- dungeon03hen
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【これまでのあらすじ】 (自作の鎧を身に付け学校に通う変わり者の男は立ち寄ったおでん屋で店長の赤く光る瞳を見る。
2015-02-05 22:00:58「あの野郎!何処に行きやがった!!」白いシャツに前をはだけたワインレッドのジャケット、シャープなサングラスをかけた金髪リーゼントの男は、突然立ち止まると辺りを見回した。 pic.twitter.com/wbiUwdLBmR
2015-02-05 22:06:35スギの木が立ち並んでいるが、他には何もないように見える。「おいっ!さっさと出てこいやっ!!オラッ!!」男は叫ぶが答えるものはいない。
2015-02-05 22:07:03頭に血が上った男は足元に落ちていた空き缶を拾うと、スギ林目掛けて力一杯に投げつけた。弧を描いて飛んでいく空き缶。カラン... 金属音。空き缶が何かに跳ね返り、スギの林からゆっくりと転がり戻ってくる。
2015-02-05 22:08:01不審に思った男は空き缶が転がってきた方向へと林の中へ突き進んでいく。「ここか!!」男の視線の先、そこには一軒の古びた屋台があった。
2015-02-05 22:08:34何処までも果てしなく続く草原と一本の道、黒一色のジャージに段ボール製の鎧を身に付けた男が、そびえ立つ奇妙な塔へと、歩いていた。
2015-02-05 22:09:16「ここが入り口か...」三メートルはあろうかと思われる巨大な扉が目の前にある。手の届く位置に付いたドアノブが反って不自然に思われた。
2015-02-05 22:09:39「大丈夫!?」何者かが男に心配そうに声をかける。「...あぁ、一応...」そう答えながら男は声のした方を見る。
2015-02-05 22:11:28そこには一人の男がいた。歳は男と同じくらいであろうか。上下土のような茶色の服に、フードの付いた黒く短いマントを左肩にかけている。 pic.twitter.com/TQf8zYXRcw
2015-02-05 22:12:13「人...人だっ!」男は思わず声をあげる。人がいたのだ。これでこのおかしな場所が何処なのかわかる。うまくいけば元の町へ帰ることが出来るのだ。
2015-02-05 22:13:08「...え、えーと、ここはダンジョン。タワーオブスンだよ!立て札を見なかったの?」(立て札?)男は振り返り、開け放たれたままになっている扉の外を見た。確かに木でできた小さな立て札のようなものが見える。
2015-02-05 22:14:38男は再びフードの男に向き直り、聞き返した。「ダンジョン!?タワーオブスン!?ここは、遊園地か何かか!?」「だから、ダンジョンだよ!地獄へと繋がる道、死んだ人が通る道さ!」
2015-02-05 22:15:05「...地獄へ繋がる...」男はここに来る前のことを思い出した。透け通る体...そして、恐ろしい考えが彼の頭をよぎる。「俺は...俺は死んだのか!!??」男の勢いに押され、フードの男は壁際に追いやられる
2015-02-05 22:15:34「お、落ち着いてよ!君は死んでない!死んだ人ってのはね、存在感が極薄なんだよ!」男は一瞬ホッとしたが、すぐに混乱の最中へと引き戻される。
2015-02-05 22:15:58フードの男が言う。「君、もしかして外から来たの?」「ああ、そうだ。いろいろ聞きたいことがあるんだ。お前は誰だ?ここで何をしている?ここは、日本じゃないのか?」男は一度に捲し立てる。
2015-02-05 22:16:23