安倍首相の施政方針演説と「岩倉具視の志」について 《山崎雅弘》

関連するツイートをまとめてみました。 首相の施政方針演説には、毎回さまざまな「偉人の言葉」が並ぶが、それらの言葉を発した人々の「理念」と現首相の政策は一致しているのか、それとも逆なのか。あるいは、演説で引用される言葉は、単に自分の演説に「箔(はく)」をつけるための「飾り」に過ぎず、特に意味は無いのか。
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山崎 雅弘 @mas__yamazaki

2月12日に行った施政方針演説の中で、首相は岩倉具視の言葉を引用して、自分の政策を正当化しようと試みていたが、明治政府の成立直後、岩倉具視を団長とする「岩倉使節団」が欧米各国を歴訪した重要な目的の一つは、関税や領事裁判権などで日本側に不利な「不平等条約」を改正する予備交渉だった。

2015-02-14 15:37:16
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

欧米各国を相手とする「不平等条約」改正の壁は厚く、状況の打開には難題山積だったが、当時の政府首脳の努力で、各国との不平等条約は順次改正されていった。ところが、彼らの努力を全部台無しにしたのが、昭和の戦前戦中にこの国を支配した、首相が決して批判しない「国家神道」体制下の政府だった。

2015-02-14 15:38:54
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

1930年代の国際的孤立と、その帰結としての第二次大戦での破滅的な敗北後、日本は「日米地位協定」などの新たな「不平等条約」を戦勝国(アメリカ)との間で結ばされる結果となった。首相は表向き「戦後レジームからの脱却」と叫ぶが、実際には「不平等条約」の改正には一切手をつけようとしない。

2015-02-14 15:40:06
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

日本にとって何が「屈辱」かと言えば、明治の先人がせっかく実現した「不平等条約の解消」を、戦前戦中の指導者が台無しにして、日本を再び「不平等条約の従属国」に引き戻したことだろう。ところが、首相やその支持者は、そのような歴史的経緯には一切触れようとしないし、おそらく理解もしていない。

2015-02-14 15:41:16
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

現在もなお紛糾する沖縄の外国軍基地問題など、典型的な「不平等条約の弊害」だが、首相は「不平等条約」である日米地位協定には疑問を差し挟まず、不平等に苦しむ自国民の側に一片の理解も共感も示さない。岩倉具視をはじめとする明治日本の政治家が「屈辱」と感じた状況を、首相はそう感じていない。

2015-02-14 15:42:59
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

多くの人が指摘するように、日米地位協定は、独米地位協定や伊米地位協定、そしてイラク戦争後に成立したイラク新政府と米政府の地位協定と比較しても、不平等性がより大きい。イラクの新政府は、米政府に自国の要求を堂々と突きつけた。(連帯ユニオン)bit.ly/1Do3Si9

2015-02-14 15:44:09
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

安倍首相は、昨年1月24日の施政方針演説でネルソン・マンデラ氏の名前を出して「何事も達成(成功)するまで不可能に思える」という氏の言葉を、自分の政策を正当化する道具として用いたが、人種差別的思想の否定や人権の尊重、人間の尊厳の回復というマンデラ氏の思想や理念には全く触れなかった。

2015-02-14 15:45:30
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

実際、首相や閣僚はヘイト団体幹部と繋がりを持ち、首相に近い曽野綾子氏の産経新聞記事での言説が物語るように、彼らは「マンデラ氏の理念」から何一つ学ぶ気がない。日本がアパルトヘイト体制下の南アフリカと最も親密だった時期、日本の外相は現首相の父(安倍晋太郎)で、現首相はその秘書だった。

2015-02-14 15:46:44
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

首相が年頭に行う施政方針演説には、毎回さまざまな「偉人の言葉」が並ぶが、本来の文脈から抜き取って、個別の政策を正当化するための「飾り」として盛り込まれているだけで、それらの言葉を発した人々の「理念」とは全く関係が無い。岩倉具視らの明治の政治家が、日本政府の現状を見れば嘆くだろう。

2015-02-14 15:48:08
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

2015年2月12日の首相の施政方針演説の全文(官邸)bit.ly/1vJXUrg「全ては国民のため、党派の違いを超えて、選挙制度改革、定数削減を実現させようではありませんか。憲法改正に向けた国民的な議論を深めていこうではありませんか」いきなり憲法改正が出てくる。

2015-02-14 15:49:42
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

在沖米海兵隊ロバート・エルドリッジ政務外交部次長が、先月公開されたインターネット番組「チャンネル桜」に出演し、米軍普天間飛行場の周辺で繰り広げられている抗議行動を「ヘイトスピーチ」と批判(琉球新報)bit.ly/1DjOTr9「愛国」を自称する日本の番組での発言。

2015-02-17 15:48:48
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

(続き)「抗議行動について(在沖米海兵隊のエルドリッジ政務外交部次長は)『県民、日本国民を代表しているとは思っていないので安心してください』と述べた」外国軍の一職員が、日本で行われた4回の民主的選挙の意味を全否定する発言を行い、日本の「愛国的」ネットテレビがそれを放送している。

