男性が女性に言う「君を守る」とは、“自分を含めた”男性一般から守ること。

男性が女性に言う「君を守る」とは、自分や他の男性が脅威を与えている現実を肯定し、自分は「暴力を振るわないでいてやる」ことで、「他の男が遠慮して手を出してこなくなる」ようにすること。
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きづた @frimaire_

自分がそういう人間だから、他の男性もそうだと思って「他の男から守る」という発想になるし、他の男性がそうだと思っているから、自分もそうしていい/そうしなければいけない(そうしなければ女が手に入らない/男らしくない)と思うのだろう。

2015-02-24 22:13:55
きづた @frimaire_

というか後者の抑圧の方が(少なくとも彼の場合は)要因として大きかったのじゃないかなあ。怖いのは彼が所謂マッチョなタイプではなくて、知的でユーモアがあって人当たりがよく、小柄でちょっと中性的で、同性からは「イケメン」「なんでモテないのか」と評されるような文化系男子だったことだ。

2015-02-24 22:22:51
きづた @frimaire_

「お前は押しが弱いから彼女ができないんだ」と同性から言われているのも何度か見たことがあるが、そういう言説を信じ込んでしまった部分はあるのだろうと思う。優しげな人である分、自分が「男らしくない」というコンプレックスを抱え込んでいたのも分かる。

2015-02-24 22:30:07
きづた @frimaire_

それまでずっと、勉強も運動も生徒会も、みたいな「オール5」の人生を送ってきて、男子校を出たら恋愛も科目に加わって、それもこなさなきゃというプレッシャーがあったのも分かる。

2015-02-24 22:34:29
きづた @frimaire_

彼が自分のことを善良な人間だと思っていて、自分が行儀よくしている間にもっと悪い(と見える)人間が「うまいこと女を獲得してしまう」のを理不尽だと感じていただろう、自分も少しくらいずるい真似をしても許されると思ったのだろうとも想像できる。

2015-02-24 22:41:48
きづた @frimaire_

だから私は彼のような人を追い詰め歪めたであろうホモソーシャルを憎むし、「押しが弱いから彼女ができないんだ」的な圧力の存在を悲劇的だと思うけれども、だからといって彼を許しはしないですね。彼は「彼女を作るのに失敗した」としか思っていないのだろうけれど。

2015-02-24 22:46:47
きづた @frimaire_

無論彼の話は男性一般の話ではないが特殊例でもないだろうし、彼のような人を生んでしまう土壌があるということ、一面では彼も抑圧の被害者であるということ、しかし彼は間違いなく加害者であり、また同じ抑圧を受けても全ての男性がこうなるわけではなく、彼の卑劣さは免罪されないということ。

2015-02-24 22:58:54
きづた @frimaire_

それにしても、背丈も体格も自分とそこまで変わらない(と思っていた)男性に力ずくの真似をされて太刀打ちできなかった経験はずっと尾を引いている。個人差ではない、「性差」がまざまざと現れてしまって、否応なしに恐怖の対象が男性全般に広がってしまったから。

2015-02-24 23:06:31
きづた @frimaire_

無論、相手がいかにも腕力の強そうな人である方が、自分の場合よりましだなんて言うつもりはないです(当時は、もしそうなら腕力の強そうな人だけを怖がれば済んだのにと思ってしまったけれど)。人と比べて自分のケースは辛いみたいなことではない。

2015-02-24 23:12:08
きづた @frimaire_

でも細身でも、小柄でも、インドア派でも、みんな男性(というか、男体)というだけで怖い。それまで誰が男で誰が女かなんてほとんど気にしなかったのに、この事件のあと、大学でふっと顔を上げると周りは男性ばかりで、目の前には男性の友人が二人いて、ぞわっとした。

2015-02-24 23:17:24
きづた @frimaire_

男性の友人は沢山いて、ホモソーシャルやミソジニーを拒絶する善良な人たちであるのに、男体だというだけで怖くなったり気持ち悪くなったりすることがある。彼らの多くは男性嫌悪とそれゆえの自己嫌悪に苦しんでいる人でもあるので、そんなことを知られたらひどく傷付けることになるだろうと思う。

2015-02-24 23:22:21
きづた @frimaire_

しかし暴力を振るってくる人の前で「あなたはなぜそんなことをするの?」と聞くような真似をして(ほんとに分からなかったんだもの)、あれ以上ひどいことにならなくて運がよかったという気分にもちょっとなる。危険な時は相手を理解しようとなんかせず一目散に逃げるべしというのが学んだこと。

2015-02-24 23:37:41
きづた @frimaire_

相手を理解しようとずっと考え続けたのは、自分があまりに世間知らずなのでこの問題を解かないとまた同じ目に遭う、と焦ったからだった。それはとにかく逃げて安全な場所に行ってからすることだし、相手を受け入れるために理解してやる義理なんかはない。

2015-02-24 23:41:49
きづた @frimaire_

こんなことになる前に死んでおけばよかったのに、今となっては死んだって元に戻らないから死ねない、でもこの先もっとひどいことがきっと起きて、その時には今死んでおけばよかったと思うだろう、と考えていた。この先またそうならないとは限らないけど、今この時は違う、ということは、嬉しい。

2015-02-24 23:58:16
きづた @frimaire_

死のうとしてたとかではないんだけど、なんかあの時のことを思い出すと死とすれすれだったように感じられて、自分のことサバイバーって呼んでいいかなと思う(狭義では当てはまらないのだと思うけど)。

2015-02-24 23:53:37
きづた @frimaire_

でも昨日当時のツイート履歴とか見返してたら、あの時死ななくてよかったなと思った。生きててよかったと言えるようなことが起きたわけではないけど、あの時みたいなお先真っ暗な気持ちで毎日生きているわけではない、というだけで奇跡みたいだ。

2015-02-24 23:49:35