「フジ・サン・ライジング」 #4

B・ボンド&P・モーゼズ作。ネオサイタマを舞台としたサイバーパンク・ニンジャ活劇「ニンジャスレイヤー」の私家翻訳物 詳細はこちら http://togetter.com/li/73867
ニンジャスレイヤー
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(これまでのあらすじ)オバンデス航空の旅客機内では恐るべき応酬が行われていた。後継者に予定していた男がソウカイヤの傀儡である事をナンシー・リーの直訴によって知らされたディンタキ社長は激怒する。
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しかし油断なきダークニンジャは既に手を打っていた。彼が機内に潜入させたロシア人ニンジャ「サボター」は恐るべきパンキドーの使い手だった。SPを殺害しナンシーを縛り上げたサボターは、旅客機の爆破をちらつかせ、ディンタキ=サンを強要。後継者委任のハンコを入手する。
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ディンタキ社長の遺志もむなしく、サボターは社長を無情に殺害したのち、証拠隠滅のため旅客機を結局のところ爆破することをなんのためらいもなく宣言。サボターの卑劣非道に憤るナンシーの呪詛が届いたか、旅客機の窓には並行して飛ぶセスナ機、そして、逆さまに顔を出した「忍」「殺」のメンポ……!
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サボターは悲鳴をあげた。彼は窓の強化ガラス一枚を隔て、逆さまにぶらさがった顔と対面していた。その顔は、セスナの禍々しい意匠と同じ「忍」「殺」と彫られたメンポに隠されていた。「地獄の猟犬がつきまとう」ナンシーは冷たい声で、繰り返した。「許される事はない」
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「アイエエエエ!アイエエエエエ!アイエエエエエ!ニンジャ!ニンジャ……スレイヤー!?」サボターはバク転して窓から飛び離れ、左足を上げ右手を前につき出した姿勢の「パンキ第一防御の構え」を取った。「シトー!なぜこんなところに!」
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逆さに顔を見せた赤黒のニンジャはすぐに窓から見えなくなった。次の瞬間、振り子のように繰り出された両脚が窓の強化ガラスを一撃で粉砕、殺気の塊が機内へ飛び込んできた!とたんに、気圧差でファーストクラスの調度や秘書の死体、SPの死体が外へと吸い出される!
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「Nooo!」縛られたナンシーは必死でそれらと運命を同じくされる事から逃れようともがいたが、力及ばず!ナムサン、吸い出されかかる!しかし侵入ニンジャは片手でナンシーの体を掴み、抱きかかえた!「ニ、ニンジャスレイヤー=サン」ナンシーは震えながら赤黒のニンジャの顔を見上げた。
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自由な方の手で、赤黒のニンジャは侵入時に持ち込んだバイオ強化フロシキを拡げ、割れた窓の枠に沿って無数のスリケンを投擲。難なく穴を塞いでしまった。タツジン!スゴイ級のダイク・アーキテクトにも無理な処置である!
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「ウワサにたがわぬ命知らずですねあなた!ソウカイ・シンジケートに楯突くイジオーット。ここは高度何メートルですか?あんなセスナで?スマー・サショール(狂っているのか)!?」パンキ第一防御の構えを持ち前のニンジャ平衡感覚で維持しつつ、サボターがまくし立てた。
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赤黒のニンジャはナンシーを床に下ろし、冷徹にオジギした。「ドーモ、ハジメマシテ。ニンジャスレイヤーです」サボターはしかし、パンキ第一防御の構えは崩さない。シツレイ!彼は日本的な礼儀作法を本質的に軽蔑しているのだ!「オーチン・プリヤートナ、ニンジャスレイヤー=サン。サボターです」
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「ニンジャ殺すべし」ニンジャスレイヤーは即座に言い放った。「どうして私がここに?それはオヌシを殺す為だ。だがオヌシを絶望させる為に、もう一つ教えてやろう」そして、足元にポラロイド写真を投げつける。太ったサラリマンが後ろ手に縛られ、膝をついた写真だ。
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「ア、アイエエエ!?キロバキ=サン!?エータ カーク ジェ!」写真を見たサボターは動揺のあまり、パンキ第一防御の片足立ちのバランスを崩しそうになった。「イヤーッ!」すかさずニンジャスレイヤーがジャンプからの回し蹴りを放つ!
