今や希少となったCDショップが新品CDの店頭陳列販売から手を引く理由

ジャンゴレコード @djangorecords

今や全世界で絶滅が危惧されているレコード/CD店の1軒ジャンゴです。近鉄奈良駅から徒歩5分。駅を出たら東向商店街のアーケードを通り抜け、もちいどの（餅飯殿）商店街に入ります。約2分ほどの距離の、細い脇道が交差する十字路の角を右に曲がってすぐ。周辺は早いけど夜9時まで。#nara

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このところ店舗やメールで本当によく尋ねられるので、3月をもって新品CDの店頭陳列販売から手を引く（引かざるを得ない）わけを、簡単に書き記しておこうと思います。もうこの仕事が嫌になったとか、そういう感じの理由では実は全くないのです（続く）

ジャンゴレコード @djangorecords

4年ほど前から、新品のCDは定価の8割での完全買取が当店の仕入れ条件になっています。返品もできなくなりました。（大手チェーン店や外資系なら今日でも25～30%ほど店側の利益があるのかもしれませんが？？）。例えば千円のソフトロックのCD1枚の買取価格は 864円です。（続く）

ジャンゴレコード @djangorecords

わかりやすいので、税抜きで説明を進めます。千円CDを10枚仕入れる場合に支払う額は8千円。1枚が売れ残った場合 売上げは9千円となり、逆に言うと 9枚ものCDを販売しにもかかわらず 利益はたった千円です。もし2枚が売れ残れば、ただちにその時点で赤字に転落します（続く）

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店舗の陳列CDの、おおむね全ての品においてこの条件のもとで 3年間頑張ってきたのですが、いくら頑張ってもわずかな利益を手にする事も困難でした。たくさん売れた月は嬉しかったけど、それでも　さて利益となると ほとんど得られていないのが実情でした。（続く）

ジャンゴレコード @djangorecords

この『定価の8割で買い取る』という仕入条件は、時代劇で描かれる「お上から搾取される貧しい小作人たち」と同じです（笑）。彼らも10の成果のうち 8 を奪われるのです。手元に残る 2 だけで食べてゆくのはとても厳しいです。(続く）

ジャンゴレコード @djangorecords

実際にはあり得ませんが、仮に1000円CDを毎日10枚仕入れ、その日のうちに残らず全部売り切ったとしても、1日あたりわずか2千円の利益にしかならず、テナント家賃の日割り分にも届きません。これではいくら頑張っても黒字経営は無理です。（続く）

ジャンゴレコード @djangorecords

実はこの3年間、CD業界の取引条件が ひょっとしたらまた以前のように商売可能な条件に緩和されないかという淡い期待もわずかにあったのですが、状況を見る限りそれはもう無いでしょう。レコード会社も卸問屋も音楽家も甘い汁は吸っておらず、誰が悪いわけでもありません。時代の流れでしょうか。

ジャンゴレコード @djangorecords

まあざっと こういった理由により、3月いっぱいで新品の店頭陳列販売から撤退します。条件がいい一部の会社のCDは並べるつもりですが、大手はほぼ全滅でしょう。今後も新品は『お取り寄せ』や『ご予約』という形で、店が続く限り販売を継続しますので、そんなのでもよければどうぞご利用下さい。

ジャンゴレコード @djangorecords

昨夜の記述通り、3月をもって28年間続けてきた 『新品の店頭陳列販売』を終了します。以降は「ご予約やご注文をお受けして」という形になりますが、店が続く限り新品も販売を継続いたします。ネットの方が安くて便利な時代ですが、もしそんなのでもよければ何でもお気軽にお問い合わせ下さい。

ジャンゴレコード @djangorecords

昨夜の連投を受けて、「お店続けてください」というメールを何通かいただきましたが、無理のない範囲で僕も頑張るつもりです。新品の店頭販売から撤退することにより28年の歴史に一区切りという気持ちもあって、残りの日々は風まかせで行こうと思っています。よろしくお願いします。