- akinosora_
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@togetter_jp いい例がアーサー・C・クラーク。あの人のSFは科学は出てくるけど、ちっとも難しくない。『渇きの海』なんて若い頃に読んで、「こんな面白い小説があっていいのか!」と思ったぐらい。ラストの「よくぞもってくれた──いままで」で泣けた。
2015-02-19 15:44:33@togetter_jp クラークは「太陽からの風」とか「メデューサとの出会い」とか『楽園の泉』とか『2001年宇宙の旅』とかもそうだけど、科学を知らない素人にも分かるように平易に書いてる。決して読者を置いてけぼりにしない。僕もそういうSFを目指してる。
2015-02-19 15:48:24@togetter_jp だから北上次郎さんが『神は沈黙せず』を評して、「これ昔読んだSFなんですよ」と言ってくださったのは嬉しかった。昔のSFは読んで感動したけど、その感動を思い出したと。それはまさに僕の意図したことなんで。
2015-02-19 15:58:08@togetter_jp そりゃあ僕もグレッグ・イーガンとは好きだけど、あれを初心者におすすめできない。『ディアスボラ』なんて、バーナード嬢じゃないけど「わからないにもほどがある」。ああいうのは濃いSFファンしか読んじゃだめ。
2015-02-19 16:13:52@togetter_jp すみません、告白しますが、『白熱光』は途中で挫折しました(笑)。人生も残り少なくて、読める本は限られてるんだから、この小説を解読しながら読む時間で、他の本を何冊も読んだ方がいいと。
2015-02-19 16:16:08@togetter_jp 僕はSFを濃いSFファン向けに書いてない。難解な用語が出てきたら、必ず解説入れる。SFや科学を知らない人でも理解できるように書いてるつもり。なぜならSFを愛してるから。もっと多くの人にSFを読んでほしいから。
2015-02-19 16:20:05@togetter_jp 『プロジェクトぴあの』には難解な科学用語が羅列するくだりがあるけど、あれはぴあのの天才性を印象づけるために、わざと読者に分からないように書いてる。あれ、半分以上デタラメですから、信じないように(笑)。
2015-02-19 16:23:53@togetter_jp 『アイの物語』のTAI同士の会話とかもそうで、あれは「何となく分かりそうで何言ってるか分からない」という言葉を創作してる。TAIの思考は人間とは異質で、人間には彼らの会話の意味が分からないということにストーリー上の必然性があるんで。
2015-02-19 16:28:40@togetter_jp だから僕の書くSFは初心者にも分かりやすいはず。もし、あなたが読んで分からない点があるとしたら、それは故意に分からなくしてる箇所なんで、「分からない」のが正解。お分かりいただけましたか?
2015-02-19 16:35:31@togetter_jp 話を戻そう。ある本がなぜベストセラーになるのかが「分からない」という話。実はある本がなぜベストセラーにならないのかも「分からない」。
2015-02-19 16:37:01@togetter_jp いい例が、前に僕のブログで紹介したアーネスト・クライン『ゲームウォーズ』。hirorin.otaden.jp/e409011.html アメリカでは大ヒットして、映画化も決定してるのに、なぜか日本ではまったく話題にならない。
2015-02-19 16:44:14@togetter_jp 『SFが読みたい! 2015年版』でもベスト20に入ってない。つまりSFファンでさえ読んでない。こんなに面白いSFなのに!
2015-02-19 16:45:16@togetter_jp 「アメリカ人好みだから日本人に合わないのだろう」という解釈も成り立たない。出てくる日本ネタは、むしろ日本人の方が楽しめる。レオパルドンや、クライマックスの●●●●●ン対●●●●ラの夢の対決とか、主人公から「笛」からマグマ大使を連想するとことか(笑)。
2015-02-19 16:48:51@togetter_jp プロットにしても、社会の最下層にいた少年が、ビデオゲームの腕前とオタク知識でもって世界の頂点に昇りつめてゆく(途中でヒロインとのロマンスもあり)という、まさに日本のラノベそのままなんだよね。でも受けなかった。と言うより、読まれなかった。
2015-02-19 16:52:12@togetter_jp 『ゲームウォーズ』という邦題がダサいという意見もあるけど、原題の『READY PLAYER ONE』というのも、そんなにかっこいいタイトルというわけじゃない。amazon.com/dp/0307887448 pic.twitter.com/tetPveaSnm
2015-02-19 16:58:30@togetter_jp つまりこの小説は、日本でヒットしなかった理由が見当たらない。唯一、考えられる要素は、SB文庫というのがマイナーなレーベルだから……ということぐらいだけど、マイナーなレーベルから出た本がベストセラーになることも珍しくない。
2015-02-19 17:03:02@togetter_jp ちなみに僕がこの小説を買ったのは、書店で手に取って、あらすじ紹介を読み、「面白そうだ」と思ったから。おそらく、ほとんどの人は、この本を手に取ることさえなかったと思われる。
2015-02-19 17:04:54@togetter_jp AMAZONのカスタマーレビューがたった6件ってのは泣けるわ。原著では4683件もあるっていうのに。amazon.co.jp/dp/4797365250/
2015-02-19 17:09:53@togetter_jp つまり『ゲームウォーズ』が日本でヒットしなかったのは不幸な偶然だ。まあ、映画が完成して日本でも公開されたら再評価されるのもしれないけど。
2015-02-19 17:11:18@togetter_jp 今日はこれぐらいにしときます。やっぱりツイッターって長文には向かない……。
2015-02-19 18:11:24 ・
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昨日の話の続き。当たり前だけど、「何がヒットするか分からない」からといって、ヒットさせようという努力を怠ってはいけない。だから本のタイトルなんかも、少しでも注目を集めようと、いろいろ考える。
2015-02-20 09:15:49@hirorin0015 たとえば『神は沈黙せず』は、執筆中は『神のメッセージ』という平凡な題だった。書き上がった後で、編集さんに「タイトルが誤解を招く」とか言われて(確かに)、違うタイトルを懸命に考えた。確か2日ぐらい悩んだと思う。ようやく思いついたのが『神は沈黙せず』。
2015-02-20 09:20:01@hirorin0015 『時の果てのフェブラリー』の初期タイトルは『赤方偏移世界』。今から思うと、よくこれをライトノベルのタイトルにしようと思ったな自分(笑)。これも編集さんに言われて『時の果てのフェブラリー』に変え(やはり何日か悩んだ)、「赤方偏移世界」は副題に。
2015-02-20 09:22:07@hirorin0015 最近は学習して、目立つ(であろう)タイトルを最初から考えるようにしてる。『去年はいい年になるだろう』とかも、最初からすんなり決まった。
2015-02-20 09:25:32