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「パンキ!」ナムサン!またしてもパンキ・ジャンプだ!大の字に両手足を開いたサボターは横跳びに蹴りをかわす!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはすかさずスリケンを投げる!「パンキ!」「イヤーッ!」さらにスリケンを投げる!「パンキ!」「イヤーッ!」さらにスリケンを投げる!「パンキ!」
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「イヤーッ!」「パンキ!」「イヤーッ!」「パンキ!」「イヤーッ!」「パンキ!」ニンジャスレイヤーはスリケンを投げては側転し、サボターはそれをそのつどパンキ・ジャンプで避ける。その応酬は果てしなく続くかと思われた。ニンジャ持久力に「スタミナ切れ」という概念は通常、存在しないのだ。
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しかし!「グ、グワーッ!?」パンキ・ジャンプの着地時にサボターは体制を崩し、床を転がった!「グワーッ!」おお、見よ!サボターのロシア風足袋の裏には禍々しいトゲの塊が刺さっている。これぞ平安時代のニンジャが用いやがて失われた道具…地面に撒いて機動力を封じる非人道武器「マキビシ」だ!
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「チョ、チョルト!」サボターは痛みにのたうちまわった。「チョルト・バジミー!シトーエータ?」タツジン!ニンジャスレイヤーはスリケンを投げながら、抜け目なくこの非道な武器を床に撒いていったのである。さながらゲイシャ・スパイダーが松の木の枝あいに巣を張るが如く……!
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「ソウカイヤのにわかニンジャがこの奥義を知らんのも無理はない」ニンジャスレイヤーは冷たく言った。ナンシーはその言動に言い知れぬ不安を覚え、メンポの奥のニンジャスレイヤーの目を見た。だがキユウ・アングザイエティだった。あのセンコ花火のような狂った目ではない。理性の光があった。
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「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはカラテ的なストンピングでサボターを仕留めにかかった!「パ、パンキ!」サボターはマキビシ地帯から離れるように床を横にゴロゴロと転がる。パンキドーの特殊回避動作、ワーム・ムーブメントである!
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脳天を踏み砕かれる寸前で、サボターはニンジャスレイヤーのストンピングを避けた。シブトイ!そのままゴロゴロと丸太のように高速で床を転がり、寝たままの姿勢で陸揚げ直後のマグロのようにジャンプすると、フートンの向こう側へと滑らかに着地した。
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「クラースヌィースニェクパイシオット!」サボターは毒づき、嵐のようにロシア風スリケンを投げつける!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは膝を抱えた姿勢で前転ジャンプし、連射されるロシア風スリケンを避けた。そのままカカト落としでサボターの脳天を狙う!
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「パンキ!」サボターは稲妻のような速度で前後に開脚して姿勢を下げると、フートンの端を掴み、頭上へ投げた。フートンは柔らかい遮蔽物となって、振り下ろされるニンジャスレイヤーのエリアル・カカトを包み込んだ!「パンキ!」とっさにサボターはワーム・ムーブメントで部屋の角へ退避する!
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「フバーチット!」サボターが叫んだ。「もう十分です。こんなくだらないカラテ比べ、私付き合うしません。旅客機ごと、あなたおさらば、私さよならする!」サボターは再び起爆装置を取り出した!
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「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはスリケンを投げた。サボターはニンジャスレイヤーをまだまだ侮っていたのだ、早撃ちのガンマンめいたその投擲速度は瞬きよりも速く、ボタンを押し込もうとするサボターの親指に命中、吹き飛ばした!「グワーッ!」ケジメ!投げ出された起爆装置が宙を飛ぶ。
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コメント

オスツ🍣 @alohakun 2010年12月12日
「フジ・サン・ライジング」 #1 http://togetter.com/li/77727 「フジ・サン・ライジング」 #5 http://togetter.com/li/78125
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