2015-02-17 15:50:00
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

日本が外国と結ばされた不平等条約や、それに起因する自国民の権利毀損に何の関心も払わず、日本に駐留する外国軍と自国民の紛糾で常に「外国軍の言い分」を代弁する日本人が「愛国」を自称する。岩倉具視はじめ、明治時代に生き、不平等条約改正に尽力した先人が見たら、理解不能で頭を抱えるだろう。

2015-02-17 15:51:03
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

米軍普天間飛行場移設に伴う辺野古新基地建設をめぐり、警察や海上保安庁の警備行動で新基地建設に抗議する市民らにけが人が出ていることについて、在沖米海兵隊の報道部次長が「ばかばかしい(Laughable)」とコメント(琉球新報)bit.ly/1zLCtRw

2015-02-18 15:39:25
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

在沖海兵隊報道部次長ケイリブ・イームス大尉「道路上に寝転がったり、移動している車両につかまって引きずられたりしてけがをしたと主張しているが、それは彼ら自身の選択だ」この論法を使えば、軍や警察がデモや抗議行動を武力で排除して、負傷者や死者が出ても「彼ら自身の選択だ」で正当化できる。

2015-02-18 15:41:19
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

平成26年9月3日 安倍内閣総理大臣記者会見「新たに、沖縄基地負担軽減担当大臣を設けることとしました。(兼任する)菅官房長官には、沖縄の方々の気持ちに寄り添いながら、これまで以上に全力で当たってもらいたいと考えています」(首相官邸)bit.ly/1CF9HUM

2015-02-18 15:43:18
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

第二次安倍改造内閣で「沖縄基地負担軽減担当大臣」というポストが新設され、官房長官が「兼任」することとなったが、その官房長官は沖縄県知事が事前に面会を申し入れても「多忙」を理由に断り、上京した県知事に全く会おうともしない。一般企業なら完全な「パワハラ」と認定される悪意の対応だろう。

2015-02-18 15:44:41
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

政府内でも特に多忙な官房長官に「沖縄基地負担軽減担当大臣」を兼任させ、多忙を理由にまともな応対をしない。この沖縄県民への露骨な「嫌がらせ」を間近で見ている記者たちは、なぜ「多忙で対応できないなら、時間に余裕がある人を『沖縄基地負担軽減担当大臣』にすべきでは」と質問しないのだろう。

2015-02-18 15:45:51
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

首相は先日の施政方針演説で「明治の日本人に出来て、今の日本人に出来ない訳はありません」と高らかに宣言したが、私もまったくその通りだと思う。明治日本の政治家にできた「不平等条約の改正交渉」が、現在の日本の政治家にできないはずがない。もしできないなら、政治家の質が劣化したことになる。

2015-02-18 15:48:08
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

明治時代と現代を比較するなら、現在の日本政府が何に似ているかと言えば、日本の明治新政府ではなく、清国との冊封体制/華夷秩序に従った朝鮮国政府だろう。日清戦争以前の朝鮮国は、清国への従属を「この道しかない」と信じ、それ以外の選択肢を持たなかった。今、そんな国が世界にいくつあるのか。

2015-02-18 15:49:20
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

国際的な安全保障問題では常に「アメリカの側」に立ち、国内の政治問題では「強権的な与党の側」に立ち、諸々の社会問題では「差別する側」や「弱者・少数者を切り捨てる側」に立つ。ツイッターでも、これらの態度をとる人の顔ぶれは同じで、思想や行動は「事大主義」の一言で説明できるかもしれない。

2015-02-18 15:50:43
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

自国が太刀打ちできない強大な軍事力を持つ他の外国を見て、その軍事大国と自国を「一体視」し、あたかも自国がその軍事大国の一部であるかのように錯覚すれば、安全保障面での懸念は一掃できる。そんな考え方を明治の日本人が見たら、おそらく「それは事大主義で愛国などではない」と一蹴するだろう。

2015-02-18 15:51:48
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

事大主義を「愛国」と取り違える人が多いのは、強大な力を持つ「陣営」に属せば、自分もその「力」の恩恵に与れるという処世術レベルで「国益」を理解するからだが、従属と引き換えに「自尊」や「誇り」等の精神的価値を捨てている。その矛盾から目を背けるため、形式的に威勢のいい言葉を振りかざす。

2015-02-18 15:52:57
misuzu sakurai @misuzusakurai1

日本の首都・東京は空を見上げると米軍の見えないフェンスが広がっていることをどれほどの日本人が知っているでしょうか。横田基地の制限空域が高度7000mにおよび、羽田空港を離発着する民間航空便はその制限エリアを迂回するように飛んでいます。 pic.twitter.com/NgFo8BcbAs

2015-02-14 01:02:38
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山崎 雅弘 @mas__yamazaki

明治時代の日清・日露戦争期や大正時代の第一次大戦期における、日本と欧米列強、日本と中国、中国と欧米列強などの間に結ばれた数々の「不平等条約」の事例を踏まえて、こうした現状を見ると、やはり戦後の日本は「不平等条約」の従属国なのだと再認識させられます。@misuzusakurai1

2015-02-19 19:50:21