2010年12月14日

米国の新兵器、「通常型即時全地球打撃(CPGS)」の可能性

米国は全世界をどこでも一時間以内に攻撃可能な「通常型即時全地球打撃(CPGS)」という新兵器を開発中である。CPGSは、具体的には核弾頭搭載ICBMやSLBMの弾頭を通常型弾頭に置換したものであるが、このような新兵器の登場はミサイル防衛と同様に世界の抑止構造を変化させる可能性がある。注目が必要な新兵器である。
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fj197099 @fj197099

米、新型通常兵器開発に巨額投資 5年で830億円超(http://bit.ly/fUGWwq)…もう一つ重要な話題。オバマ政権は「核なき世界」を目指しているが他方で通常戦力による抑止はむしろ強化している。全世界どこでも1時間以内で攻撃できるCPGSというこのシステムもその一環。

2010-12-14 11:00:54
fj197099 @fj197099

CPGSは極めて分かりやすくいえばこれまでの核弾頭搭載の弾道ミサイルの弾頭を通常型弾頭に置換したものだ。これまでの大陸間弾道ミサイル(ICBM)等は命中精度が不完全であったから核兵器のような威力ある弾頭を必要としたが、現在は技術の向上でかなりピンポイントで狙えるようになっている。

2010-12-14 11:02:38
fj197099 @fj197099

現在大雑把に分けて陸上ICBMを使うCSMと潜水艦発射のSLBMを使うCTMの二種類が存在するが、後者は戦略上の問題が大きく、前者が注目されているようである。こうしたICBM級のミサイルを使う以外により小型なSM-3などを使うタイプも存在するがそれはペイロードや射程が小さくなる。

2010-12-14 11:05:02
fj197099 @fj197099

防衛白書に若干の説明あり(http://bit.ly/fwxTuY)。こうした新兵器の導入は抑止の世界に過去にはなかった変化をもたらす。つまり「戦略的な通常兵器」なるものが存在し得るか、という話だ。CPGSで敵の核ミサイル基地を先制攻撃可能ということになるかもしれないのである。

2010-12-14 11:09:09
fj197099 @fj197099

米中関係を例にとれば、中国は無条件の核の先行不使用を宣言しているから、中国の核ミサイルを米国がCPGSで攻撃しても、中国はこれに核反撃を行うことが建前上はできない。通常兵器で核兵器を無力化できるなら、たとえ核拡散しても通常戦力で優位にある米国の立場は揺らがない。利点があるのだ。

2010-12-14 11:11:14
fj197099 @fj197099

他方でCPGSにはこのように価値がある故に、米国以外の国もこれを保有しようとする動機があることは当然である。現在、中国が開発中の兵器として注目されている対艦弾道ミサイル(ASBM)もその一種だ。弾頭は通常型だが機動して空母を狙う。核兵器でないから核反撃を招きにくいメリットもある。

2010-12-14 11:13:29
fj197099 @fj197099

ASBMは米国のCPGSと完全に同じものではないが、通常兵器を戦略的に活用する(空母の破壊は戦略的意義を有するであろう)という意味では本質的に同じものである。湾岸戦争以来の戦争はピンポイントの「巡航ミサイル」の時代であったが、これからはピンポイントの「弾道ミサイル」の時代が来る。

2010-12-14 11:16:17
fj197099 @fj197099

そして無論、弾道ミサイルは巡航ミサイルと異なり攻撃を防ぐことは極めて難しい。ミサイル防衛はあるが限定的な攻撃に対応しているに過ぎない。これからの時代、防衛はまず「通常型の弾道ミサイルによる第一撃を喰らう」ことを前提とする形に変化しよう。喰らった後に何ができるか。それが課題となる。

2010-12-14 11:19:16
fj197099 @fj197099

CPGSは通常戦力で核兵器を無力化できる可能性を持つなど未来の兵器ではあるが、同時にその技術が拡散すると世界にとって無視できない影響を持つ兵器でもある。CPGS配備のコストは膨大であり、ミサイル防衛と同じく直ちにそうした変化が起こる訳ではないが、それでも変化には注目すべきだろう。

2010-12-14 11:22:18

コメント

fj197099 @fj197099 2010年12月14日
CPGSに更に関心のある向きは文芸春秋の最新号の岡部・能勢両氏の記事を参照のこと。「オバマの切り札 核を無意味にする超ド級ミサイル」。英語では幾つも情報があるが、日本語での紹介は貴重。あとは『軍事研究』の若干の論文くらいか。
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fj197099 @fj197099 2010年12月14日
誤解している人が多いようなので念のため注記しておくが、偶発的な核戦争を招く可能性があるとしてFY2009から予算が議会で認められていないのは潜水艦発射型のCTMであり、CSMは研究が継続されている。今年四月には失敗に終わったものの弾頭となるHTV-2の実験も行われている。CPGSの現状については議会調査局の最新の報告書を参照のこと(http://bit.ly/aB8MRP)。
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赤間道岳 @m_akama 2013年5月21日
元ネタが確認できないので何ともいえないのですが、5年で830億円って、ドルの間違いじゃないですよね?
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