10周年のSPコンテンツ!

少女漫画の背景空間について

少年漫画の根本的な違いは、1画面における情報量の多さと多重な表現レイヤーをぶっこんである点。変形コマ割、コマ破り、断ち切り、セリフとモノローグ、心象表現記号の併存、これらは「女性の方が平行処理が得意」といわれるマルチタスク脳機能と結びついているのかもしれないが、この多重情報画面構成の多用は、読書の流れや認識空間を反映していると思われる。が、この10年ほどの間に少女漫画独特と言われる表現はやや弱まっているように感じられる。
お城 少女マンガ 建築
30
建築エコノミスト森山 @mori_arch_econo
「少女漫画の背景空間について」早稲田大学文化構想学部文芸ジャーナリズム論系雑誌「At」さんの取材を受けた。少年漫画の根本的な違いは、1画面における情報量の多さと多重な表現レイヤーをぶっこんである点。変形コマ割、コマ破り、断ち切り、セリフとモノローグ、心象表現記号の併存、これらは
建築エコノミスト森山 @mori_arch_econo
少女漫画の背景空間②これは「女性の方が平行処理が得意」といわれるマルチタスク脳機能と結びついているのかもしれないが、この多重情報画面構成の多用は、読書の流れや認識空間を反映していると思われる。が、この10年ほどの間に少女漫画独特と言われる表現はやや弱まっているように感じられる。
建築エコノミスト森山 @mori_arch_econo
少女漫画の背景空間③1画面での多重表現以外ではシリアスキャラ(物語上でのリアル)とデフォルメキャラ(本音の気持ち)の使い分けによる変身、共存、対話、葛藤などもあげられる。以前はこのキャラが同時に存在し本音と建て前をうまく表現していたが、最近このキャラクター替えという作品も増えた。
建築エコノミスト森山 @mori_arch_econo
少女漫画の背景空間④「スイッチガール!!」は「オンとオフ」を自在に使い分ける女子高校生田宮仁香のオンモード時のカリスマもてギャルっぷりと、オフモードにおける肩の力を抜いた生活臭あふれるダメっぷりな姿のギャップが面白い。小学生時代の友達の姉ちゃんがみんなそうだったことを思い出した。
建築エコノミスト森山 @mori_arch_econo
少女漫画の背景空間④欧州趣味と復古趣味というものがある。70年代に登場した超大作群、ベルサイユの薔薇、ガラスの仮面、ポーの一族、風と樹の詩、日出処の天子で描かれるファンタジー上の別世界の世界観やリアリティを生み出しているのは様式建築を扱った圧倒的な描写である。いわゆる「お城」だ。
建築エコノミスト森山 @mori_arch_econo
少女漫画の背景空間⑥ベルサイユの薔薇はフランス革命という史実に基づきバロック様式の宮殿建築を忠実に描く。連載当時の日本人一般にとっては海外旅行か憧れであった時代であり、欧州、フランス、宮殿という実在の建築はファンタジーとリアルを架橋する。いつかは行けるかもしれない世界だから。
建築エコノミスト森山 @mori_arch_econo
少女漫画の背景空間⑦少女漫画は手塚治虫「りぼんの騎士」から始まったといわれる。であるなら、その始めからお城と少女漫画は臍の緒のように繋がっている。さらにはサファイア王子は男性として育てられた王女でもありトランスジェンダー問題まで繋がっている。
建築エコノミスト森山 @mori_arch_econo
少女漫画の背景空間⑧少女漫画に登場する「お城」には建築的に面白い傾向がある。それは同じお城なのに遠景、近景、内部で違う様式を混ぜてあることだ。遠景では針葉樹の森に合うゴシック様式、近景ではアーチや石積みが映えるロマネスク様式、内部は華やかなバロック様式になっているケースが多い。
建築エコノミスト森山 @mori_arch_econo
少女漫画の背景空間⑨ゴシック建築元の語源はゴート民族風(野蛮なワイルドな)という意味なのだけれども、日本人が「ヨーロッパの森の中のお城」というイメージにもっとも近い建築スタイル。とにかく「尖ってれば」ゴシック様式と思っていいでしょう。 pic.twitter.com/gJ3b7hMtjc
拡大
建築エコノミスト森山 @mori_arch_econo
少女漫画の背景空間⑩ロマネスク建築は「ローマ風の」という意味、日本人がヨーロッパ中世と感じる雰囲気をもっとも表している。アーチが連続しており窓は小さい、素材は石積みそのままといった素朴さを残している。南仏やイタリアの田舎の城のイメージ pic.twitter.com/GMDJoQ1NOs
拡大
建築エコノミスト森山 @mori_arch_econo
少女漫画の背景空間⑪バロック建築は「歪んだ真珠」の意味どおり複雑さと多様さを絵画や彫刻との組み合わせで総合的に空間構成したもの。ドーム天井に天使の絵が書いてあったり、柱の角は二重三重にゴテゴテと枠取られたりする。金箔も用いられる。 pic.twitter.com/49AWrfI7zY
拡大
建築エコノミスト森山 @mori_arch_econo
少女漫画の背景空間⑫たとえば、一条ゆかり先生の「有閑倶楽部」に登場する建築は本体はロマネスク建築だったが入り口部分のステンドグラス入りの聖堂風味にゴシック建築で増築されている。でも内部は現代的にアールデコとモダニズムで改装されている。 pic.twitter.com/RnqGwt0Bo8
拡大
建築エコノミスト森山 @mori_arch_econo
少女漫画の背景空間について「お城編」はなんか面白くなってきたので、今度まとめて分析してみたいと思います。

コメント

えびとろあなご蒸し@ロボガZポセス鯖 @ebitoro 2015年3月4日
 旧世代の作品しか目が行ってないと感じるのは自分だけですかね? 確かに取り上げられるケースは多いですが最近ではもっと庶民的空間の扱いが増えてますけど。
えびとろあなご蒸し@ロボガZポセス鯖 @ebitoro 2015年3月4日
 むしろ喩えるなら舞台芸術の日常背景化が正しいと思う。
ちいさいおおかみ〜クリアカード編〜 @siu_long 2015年3月4日
少女マンガの始祖は手塚じゃないんだけど。これ知らない人余りにも多くて困る。
ちいさいおおかみ〜クリアカード編〜 @siu_long 2015年3月4日
この人にはもっと別の面から、例えば、作家の男女による違い(和田慎二と美内すずえの違い)とかをも論じて貰ったら面白いだろうな。建築家としての専門的な知識で漫画の建築様式を論ずるの。
ちいさいおおかみ〜クリアカード編〜 @siu_long 2015年3月4日
後、この論争には是非ともオーサを絡めるべき。彼女は北欧のスウェーデン人だから日本人とは別の視点持ってるし。
ログインして広告を非表示にする
ログインして広告を非表示にする