかわり貝がちゃんとある。(笑) 外部を固めて何物も入れず、時折ちょっと口を開けて、必要なものだけ取る。 これをずっとやってきた。 だから、自分はこうであるということが、外へ行くと言えなくなるんですよ。

2015-01-26 10:39:04
山本七平bot @yamamoto7hei

⑤【山本】貝のように口をつぐむか、「相手の立場に立って」となっても「自分の立場に立って」がない。 従って、対決はしない。 だが、徳川時代の尊皇イデオロギストは必ずしもそうでないです。 やはりペリー・ショックの影響は大きいでしょうね。 対決ということを誰もが反射的にいやがる。

2015-01-26 11:08:58
山本七平bot @yamamoto7hei

⑥【山本】ところが、たとえばエルサレムなんていう所は、「相手の立場に立って」といえる場所がなくなるんですよ。 三大宗教のどの立場に立っても、ほかの二つから文句が出るでしょう。 【岸田】なるほど。

2015-01-26 11:39:02
山本七平bot @yamamoto7hei

⑦【山本】この前テレビでエルサレムを紹介する時に、結局、三大宗教共通の聖所であるという言い方で押し通しちゃったけれども、こんな妙な話はない。三方から文句がきても不思議はないんでしてね。 大体彼らは自分の立場を明確に主張してくる。 イスラムはイスラムの、ユダヤはユダヤの立場をね。

2015-01-26 12:08:59
山本七平bot @yamamoto7hei

⑧【山本】だからつくづく思いましたが、ああいう処へ行って論争しても、これは勝てない。「相手の立場に立つ」人間が一種の内心の決意を経て土俵に上るのと、何らの決意もなく、当然の状態を当然のままで出てくるのとでは勝負になりませんよ。 日本の対外的な摩擦は全てこの問題を抱えているんです。

2015-01-26 12:38:59
山本七平bot @yamamoto7hei

⑨【岸田】結局、他人との友好的な協調のあり方が違うんですね。 【山本】違うんです。 【岸田】日本人は、自分の主体的判断をお互いに捨ててというか、横にのけておいて仲よくやれば、対決も葛藤もないんだという、一つのフィクションの上に立っている。

2015-01-26 13:08:56
山本七平bot @yamamoto7hei

⑩【岸田】一方、向こうではお互いに自己を最大限に主張し合って、その主張の間に共通一致点を見出すことが双方の協力友好の基礎ですよね。 友好ということの意味が日本とは初めから違う。

2015-01-26 13:39:03
山本七平bot @yamamoto7hei

⑪【岸田】だから日本人が自我を捨てる事を前提とした日本的やり方で仲よくしようと思っても向こうは仲よくなってくれない。 日本人が自我を捨てたって、向こうは自我を捨ててはくれませんからね。すると日本人の方では…自我を捨てて譲歩しているのに、お前は少しも歩み寄ってこないと腹を立てる。

2015-01-26 14:09:02
山本七平bot @yamamoto7hei

⑫【岸田】向こうに言わせれば、そこで日本人がなぜ腹を立てるのかがわからない。 【山本】そこなんです。 「双方互譲の精神をもって」と新聞の社説なんかではよく出ていますね。 しかし、譲れば相手が一歩踏み出して来る社会では、双方徹底的な自己主張をして妥協点を見つける以外にない。

2015-01-26 14:38:59
山本七平bot @yamamoto7hei

⑬【山本】いわば実にしんどい対話が必要になる。これが判っていないんです。 面白い話がありましてね。ある世界的な教会会議の事なんです。…ある日本人牧師が、ご意見はと訊かれて「皆さんと同じです」といった…そうしたら議長から「明日から会議に出て下さらなくて結構です」と言われた。(笑)

2015-01-26 15:08:56
山本七平bot @yamamoto7hei

⑭【山本】つまり、意見が違うから会議をもつのであって、皆さんと同じ意見の人間ならもう出なくていいという訳なんです。 日本人は小異を捨てて大同につき、同じだという処だけを一生懸命語る。 彼らは99%同じ意見でも、1%違えば、その違う処だけを語る。 ベギンもサダトもそうですなあ。

2015-01-26 15:38:58

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