「見えない放射線を見てみよう」(けいはんな科学体験教室2015)
昨日2月7日は、けいはんな地区で行われた科学実験教室「けいはんな科学体験フェスティバル2015」kscan.jp/fes2015 というところで放射線の可視化実験などをやってきました。主催はK-SCAN「けいはんな科学コミュニケーション推進ネットワーク」という団体。
2015-02-08 21:43:53液体シンチレータを自然環境に置いて、そこを通る放射線の信号をオシロスコープで見ると、驚くほど多く(1L程度で毎秒数百個くらい)の信号が見えるのだが、これは全部、いわゆる自然放射線。大部分はカリウム40からのγ線だ。毎秒数個くらいの割合で見える巨大な信号は宇宙線のμ粒子である。
2015-02-08 21:53:09@Jem0211 詩、ですか。本当に不思議の感に打たれます。こんなのが自然環境なんだということに。。。
2015-02-08 21:55:51液体シンチレータのいいところは、ある程度の大きさがあると、カリウム40からのγ線と、宇宙線のミューオンを、オシロスコープで簡単に見分けられること。大量に見えるのがカリウム40からのγ線。それはセシウム137の線源を近づけることで、よく分かる。あぁこの程度の信号しか見えないのだと。
2015-02-08 22:01:59液体シンチレータを通過する自然放射線のうち、信号が比較的小さいのはカリウム40からのγ線である。他方で、巨大な信号は宇宙線のμ粒子(ミューオン)。ミューオンが巨大な信号である理由は、ミューオンは大きな体積の液体シンチの全部を通過して巨大な信号を出すからだ。ミューオンは止まらない。
2015-02-08 22:07:27こうして液体シンチレータを使うことで、自然のγ線と宇宙線μ粒子の特徴を、同時に目に見えるようにすることができる。β線を可視化するには、β・γ用のガイガーカウンタを使う。α線を見るには、やはり霧箱が最適だ。こうして放射線を目でみることで、放射線も目に見えるようになるかもしれない。
2015-02-08 22:18:10@y_mizuno ミューオンは電荷を持っているから、γ線より大きな信号を出す と理解していいでしょうか?
2015-02-08 22:11:57@kafukanoochan γ線も、結局は電子を蹴飛ばして、それでシンチが光って、それを見ているわけですよね。なのでミューオンが電荷を持って、それで見えるのと同じと言えば同じかと。違いは、γ線はエネルギーが低いので出来る電子もすぐ止まるが、ミューオンはシンチ全体を貫通すること。
2015-02-08 22:22:05ここで環境(カリウム40)からのガンマ線と、宇宙線のミューオンの、測定器での見え方の違いをはっきりさせるには、液体シンチレータがよいと書いているが、もちろん固体シンチレータでもよい。ポイントは、測定器の体積が大きければよいということ(液体か固体かはこの場合は関係しない)。
けいはんなの科学体験フェスティバル2015の会場で、置いておいた霧箱が最初は見えにくかったが途中から、感動的によく見え始めた。長時間、霧箱と付き合って、どうすれば機嫌がよくなるか理解(たぶん)できて、それも思わぬ収穫(苦笑)。もちろん、天然トリウムからのアルファ線を見る場合。
2015-02-08 22:30:32「霧箱」で見えるアルファ線。plus.google.com/photos/1117716… 場所:「けいはんな科学体験フェスティバル2015」会場(2015年2月7日、けいはんなプラザ)、撮影者:坂本彰弘氏(元国立天文台)。(この動画の公開にあたっては、撮影者である坂本先生の了解を得ています。)
2015-02-12 02:01:52昨日2015/2/7のけいはんな地区で行われた科学体験フェスティバルのプログラム:kscan.sakura.ne.jp/wp-content/upl… 私たちのブースはB-7。元国立天文台の坂本彰弘先生に協力をいただき、最初に「宇宙と星の話」から宇宙線のμ粒子につなげて、放射線の可視化実験をやりました。
2015-02-08 22:52:35@y_mizuno どうぞ、ご自由にお使いください。 ところで、また疑問なのですが、 霧箱でX線の飛跡なんて聞いたことないですが、 X線は、γ線より吸収されやすいように思えます。 だったら何故、飛跡ができないのでしょうか? (Togetterに追加して頂いてもかまいません)
2015-02-12 20:15:52@kafukanoochan はい、X線でもγ線でも、霧箱に軌跡は少し出来ますが、頻度が低くてよく見えない、軌跡が細いのでよく見えない(α線に比較して)と思います。実際γ線は液体シンチや固体シンチで計数できますから、気体でも原理的には出来ます。その例がガイガーカウンターですよね。
2015-02-12 21:28:57光子(X線やγ線)が物質中を通過するときの吸収係数。横軸は光子エネルギー、縦軸は吸収係数(単位g/cm^2)。例:137Csの662keV・γ線の吸収係数は図から約15g/cm2。これは鉄の場合2cm厚で約1/2.7の減衰を意味する。 pic.twitter.com/qx09TAV4QV
2015-02-12 21:20:21図「光子吸収係数のエネルギー依存性」twitter.com/y_mizuno/statu…の出典:"Review of Particle Physics (PDG)" pdg.lbl.gov/2014/reviews/r… 日本語ではこの付近 rist.or.jp/atomica/data/p…(逆数)
2015-02-12 21:24:25@kafukanoochan 実際に、X線がどの程度(例えばγ線に比較して)吸収されやすいかを示したのがこの図です。twitter.com/y_mizuno/statu… ここで気体が空気だとすると、炭素Cに近く(Siより大分止まりにくいから)1MeVも100keVもあまり変わりません。
2015-02-12 21:41:41@kafukanoochan ちなみに普通にレントゲンなどで使われるX線(制動輻射で、クーリッジ菅で発生させるX線)のエネルギーがどの程度か、というと、およそ100keV程度のようです。rist.or.jp/atomica/data/p…
2015-02-12 21:50:39@y_mizuno ありがとうございます。 うろ覚えですが、 m=pc=hc/λ に近い質量の原子が、 一番よく吸収する と昔、習いました。
2015-02-12 21:50:29これはおそらく、光子のエネルギーが、物質中のK殻電子の束縛エネルギーに(およそ)一致すると、吸収されやすい(一番よく吸収する)ということだと思います。その現象は起こります。@kafukanoochan m=pc=hc/λ に近い質量の原子が、 一番よく吸収する と昔、習いました。
2015-02-12 21:57:43@y_mizuno ということは、電子の対生成は、生じませんね。 γ線が作る飛跡の成因とは、ここが違う ということでしょうか。
2015-02-12 21:54:29