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金田一耕助 140字の冒険

ツイッターの上限文字数である140字以内で、横溝正史の金田一耕助もののパロディ掌編を書くというお遊びをまとめました。 隠しテーマとして「俳句・和歌」をモチーフにした掌編ということで、二重三重のパロディになっています。
文学 小説 書籍 横溝正史 百人一首 松尾芭蕉 金田一耕助 小林一茶
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風々子 @fuufuushi
論創社のホームズパスティシュ集を読んでいる。マザーグースをホームズもののナンセンス掌編に仕立てるというアイデアに感心した。これって横溝クラスタにも応用できるのでは。有名な和歌や俳諧を金田一耕助ものの掌編にするとか。
俳句・和歌の部
風々子 @fuufuushi
頭をかきむしりながら探偵は叫んだ。「け、け、け、警部さん!分かりますか。これは、五月雨の集積ですよ。つまり、こ、この小川は、最上川の見立てなんです!」
木魚庵 @mokugyo_note
「な、なんですって」金田一耕助は竜田川関の告白を聞いて脳天から鉄串を刺されたかのように驚いた。 「すると、この水死体が花魁千早のなれの果てだというんですね」 「へえ、あっしが落ちぶれた千早にオカラも恵んでやらなかったばかりに」 「遺書にあるとはというのは?」「とはは千早の本名で」

モチーフは百人一首「千早振る神代もきかず竜田川からくれなゐに水くぐるとは」(在原業平)及びその歌をもじった落語「千早ふる」

子夜 @mi_chnia
「待っても待っても来ない相手を恋い焦がれたまつほさんはついに…」 「まさか、焼身自殺を…」 「そうです。最後の晩餐に大好きなサンマの藻塩焼きを選んで…」 金田一耕助の語った真相で魚屋の疑いは晴れた。

モチーフは百人一首「来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつ」(藤原定家)

木魚庵 @mokugyo_note
「そ、それで被害者はいまわの際になんといったのですか」金田一耕助がたずねた。 「はあ、それが意識がもうろうとしていたのか、同じことばをくり返し何度も」 「同じことばを…」金田一耕助はごくりと息をのんだ。そこには必ず何かある! 「ええ。松島や、ああ、松島や、松島や、と」
木魚庵 @mokugyo_note
「我々警察は、隠語を使う場合がありましてな」そういいながら磯川警部は煙草に火をつけた。 「はあ、きいたことがあります」 「わざと泳がせている容疑者のことを『蝶々』と呼ぶこともあるのですが、かつてその蝶に逃げられたことがありまして」 「蝶に…?」 「蝶々が韃靼海峡を渡っていった」
風々子 @fuufuushi
耕助は本能的に身をすくめる。と、そのとたん、何やら耳元をかすめてとんだものが、ボチャンと軽い音を立てて古池の中に落ちた。 「蛙!」
子夜 @mi_chnia
「犯人はなぜこんな高い所で犯罪を…」 「目撃者がほとんどいないことが都合良かったのでしょう」 「それにしても、千段を超える石段ですよ」 暑い山形の夏、ただ蝉の声だけが、岩山にしみいるだけであった。
子夜 @mi_chnia
「どうして、どうして本当のことを話してくれないんですか!」 「話せません!」 「だから、どうして…」 耕助の言葉を振り切って男は湯殿に飛び込んでいった。浴衣の袂をぬらして…。

モチーフは芭蕉「語られぬ湯殿にぬらす袂かな」

木魚庵 @mokugyo_note
「すると、放庵さんは罠にかけた雀の供養にと、親のない雀たちを集めては餌をやっていたというわけなんですね」 「そうして毎日雀とあそんでいるうちに、『一話の雀がいうことにゃ』なんて文句を思いついたのでしょうな」 「まさかあの手毬唄自体が、放庵さんの創作だったとは…」 #140字金田一

モチーフは一茶「我と来て遊べや親のない雀」

木魚庵 @mokugyo_note
「ええ、あの娘が空の月をとって見せろといってかわいく泣くもんですから…」 「つい、崖っぷちの手すりから身をのりだして月をとるまねをしたというんですね」 「まさか、その手すりに細工がしてあって、体重をかけると手すりごと真っ逆さまに落ちる計画を立てていたなんて…」 #140字金田一

モチーフは一茶「名月をとってくれろと泣く子かな」

風々子 @fuufuushi
参謀本部編纂の地図をまた繰開いて見るでもなかろう、と思ったけれども、余りの霧じゃから、櫛を通すさえ煩わしい、もじゃもじゃ頭もいつかぐっしょりと露にぬれ、M原の別荘地帯で文字どおり途方にくれてしまった。 探偵はそういって、握拳で額を支えながら俯向いた。 #140字金田一

泉鏡花「高野聖」の冒頭「参謀本部編纂の地図をまた繰開いて見るでもなかろう、と思ったけれども、余りの道じゃから、手を触るさえ暑くるしい、旅の法衣の袖をかかげて、表紙を附けた折本になってるのを引張り出した」のもじり

子夜 @mi_chnia
「金田一さん、そのフケなんとかしてくださらんか」 「い、いや、これはですね、昨日泊めてもらった家にですね、ノミやシラミが沢山いましてね…し、しかも、馬もいたのでうるさくて眠れなかったんですよ」 「そりゃ、家じゃない。番所じゃ」

モチーフは芭蕉「蚤虱馬の尿する枕もと」

一般の部
ある @fox2929
金田一耕助は事件調査のため岡山県玉野市を訪れた。そこは俳優の宅麻伸の出身地であり、いまも残る旧宅麻家別荘地の石燈籠にはこの言葉が残されていた。「宅麻ここに誕生す…」
tokyo-zodiac @machodolagon
昭和23年、獄門島では鬼頭千万太と月・雪・花の三姉妹の三回忌追善法要がしめやかに行われた。金田一耕助にも案内状が届いていたが、折悪しく彼は八つ墓村連続殺人事件の真っただ中にいたため、やっと千万太たちの墓参りに行けたのは翌昭和24年のことだった。 「忌違いじゃが仕方がない・・・」
tokyo-zodiac @machodolagon
等々力「金田一さん、アンタを逮捕せねばならん」 金田一「何故です?」 等々力「銃刀法違反容疑だ!許可証も持ってないのにピストル振り回していたことが『夜光怪人』にハッキリと書かれておる!」 金田一「だ~か~ら~それは山村正夫さんのリライトで、ピストル持ってたのは由利先生ですってば」
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