ATM統合の変遷 by @tsuchie88

相互接続も含めたATM統合の変遷です。
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相互接続も含めたATM統合の変遷です

怪僧つっちーさんのアイコンです。

(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

銀行のキャッシュカード提携システムは、NTTデータの提供する統合ATMスイッチを使って相互接続されているのだが、内部的には業態別に構築されたシステムと、業際相互接続システムMICSによって接続されている。例えば、地銀のACSと第二地銀のSCS、信金ネットは80年稼動

2015-02-14 20:23:59
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

これに対し、信託銀行のSOCSは83年、JA/JFと労金のROCSは84年、信組のSANCSは87年、長信銀と商工中金のLONGSに至っては96年稼動開始と構築時期がバラバラで、業際相互接続もLONGSと接続できるのはBANCSとSOCSのみと制限がある

2015-02-14 20:27:02
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

シティバンクのATM無料サービスを真似た新生銀行が、長いことATM提携が都銀・ゆうちょのみだった最大の理由が、旧長信銀なのでLONGSと接続できる金融機関に制限があったため。シティバンクは、都銀ではないがATM接続はBANCS経由の接続になっている

2015-02-14 20:29:06
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

ところで、都市銀行のキャッシュ提携システムBANCSのサービス開始は84年。ACS(80年)と比べてずいぶん遅いような感じがするが、元々BANCSの前身としては80年に稼動したSICSとTOCSというシステムがあった。業際統合システムMICSが稼動するのは、90年

2015-02-14 20:33:44
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

SICS加盟行は、協和、埼玉、大和、東海、北拓、太陽神戸の6行で、いずれも下位都銀とか非財閥系の地方都銀といった感のある金融機関。これに対し、TOCS加盟行は、三井、三菱、住友、富士、第一勧業、三和、東京で、いずれも上位都銀あるいは財閥系都銀

2015-02-14 20:38:46
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

といっても、東銀がTOCS加盟行ってのが未だによくわからんのよね。確かに、都銀(普通銀行)ではあるのだが、外専銀を兼ねていて資金調達は金融債発行に頼っていて、普通預金口座の開設に債券購入を求められたような銀行。当然、個人の取引相手は富裕層が多かった

2015-02-14 20:46:23
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

当然に、同じ都銀なのに、経営規模によって二つのキャッシュ提携システムに分かれていたのは利便性を大きく害していた。MICSがなかったので、顧客は相互にATMを使うことが出来なかったので、両者を統合する形で発足したのがBANCS政治的な理由(外圧)でCitiはBANCS接続

2015-02-14 20:47:56
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

LONGSが稼動したのは96年ってのは、まぁBOT以上に金融債発行が主で、そもそも預金取引を行う個人が少ない(ほとんどが証券会社経由での購入か、本券購入が主)ってのが理由だろうねぇ 稼動から2年後、長銀と日債銀が経営破綻し、興銀もみずほに参加したので

2015-02-14 21:05:57
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

長信銀は全て普通銀行に転換し、特殊法人だった商工中金も株式会社化された今となっては、LONGSを維持する意味ってのがよくわからない。BANCSに入れてもいいんじゃないのかなぁと思ったりする

2015-02-14 21:08:21
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

それ以前に、業態別で接続契約が異なるという、現在のシステム形態が正しいのか、という問題にもなるわけだが。業態別のシステムは、個別のシステムを構築していたという歴史的な経緯があるのだが、現在はハード的には統合ATMスイッチに統合されてるので、契約だけの問題

2015-02-14 21:10:22
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

あとは、NTTデータとのデ通サで構築されたシステムなので、システムそのものに対する所有権がなく、定期更新のときじゃないとシステム更新ができない(原則)という問題もある。このところは、全銀ネット(内国為替システム)も同様の問題があるが、次期シスで大きく改善される

2015-02-14 21:12:13
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

ATM提携網というのは、日本はかなり独自な感じで構築されているのだけど、欧米の場合だと基本的にクレジットカード系のシステムに乗っているか、独自で構築してるかのどちらかになる。後発だからスコッときれいなシステムが、中国の銀聯で米国や欧州のようなカオスさがない

2015-02-14 21:19:27
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

日本の場合だと、キャッシュカード提携システムがMICSを頂点とした統合ATMスイッチになったのに対し、クレジットカードのトランザクションは、国際カードブランドが提供する提携網じゃなく、NTTデータのCAFIS経由で分断されてる。JデビットもCAFIS経由やね

2015-02-14 21:28:56
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

JCBとかは独自の網を構築してるわけだが

2015-02-14 21:29:24
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

中国の銀聯は基本的にはATM相互提携システムからはじまったもの。ついでに、デビットシステム載せてて、少しずつクレジットカードのトランザクションを拡大していった。元々、ほぼ中国全土をカバーする四大銀行とはいえ統合基幹系システムがなかったので、同じ銀行内でも昔は引き出しができなかった

2015-02-14 21:31:53
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

キャッシュカード提携システムの時系列がよくわからん、と文句が飛んできたので表にしてみた。10分で作ったけど文句は言うなよ。緑で塗った90年2月はMICS稼動。04年1月は統合ATMスイッチ稼動の年 pic.twitter.com/53gXTtlXSq

2015-02-15 19:04:37
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(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

ちなみに、さっきたまたまジャスコに行ってきて、イオンATMで新生銀行のキャッシュカードを使ってお金を下ろそうとしたけどできなかった。新生銀行は旧長信銀なのでLONGS加盟行、イオン銀行は直接提携以外の提携はみずほ銀行のシステムを経由してBANCS接続。なので土日は5時以降使えない

2015-02-15 19:14:45
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

わしの知る限りでは、イオン銀行はみずほ銀行、ジャパンネット銀行とソニー銀行はSMBC経由でBANCSに接続しておるので、直接提携していない限りは、BANCSまたはMICSの稼働時間で制限を受ける

2015-02-15 19:17:11
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

コンビニATMのうち、セブン銀行とイオン銀行は銀行免許を取得しているので、ATMOC直結以外の非提携接続は、直接または間接的に業態網に接続できる(セブンはBANCS直結)。一方で、LANSとENETはあくまで共同利用ATMであって、それぞれのATMごとに主幹事銀行が存在する

2015-02-15 19:20:19
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

なので、非提携金融機関との接続は、主幹事銀行の接続するネットワークによる制限を受ける。とはいえ、ENETやLANSは、都銀もしくは地銀が主幹事銀行なので、BANCSかACSの接続になるので大半は問題はない

2015-02-15 19:22:03
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

問題があるとすれば、旧長信銀だ。LONGSはMISC経由での接続は、BANCSかSOCSに制限される。つまり、コンビニATMの主幹事銀行が都銀(BANCS経由)の場合は、MICS経由で旧長信銀のキャッシュカードが使える。一方、主幹事が地銀(ACS経由接続)はダメ

2015-02-15 19:24:14
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

例えば、ゆうちょ銀行は全銀協に加盟はしているが、業態協会がないのでキャッシュカード提携網には接続できないが、全銀協加盟なので全銀ネットには接続できる。新銀行東京は全銀協加盟ではないがオブザーバ資格で全銀ネットには接続できてるが、キャッシュカード提携網には参加できない

2015-02-15 19:28:16