古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 #1

穏やかな日常を過ごす第六戦隊。そんな中、古鷹の進水日に起こったこととは。
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古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

「あんた10時に古鷹ねーさんと待ち合わせじゃなかったの!?」 「えっ……だって、目覚ましはまだ鳴ってな……ああっ、この目覚まし止まってます!」 「いいから早く支度しなさい!古鷹ねーさん携帯持ってないんだから、とにかく行かなきゃ!」 大慌てで青葉が身支度にかかる。

2015-02-26 00:40:12
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

古鷹ねーさんとの大事なデート。しかも今日は古鷹ねーさんの進水日ときている。そんな日に寝過ごすなんて、ああ、もうこのバカ青葉!「古鷹さんと遅くまでおしゃべりしてたので寝不足だったんですよ!」とは青葉の言だけど、そんなことが言い訳になろうはずもない。二人して慌てて鎮守府を飛び出す。

2015-02-26 00:49:17
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

生憎、今日は朝から雨。待ち合わせ場所の広場についた時には、あたりに殴りつけるような雨粒が降り注いでいた。まさかこんな雨の中、三時間以上も古鷹ねーさんが待っているはずは……。 「……古鷹さん」 その時、青葉の放心したような声が聞こえた。青葉の視線の先、そこに古鷹ねーさんはいた。

2015-02-26 00:49:41
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

そう、そこに確かに古鷹ねーさんはいたのだ。いつも通りの姿で、いつも通りの笑顔で。 「ふ、古鷹さん……」 青葉がかろうじて声を絞り出す。身の置き所もないような、謝罪の言葉もないような声音で。それなのに、古鷹ねーさんは笑っていた。雨の中青葉に三時間以上も待たされていたというのに。

2015-02-26 00:52:52
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

「青葉、遅いから心配しちゃった。良かった、来てくれて」 「……ふ、る鷹さん」 屈託なく笑う古鷹ねーさんは、それ以外の感情がないかのようだった。まるで、なぜ青葉が泣きそうな顔をしているのかまったく理解できないかのようだった。無邪気な、非人間的なその笑顔に、私は何も言えなかった。

2015-02-26 00:56:10